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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 6

2013-10-06 21:33:33 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

えっと、今日のびっくりはですね、
(おいおいまかろん、「びっくりコーナー」始めちゃったよ・・)

今日まかろん、渋谷のヒカリエって複合施設に行ったんですけどね。
そこの地下道に、近所の小学校の生徒の絵がときどき展示されてるんですよ。

で、その内の一つのタイトルが、
「おじさんと天使たち」。

小学生、何があった。

でもまかろん、こういう感性、好きです。


さ、今日はタビィはどうなるでしょう。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その6

  やがてほうきは 地面に降りた
  からからの草地に 汚れた小屋
  魔女はタビィを懐に 戸をあける
  とたんにむわっと 変なにおい
  さあさ ここがあたしん家だ

<つづき>

部屋は 月の光でなお暗く
ごたごたごたごた 散らかっていた
ごぽっごぽっと 部屋のすみ
大きななべが 火にかかり
変なにおいを まき散らしてた

魔女が 何かつぶやくと
近くのろうそく ぼぼっと点る
なべに近寄り かきまぜて
ぎらっと大きな ナイフを出した
さあてちびっこ 爪をお出し

爪って一体・・・?
タビィは震えて 魔女に聞いた
爪だよ爪 そんな長くちゃ
あたしが迷惑 とっととお出し
魔女は タビィの爪をきれいに切った

それから お前を洗わなくちゃね
木桶を出して 魔女は言う
水は嫌です お願いです
ちゃんと自分で きれいにします
タビィは 片手をそっと隠す

お前のちゃんとなんか 知るもんか
もうすぐハロウィン 準備があるんだ
さあさ とっとと済ませるよ
タビィは 必死に頼みこむ
水は嫌です お願いします

やれやれ 生きが良いと思ったら
口答えする猫なんか 初めてだ
まあいい 腹がへったろう
これでも食いなと 出してきたのは 
腐った山羊の乳と ねずみの干物

ありがとうございます マダム
タビィはそう言って 口つけた
街でもらった牛の乳を 思い出す
ねずみの干物なんて 見たことない
これが僕の 食事になるのかな

何とか全部 食べ終わると
急に眠気が こみあげる
魔女さまの前にいるのに・・・
ああいいよ 疲れたんだろう
少し休みなと 魔女は言う

お礼の言葉を 言う間もなく
タビィは ぐっすり眠り込む
ゆらゆら ゆらゆら・・・
黒い闇が 優しく包む
やっと辿りついた 僕の居場所

<つづく>



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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 5

2013-10-05 21:06:53 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
週末ですね、お今晩は~。

皆さま、10月最初の週末をいかがお過ごしですか。

素敵なこと、びっくりすること、ワクワクすることに
いっぱい出会えてると良いですね。

今日まかろん、映画行きまして。
世の中すごい才能ってほんとたくさんいるんだなぁ、と思いました。

でね、こういうクリエイティブ系の人たちだけじゃなくて、
普通にお仕事してる人たちもプロの技なので、
まかろんからすると、充分びっくりですね。

世の中、普通のすごい人たちがみんなで技能を持ち寄って、
できあがってるんだなぁ、と思いました。

それはともかくとして。
タビィの物語、5回目です。

お楽しみ下さい。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その5

  そして ようやくある家で見つけた
  家の人間に 怒鳴られたけど
  タビィは初めて 真っ黒になった
  タビィは 誰もいない街外れに戻り
  思いっきり にゃーおと月に鳴いた

<つづき>

月が陰ったと思ったら 目の前に
まだらな木肌のような顔の 魔女が立っていた
おやおや猫ちゃん 一人かい?
ここは 黒猫の住処と思ってたけど
他の子たちは どうしたかえ

タビィは震えながら 答えた
みんなで 引っ越しをしたんです
でもみんな 向こうで病気になって
僕だけ 死ななかったので
またここに 戻ってみたんです

魔女は目をすがめて タビィを見た
黒猫が急に 要り用でねぇ
生きが良いのは 結構なこと
お前さん 一緒に来るだろう?
魔女はそう言い ほうきに乗った

はいマダム 喜んで!
タビィは勇んで ほうきに乗った
すぐに ほうきは浮かびあがった
木の高さより もっと高く
つばめが飛ぶより もっと速く

風がびゅんびゅん 吹きつける
かぴかぴする手が ほうきに滑る
ペンキがバレないか タビィはひやひや
でも 魔女がローブでくるんでくれた
つかまっといで ちびちゃんや

やがてほうきは 地面に降りた
からからの草地に 汚れた小屋
魔女はタビィを懐に 戸をあける
とたんにむわっと 変なにおい
さあさ ここがあたしん家だ

<つづく>


人気ブログランキング ← ここがあたしん家、・・ってここどこ。

コメント (2)
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 4

2013-10-04 21:02:12 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

今日まかろんは久々にとあるデパ地下行きました。
ハロウィン一色で、とっても楽しかったですよ!

で、ですね。
てこてこ歩いてましたら、
お酒売り場の店頭に、「かぼちゃのリキュール」。

「かぼちゃのリキュール」。

なんか・・・カボチャと乳製品と何かで作ってるらしいんですけど・・・

びっくり。

世界は驚きで満ちてるね!

ま、そんな話はともかく。

今日のタビィのお話を、どーぞー。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その4

  それからタビィは 街中の
  子供たちの 人気者になった
  だけど時たま 出会う猫たちは
  その見苦しい手を 見せるなと
  タビィを 物影に押しやった

<つづき>

ある時 タビィは人間が
ペンキ塗りをしてるのを 見た
白茶けた塀が みるみる緑に!
僕の手も ああなるかしら?
タビィは ペンキに手を突っ込んだ

ペンキ塗りしてた人間は 大笑い
だって 片手だけ緑の黒猫だ
でも タビィは得意満面
緑のペンキを ぽたぽた垂らして
街外れに戻って 夜を待った

けどまあ そうだね愛しい子
黒猫たちは 喜ばなかった
黒じゃなくて 緑だし
長老たちは おかんむりさ
垂れたペンキで 住処がバレると

黒猫たちは 引っ越した
タビィが 街に出てる間に
きれいさっぱり いなくなった
タビィは街に すごすご戻り
ペンキで かぴかぴする手をこすった

黒じゃないのが ダメだったのかな?
タビィは 黒いペンキを探した
片手を ペンキで汚した猫は
街でも 歓迎されなかったけれど
街中まわって 懸命に探した

そして ようやくある家で見つけた
家の人間に 怒鳴られたけど
タビィは初めて 真っ黒になった
タビィは 誰もいない街外れに戻り
思いっきり にゃーおと月に鳴いた

<つづく>


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※変更:2018年8月22日
ペンキ塗りしてるのを 見た → ペンキ塗りしてるのを ~
緑のペンキ ぽたぽた垂らして → 緑のペンキ ~

※変更:2018年8月26日
街でも 歓迎されなかったけど → ~けれど
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 3

2013-10-03 21:16:04 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
どもども、タビィの話、3回目です~。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その3

  タビィは 小さな箱に戻った
  でもお腹が空いたと 鳴いてみても
  もう誰も お乳をくれなかった
  白い手が鳴くなと 怒鳴られて
  タビィは この手が悪いんだと知った

<つづき>

タビィは 昼間に出歩いた
一族や魔族が 寝ている時間
明るい外は まぶし過ぎた
白い手を見るのが 嫌だった
だけど 飢え死にするのも嫌だった

街の人間たちは 牛の乳をくれた
山羊の乳より うまいと思った
人間たちは 黒くなかった
けれどタビィは 夜になると
街外れの小箱に 戻って寝た

ある日 箱に入ろうとして
どうやっても 入れなかった
タビィは 大きくなってたんだ
夜になるのに 隠れられない
タビィは 物影に隠れて寝た

タビィは夜も 街にいるようになった
いくら物影に隠れても 黒猫たちが
出てくるなよと にらんでくるから
人間の街の夜は 明るかった!
タビィは白い手を 隠して寝た

ある夜 街は浮かれてた
小さな人間たち わらわらと
奇妙な服に カボチャの灯り
家々回って 楽しそう
タビィは そっと近寄った

小さな人間たちは タビィを見つけ
いつもの白い手の猫だと 喜んだ
ハロウィンには 猫がいなきゃ!
抱いたりなでたり 大はしゃぎ
街中いっしょに 浮かれまわった

それからタビィは 街中の
子供たちの 人気者になった
だけど時たま 出会う猫たちは
その見苦しい手を 見せるなと
タビィを 物影に押しやった

<つづく>



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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 2

2013-10-02 21:31:22 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
どうも~、タビィの物語、2回目です。

ブログで発表という形式上、分割してお出しするしかないのですが、
どこで分割すると読みやすいのか、悩ましいところですね。

楽しく、読みやすく、お出しできてることを願ってます。


では、今日も黒猫タビィとお付き合い下さい♪


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その2

  黒猫は 人里が苦手なんだよ
  それに タビィは特別だった
  その話は したことあったかな?
  そうか おいでかわいい子
  タビィの話を してやろう

<つづき>

猫はだいたい きままなもんだが
黒猫だけは 違うのさ
おじいさんやら おばあさん
おじさんおばさん 姪っこ甥っこ
街外れにみんな集まって 暮らすんだ

どうしてかって? かわいい子
黒猫はみんな 魔力がある
立派に育てて 立派な悪魔や
立派な魔女に お仕えさせたいと
代々 黒猫たちは思うのさ

ところが なんということだ
片手だけ白い黒猫が 生まれた
そうだ それがタビィだよ
一族はみんな お母さんを責めた
Xmasに絞った 牛の乳をなめたからって

お母さんは どこかに消えた
立派な黒猫だったんだがね
名高い魔女に 長年仕えて
立派な悪事を いっぱいやった
だけど消えた ハロウィンの朝に

タビィは暗闇の中 育った
暗闇にいれば 手も染まるかもと
それまで外に 出てはならぬと
黒猫の長老が 言いつけたのだ
子猫は小さな箱の暗闇と 山羊の乳で大きくなった

タビィが箱一杯に 育ったころ
長老は タビィを箱から出した
けどああ 片手はやっぱり白いまま
魔族の方々の前には 出すなと
言い捨て 長老は背を向けた

タビィは初めて 箱の外を見た
背を向けた黒猫 嫌な目の黒猫たち
周りを取り囲む 黒い黒い猫たち
僕は どうしたらいいの?
黒い猫たちは 答えなかった

タビィは 小さな箱に戻った
でもお腹が空いたと 鳴いてみても
もう誰も お乳をくれなかった
白い手が鳴くなと 怒鳴られて
タビィは この手が悪いんだと知った

<つづく>



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※変更:2018年8月22日
おじさんおばさん 甥っこ姪っこ → ~ 姪っこ甥っこ 
小さな箱の暗闇と 山羊の乳で大きくなった → 子猫は~
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