三月は釣釜を楽しみますが、炉の最後の月となる四月には透木釜(すきぎがま)をかけます。炉の左右の縁に拍子木のような形の木(これを透木(すきぎ)という)を置き、その上に羽のある釜を乗せて使用するものです。つまり炉の上に宙に浮いた形で釜が置かれているわけです。従って透木釜も五徳は使いません。透木釜は通常厚みのない(深さのない)平釜、富士釜、平蜘蛛釜などの形のもの。羽の大きさは炉縁より小さいのはもちろんですが、釜によってそれぞれです。炉縁ぎりぎりの大きな羽の釜は炭手前で釜を上げたりかけたりする場合、炉縁を傷つけないよう、羽根が小さい釜は左右が均一に透木に乗るよう、十分気をつける必要があります。
透木釜の名称の由縁である透木は、敷木(しきぎ)から転訛した言葉と言われます。釜の羽を支え、炭火がおきやすいよう通風をよくする役目を持っています。漢字も音も涼しげな雰囲気を持っていますね。炉から風炉への移行にふさわしいと感じます。
歴代の好みとしては、利休好みの厚朴(ホオ)、宗旦好みの桐、七代最々斎好みの桜、十三代円能斎好みの梅などがある。
寸法は、風炉と炉では異なります。
風炉用:長さ三寸(約9センチ)×幅六分(約1.8センチ)×厚み三分(約0.9センチ)
炉用 :長さ三寸九分(約11センチ)×幅七分(約2.2センチ)×厚み四分(約1.2センチ)
桜が散り、新緑が待たれるこの季節、冬の寒さからも開放されて、そろそろ炉の炭火も少々遠慮してもと感じられるようになります。透木釜の胴の部分に張り出した羽で炉中の炭の火を隠し、客が暑苦しく感じないように火を遠ざける工夫、心遣いしたのが透木釜のしつらえなのです。利休様の師である武野紹鴎の頃から使われていると言われます。
この釜はいよいよ炉の季節も終わり、風炉の季節がやってくるなと感じさせてくれます。火との距離感、人と人との距離感、茶室の中ではちょっとした距離で、季節や人間関係を感じ取ることができますね。
透木釜もそうですが、長い歴史の中で決められてきた“型”や“使い方”には様々な知恵と心が篭っています。そしてその“型”を師から弟子へと受け継ぐ大切さ、すばらしさを実感している今日この頃です。私もいつか伝える立場になれるといいのですが。
参考までに透木釜の写真はこちら。拝借しました。
http://www1.tcnet.ne.jp/miyaz-sh/kakudai/b10_039.html
透木釜の名称の由縁である透木は、敷木(しきぎ)から転訛した言葉と言われます。釜の羽を支え、炭火がおきやすいよう通風をよくする役目を持っています。漢字も音も涼しげな雰囲気を持っていますね。炉から風炉への移行にふさわしいと感じます。
歴代の好みとしては、利休好みの厚朴(ホオ)、宗旦好みの桐、七代最々斎好みの桜、十三代円能斎好みの梅などがある。
寸法は、風炉と炉では異なります。
風炉用:長さ三寸(約9センチ)×幅六分(約1.8センチ)×厚み三分(約0.9センチ)
炉用 :長さ三寸九分(約11センチ)×幅七分(約2.2センチ)×厚み四分(約1.2センチ)
桜が散り、新緑が待たれるこの季節、冬の寒さからも開放されて、そろそろ炉の炭火も少々遠慮してもと感じられるようになります。透木釜の胴の部分に張り出した羽で炉中の炭の火を隠し、客が暑苦しく感じないように火を遠ざける工夫、心遣いしたのが透木釜のしつらえなのです。利休様の師である武野紹鴎の頃から使われていると言われます。
この釜はいよいよ炉の季節も終わり、風炉の季節がやってくるなと感じさせてくれます。火との距離感、人と人との距離感、茶室の中ではちょっとした距離で、季節や人間関係を感じ取ることができますね。
透木釜もそうですが、長い歴史の中で決められてきた“型”や“使い方”には様々な知恵と心が篭っています。そしてその“型”を師から弟子へと受け継ぐ大切さ、すばらしさを実感している今日この頃です。私もいつか伝える立場になれるといいのですが。
参考までに透木釜の写真はこちら。拝借しました。
http://www1.tcnet.ne.jp/miyaz-sh/kakudai/b10_039.html
m-tamagoさんのブログは勉強になります。
先日、透木釜でのお稽古をしてきました。
初炭手前で透木の扱いにやや苦戦!
もうすぐ風炉に変わるんだなぁ・・・とちと寂しい思いをしておりました。
表現する4月の道具として少量の熱気でたぎる透木釜は理にかなうし、又目でも春を感じられますね。
炉の終わりの時節は道具も花にちなんだ物を拝見する機会が多く華やいだ気持ちになります。
それにしても昔の人はよく考えるものです。
風炉に変わる前に怪しいところを復習しておかなくては!
半年が早いです。
>透木釜は羽から下は底が浅いので、当然ながら釜の水の量も少ないわけです。
>少量の熱気でたぎる透木釜は理にかなうし、又目でも春を感じられますね。
確かにおっしゃる通りです。
炉の最後の月は、お道具も華やいで本当に季節が変わり行くのを実感できますね。
初炭手前をさせて頂いたのですが、
透木の扱いは面白かったです。
汚れた方をお互いに合わすために、打ち返したりと。
この透木があってこそ、風がながれていくんですもんね。
小さいながら、大切な道具ですね!
なので大好きです。
小さいながら大事な道具、お好みまであったりして、すごいですね。
私も透木釜は風情があって好きです。