27.焚え残る白炭あらば捨ておきて
また餘の炭を置くものぞかし
この句は、初炭の後、後炭手前をする時に、
初炭で置いた白炭(枝炭)が残っていてもそのままにしておいて、残りの炭をつぐものである、と。
”餘の炭”というのが何を意味するのか、ピンとこなかったのですが、
井口海仙先生は、
5本ほど組み入れた初炭の枝炭のうち3本ほどを初炭に使い、
残った2本を後炭の時に使うというこ . . . 本文を読む
26.炭つがば五徳はさむな十文字
縁をきらすな釣合をみよ
炭のつぎ方について。
五徳を挟んで炭をつぐのは見苦しく、風通しもよくなく、火がおこりにくい。
炭の繋がりをきらさず、釣り合いよく(=火がおこりやすいよう)バランスを考えてつぐこと。
炭手前を始めた時、先生から炭は丸く繋がるようにつぐのよ、と言われたことを思い出します。
枝炭は導火線なの、という言葉も。
初炭のつ . . . 本文を読む
25. 客になり炭つぐならばそのたびに
薫物などはくべぬことなり
亭主に所望されて、客として炭をつぐ場合は香をくべてはならないという教え。
お香は、炭特有のにおいを消し、室内を清めるために亭主がたくべきものだから、
客がたくべきではないということ。
小習事十六か条の中に「炭所望」があります。
「炭所望」は3つ。
風炉の初炭
炉の初炭
炉の後炭
教本には、「風 . . . 本文を読む
24. 炭置くはたとへ習ひにそむくとも
湯のよくたぎる炭は炭なり
茶道には、抹茶を点てる作法以外に、炭のつぎ方を教える炭手前があります。
大きく分けて、
風炉の場合
炉の場合
初炭 (茶事の最初に炭をつぐ)
後炭 (茶事の途中、炭を直す)
とあり、
特別なものとして、
炭所望 (客に炭をついでもらう)
廻り炭 (炉の季節、席中の皆で炭をつぐ)
がありま . . . 本文を読む
23. 乾きたる茶巾使はば湯はすこし
こぼして残してあらふぞよき
最初読んだ時は何のことかよくわかりませんでした。
乾いた茶巾を使うって???
茶巾はそもそも濡らして絞って畳んで茶碗に仕込むものなのに?と。
井口海仙先生の解説を読んでなるほどなと合点がいった首です。
***********以下引用
(急に他所で点前をする場合、)
茶巾が乾いたように、湿りが少ないと . . . 本文を読む
22.筒茶碗深き底よりふき上り 重ねて内へ手をやらぬもの
筒茶碗は湯が冷めないように寒い時期に使われる茶碗で、
湯のみ茶碗のように筒状で深いため、
茶巾で清める時も独特な扱いになる。
筒茶碗を清める時は、
茶巾を人差し指と中指ではさむようにして、
まず底を拭き、
茶巾を挟みながら茶碗の縁にかけて、
通常通り3度半回し拭き、
右手で茶碗を茶巾ごとつかんだまま下に置いて、
茶巾を引き抜き、上 . . . 本文を読む
21.口ひろき茶入の茶をば汲むといふ 狭き口をすくふとぞいふ
言葉通り。
口の広い茶入からは抹茶を「汲む」といい、口の狭い茶入からは抹茶を「すくう」という。
ちなみに、口の広い茶入といえば、大海や鮟鱇など。
それ以外の形はほとんどの茶入が口が小さいと言えるでしょう。
しかし、私は、これらの言葉を使い分けていなかった。
それどころか、茶入からは、抹茶は「すくう」ものだとずーっと思 . . . 本文を読む
20.大海をあしらふ時は大指は
肩にかけるぞ習ひなりける
”大海”という茶入は、様々な茶入の形の中でも、平べったく、大ぶりで、肩が横平面に張った平丸型をしているので、横から持ったままでは、蓋が扱いづらい。
そのため、平棗の扱いと同じで、茶入を左手で上から半月にとり、茶杓を持った右手であしらって、左手のひらにのせ、蓋をあけて、抹茶を掬いだします。
この左手にの . . . 本文を読む
19. 文琳や茄子丸壺大海は底に指をばかけてこそ持て
18首の逆。
肩衝と中次は、底に指をかけずに横から持つとの教えだったが、今回の4つの形の茶入は、
小指を底にかけて持つ方が、持ちやすく安全だし、見た目にもよいということになる。
文琳(中国産のりんごの形)
茄子(茄子のように下が膨らんでいる形)
丸壺(丸い壺)
大海(平べったく、口が大きい形)
確かに、横から持つだけ . . . 本文を読む
18. 肩衝は中次とまた同じこと底に指をばかけぬとぞ知れ
茶入には、いろいろ形がありますが、日本製の茶入として一番ベーシックな形は肩衝(かたつき)です。
肩衝は、胴と口との間の肩にあたるところが、肩を張ったようになった形。
扱いを最初に習う時も、その後も、茶入といえば肩衝というほど、茶道を習う人なら手にしてきたのではないでしょうか。
肩衝茶入を持つときには、中次を持つときのよ . . . 本文を読む