月扇堂手帖

観能備忘録
あの頃は、番組の読み方さえ知らなかったのに…。
今じゃいっぱしのお能中毒。怖。

”絵解き”ってなぁに?(展示)

2012年11月16日 | その他
2012/10/13-11/25(京都・龍谷ミュージアム)



実演を拝聴したあとだったこともあり、見方がわかったようで楽しかった。

お坊さんによる絵解きが人気になって、次第に芸能化していく様子などもわかる。職人歌合わせに「絵解き」が載っている。熊野三山の運営資金を集める熊野比丘尼なる女性たちが絵解きする場面もたくさん描かれている。

能楽関連では、やはり「道成寺」系のお話がえぐい。(上のチケットの絵は「道成寺縁起」)


「鐘巻由来図」

「立山曼陀羅」には、「善知鳥」のお話のもとになった「片袖幽霊」なるものが描かれている。


「当麻曼陀羅」には中将姫が描かれてるものもあった(主客逆のような気もするけれども)。

「絵解き」という概念でくくると曼陀羅まで入れることができるらしく、両界曼荼羅も解いてもらえるものならぜひともお願いしたいと思ったりした。

が、実は、今日この展示を見て一番よかったなと感動したのは、「ベゼクリク石窟」の壁画なのだ。

正確に言えば、その復元図の展示。こんなもの展示してるとはパンフレットに書いてなかった(/ロ゜)/

トルファンにあるベゼクリク石窟にはかつて多数の仏教壁画があったが、列強の探検隊がことごとくはぎ取って持ち出してしまい、現在はほとんど残っていない。

この第15窟の壁画は、6カ国に渡りバラバラになっている。日本、韓国、イギリス、インド、ドイツ、ロシア。

このそれぞれをデジタルデータ化して1箇所に集め、もともとの姿を再現するというプロジェクトの成果がこれだ。
第15窟のコの字型の回廊を再現した展示方法がいい。石窟に入って壁画の間を歩くという疑似体験ができるのだ。

もうずいぶん昔に敦煌に旅行したとき、ベゼクリクにも寄ったので、なんだか懐かしくって嬉しかった。

このプロジェクトの詳細は龍谷ミュージアムのHPにある。見るべし見るべし。

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