★★★ 2019年/アメリカ 監督/アリ・アスター
序盤はモンド映画的な面白さや美術デザインに引き込まれた。夏至祭の描写もよくも大真面目にやったもんだと笑いつつも感心。しかし、作り込みが凄ければ凄いほどだんだん不快に。家族の喪失を克服する物語より、単に奇祭で酷い目に遭う映像表現が優先されているよう。好みではなかった。
一度に家族を亡くすという悲劇が、単に物語の導入、フックとして存在しているよう。なぜこの設定なのか合点がいかない。夏至祭の間、家族の亡霊は見るが、ダニー自身がどう家族と関わってきたかは一切語られないからだ。彼氏との関係始め、全てのエピソードが有機的に融合せず違和感ばかりが残った。