★★★★ 2017年/イギリス 監督/グリンダ・チャーダ
久しぶりの掘り出し物。アマプラのゆるいサムネに反し、インド・パキスタンの分離独立の歴史を地に足つけ描いた秀作。血で血を争う宗派の対立。統治国が勝手に決める境界線。異教徒同士の成就しない恋。壮大な歴史大河で総勢500名の従事者が働く荘厳な総督家のロケもすばらしい。
マウントバッテン卿の妻エドウィナの人物造形が印象的。政治に詳しく、平等主義で長期的な視野に立てと夫を諭す。ところが調べるとこの女性、なかなか奔放な生涯。こうした作り手による人物像の改訂は実像との違いを生むかもしれないが、そこも込みで楽しむのが歴史大河物の醍醐味ではないかと思う。