★★★☆ 2020年/アメリカ 監督/ジョージ・C・ウルフ
ほぼ地下のリハ室で展開するミニマムな構成。黒人差別の現実をラップのように畳み掛けるセリフの応酬で魅せる。チャラ男のようで心に闇を抱える男をチャドウィックボーズマンが好演。レコーディングという短い時間内に差別の根深さ、やり切れなさを凝縮させた1本。
ビオラデイビスのビジュアルがあまりにインパクト大きく、完全に音楽映画だと勘違いしていた。これから見る人は戯曲の映画化ということを知っておいた方がいい。例えば「真夜中のパーティー」などが近いスタイル。個人的には音楽を扱うなら、ライブシーンなど動きのある映画的な作品の方が好みだな。