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アメリカで働く臨床栄養士のブログ

内科ICU栄養士。食が大好きな一男一女のママ。日本と異なる医療・栄養事情、過去に書いた情報は既に古いことも…あしからず。

和食って何だろう?

2009年12月29日 | 毎日のあれこれ
年末にもなって、私はまたまた難問にぶつかっています(笑)。「昔ながらの和食は健康的」ってよく聞きますが、それって何だろう? もし栄養士が、昔ながらの和食を勧めるならば、その定義が分ってないとダメですよね?

(疑問1)昔っていつ?
アメリカで昔と言えば200年以内くらいを指しますが、日本はとっても歴史が長い。多分、江戸時代以前は、庶民の多くは栄養不良が多かったんじゃないかな? そうすると明治以降、世界大戦前の話なのかな?。でも、白米が脚気と結びつくような時代は、栄養欠乏とギリギリのラインで暮らしていたんだろうな…。戦後は一気に食生活が変わってきているから、多分この時期のことではないかな…。冷蔵庫が普及する前は、和食(日本食)と言っても、山に住んでいるか、海に住んでいるかetcによって、地域差が物凄く大きいと思うし。昔っていつのことだろう。

(疑問2)和食(日本食、日本料理)って何のこと?
疑問1と重なるけど、日本は歴史が長いから、和食の定義って難しいんじゃないかな~と思ったりします。昔ながらの和食というのは、実は郷土料理のことなのかな?。郷土料理はとても大切だと思うけど、今の時代に郷土料理をメインにした食事を勧めるのは難しいはず。

(疑問3)ヘルシー、健康的って何?
これを真面目に討論したら、答えが出なくて大変なことになると思うけど、ヘルシーというのは、低カロリー、低脂肪ってことなのかな? たんぱく質の量、脂質の質、カルシウムなどなど、昔の人(昔っていつの事か分らないけど)が十分に摂れてなかった栄養素も沢山あったはず。寿命が延びている今では、低カロリー&低脂肪だけでは通用しないってこともあるんじゃないかなぁ…と思う。

ちょっと考えたところでは、「昔ながらの健康的な和食」は、魚、豆腐、肉、味噌、野菜、卵、乳製品などを食べることができた江戸時代後期&明治時代くらいの一部裕福層の食事かな?

ASPEN

2009年11月05日 | 毎日のあれこれ
ASPEN(米国静脈経腸栄養学会)の年会費を払う時期がやってきました…。どこでも学会費って安くないので、結構な出費になりますよね(涙)…。ところで、学会の会員には基本的には年会費を払えれば誰でもなれますが、プロフィールとかにどこの学会に属しているのかを書くと、「凄い」と思ってしまう人もいるようです。なんだか不思議なことです。

今月のASPENの学会誌の1つのJPENが届きましたが、やっぱり難しい内容が多いですよね。50%は個人的に関心があまりない内容で、25%は関心はあるけど内容が難しくてさらっと飛ばして、残りの25%に目を通す…といったようなダメ会員です。ちゃんと読みこなすには、生化学とかの知識はもちろんのこと、統計学もしっかり把握してないと無理ですよね。でないと、せっかく内容は理解していても、最後の結果のところで、統計学に騙されてしまうとか…。そんな中で、論文等をまとめて出される臨床ガイドラインとかは、やっぱりありがたいです(多くの人にレビューされて公表されているので偏見がないことを願ってます)。

JSPEN会員

2009年10月31日 | 毎日のあれこれ
晴れて(?!)JSPEN会員(日本静脈経腸栄養学会)になりました。日本から学会誌を取り寄せたので読んでみました。興味深いですね~。ASPENと比較して査読パス以外の内容が多いですね。NCP(Nutrition in Clinical Practice)はInvited Viewが多いですけどね。

*訂正(2010年1月)* 上の文章、おかしいことに気づきました…すみません。「ASPENと比較して」ではなく、「JPENと比較して」の間違いでした。ASPENには「JPEN」と「NCP」2つの学会誌があります。JPENは査読経由の論文が多めで(特定トピックの研究発表などなど)、NCPは実務に応用できそうな、査読パスではないInvited View(まとめられた情報みたいな感じetc)が多めだと感じています。

私も臨床栄養を学んでいる身ですので、まだまだ分らないことはありますが…。特に気になったのは、学会誌に掲載されている症例発表のアブストラクト。要旨を読む限りでは、ストレスのある患者さん(病気や怪我による身体的ストレスのこと)に対して、アルブミンを栄養指標として用いている様子が一部で伺われたことです。ストレスがあれば、当然アルブミンやプレアルブミンは下がりますので、これらの指標は、栄養状態をみるもとのして使い物になりません(肝臓のたんぱく質生産に変化が起き、CRPなどの生産を増やし、アルブミンやプレアルブミンの生産が減ってしまうのは、ストレス防御機能の一つですよね)。しかもアルブミンはhalf-lifeが長いので、さらに使いにくいと思います。このような症例を発表してよいのか・・・とも思いますが、みんなで教えながら色々学んでいくのもきっと大切なんでしょうね。

イェーイ!!合格しました!

2009年10月18日 | 毎日のあれこれ
CNSC(Certified Nutrition Support Clinician :栄養サポート臨床師(前CNSD))のテストに合格しました!!いや~嬉しいです!これは臨床栄養士の上級資格みたいなもんです。前々から受けたかったけど、学校とか育児とかなんやらで(言い訳…)延ばし延ばしになってました。受験料が350ドルだから不合格だと痛いし。。。フルタイムで働いている時に受ければよかったのですが、行き当たりばったりの私には無理(汗)。

テスト問題は250問。最初の50問は簡単で、日本の管理栄養士試験とか、アメリカの登録栄養士試験レベルでした。なんだ楽勝だ~・・・と思ったのもつかの間、50問目くらいから急変…。

思っていたよりも難しい問題が多くて、ダメかなぁ~と不安にもなりました。静脈栄養の副作用を身体的状態から判断する方法、病態に合った静脈栄養の電解質の問題、一般的な栄養学とはちょっと違う臨床的な問題が多かったので、冷や汗ものでした。あと、つわりがひどい時期のテストで何度か退室してトイレにダッシュしたり…(最初から許可取ってました)。思い出深い?!テストとなりました(汗)。

この試験は、去年から医師、看護師のものと統一されました。医師には当然楽勝で合格して欲しいけど、看護師で合格する人は凄いな~と思います。

いや、それにしてもよかったよかった。

CNSC試験について:http://blog.goo.ne.jp/louxaki/e/f53ab90d0d8b7628c347083da3ecf147

個人的に経腸・静脈栄養に関心がある理由。。。

2009年07月18日 | 毎日のあれこれ
今回はちょっと独り言。私は、食事や料理が大好きですが、経腸・静脈栄養にもとっても興味があります。経腸・静脈栄養を勉強すると、臨床栄養的な知識はもちろん、エビデンスなどに関する知識もついてきます。経腸・静脈栄養の実践は、「なんとなく…」では通用しないので、これらの知識があると、栄養相談等における科学的バックグランドにも自信が持てるようになります、、、対人スキルも大切なんですが…。

患者さんの症状にあった、エビデンスに基づいた栄養処方を食事に当てはめるのは、かな~り高度なスキルを要すると思っています。食事療法って、どんな根拠があるんだろ~なんて部分も探ってみると色々な発見があります。実は根拠ない…とか、実は効果ないかも…、なんてのもありますし(汗)。世の中には分からないことは沢山ありますし、事実もどんどん変わりますし、これは避けられないことです。でも20年前の栄養学をそのまま実践ってのはまずいですよね。あれ、タイトルから随分話がそれてきたのでこの辺で。。。栄養士の仕事って奥が深いわぁ。


管理栄養士試験の過去問、まちがえた。

2009年06月21日 | 毎日のあれこれ
ちょっと検索をしていたら、管理栄養士の過去問がヒット。静脈栄養の問題で、5つの中から1つ正しい答えを求めるスタイル。そのうちの2つが下の2つ。どっちが正しいでしょう?私は思いっきり間違えたぞ~。

・中心静脈栄養剤にはタンパク質が含まれる
・成人では非たんぱく質熱量/窒素比は、150~200kcal/gが適当である。

例えば2000カロリー必要だとすると、たんぱく質量はまあ標準的でその15%の300カロリー(75g)。よって非たんぱく質熱量は1700カロリー。アミノ酸6.25gは窒素1gなんで、非たんぱく質熱量/窒素比は、1700÷6.25=272。当てはまらないジャン。病態も体重の説明もないし…、どうすれば答えが分かるんだろ。何か私が勘違いしたかな?ちょっと検索してみると「TPN対象者の場合は、150~200を基準とするのが一般的」となっているらしい。なんて不思議な問題だろ~。

他に正解っぽいのが無かったから、「中心静脈栄養剤にはタンパク質が含まれる」が正解かと思ったさぁ。たんぱく質かアミノ酸って言葉にこだわらなくていいかとも思うけど、牛乳とかを静脈投与するミスなんかも昔あったとかいうしね…。問題作りって難しそう。

地元の開業栄養士

2009年06月16日 | 毎日のあれこれ
私と同じ地域に住む開業RDのウェブサイトをみてみると、サービスの金額が表示されていました。すると、90分の栄養相談は2~3万円でした。3万円のサービスは、栄養相談以外にも、食事記録の分析などがついているものでした。そして、6ヶ月のマンツーマン栄養相談は14万円でした。ちなみにこの開業RDさんのビジネスは上手くいっているようです。この方と一度会ったことがありますが、はつらつとしていて、ちょっとレセブ?!っぽい感じも受けました。

金額的には、保険無しで病院RDと相談した場合と同じです。ただ、保険無しで病院に来る人はまれだと思うので、実際に病院栄養士に相談する場合は0~2000円くらいだと思います。病院だと必ず病院内での栄養相談だけど、この開業RDさんだと、場所一つをとっても、顧客自身のキッチン、スーパーマーケット、レストランなどなど、どこでも栄養相談できるし、やっぱり自由な部分ってあるよね。

それにしてもアメリカっていろいろ高いよね~。

戻ってきました

2009年04月29日 | 毎日のあれこれ
コメントを頂いた皆様ありがとうございました。お返事遅れてすみません…。

ちょっとバケーションに行ってリフレッシュしてきました。
毎日、息子は大喜びでハワイの海辺ではしゃいでいました。

これからまだ消化していないクラスメートのリサーチ発表や課題に目を通したいと思います。今週は、私の半固形化栄養のプレゼンもあります。クラスメートの反応が楽しみです。

子供の食事嫌々モード…。

2009年04月04日 | 毎日のあれこれ
ついにウチの息子にも嫌々時期がやってきました。いつも日本語で話しかけ”No”という英語を教えたつもりはないのに、「No」を連呼しています(苦笑)…。食事の時も嫌々モードです。まあ、私も昔は異常なほど好き嫌いが多かったのですが、今は嫌いなものを探すのが大変なくらいなので、どうにかなるでしょう…。職業病のせいか「肉、野菜etcを食べてないな」という考え方ではなくて、「でも、亜鉛、タンパク質、ビタミンB郡、鉄分 etc足りてるな」みたいな発想なので、何か食べなくて気持ち的には余裕があるような、無いような(笑)…。

ちなみに息子が好んで食べるように見えるのは、
黒豆、金時豆、ヨーグルト、豆乳、サーモン、グリーンピース、豆腐、バナナ、メロン、おろしりんご、甘みのある人参(棒状に切ってゆでたもののみ)、さつまいも(棒状に切ってローストしたもののみ)、じゃがいも(棒状に切ってローストしたもののみ)、アーモンドバターを塗ったやわらかい雑穀パン、ミートボールのスパゲティー(ミートボールにもソースにも大量に野菜を隠し入れたもの)、、えっと、これだけですね。

かぼちゃ、白魚、卵、白パンなどは好きなものと歯ざわりが似てると思うけど、駄目みたいです。形や調理法が変わっても駄目みたいです。肉はどんなに違う調理法を試しても駄目みたいです。そのうち、止めても肉を食べるようになると思いますが…。栄養士のママも悪戦苦闘ですね(苦笑)。まあ、歯がもっと生えてきたらまた好みが変わるでしょう。

今年のニュープラン

2009年01月18日 | 毎日のあれこれ
今年からは、ママ業と学生業に力を入れる代わりに、病院でのお仕事とオールアバウトなどの執筆のお仕事を少しスローダウンすることにしました。病院勤務はトータルで5年目を迎えるのを節目に不定期パートタイム(PRN)に変更、オールアバウトでの執筆業務は月当たりの記事更新が1本ほどになります。大学院の春セメスターがそろそろスタートします。今セメは「アドバンス静脈・経腸栄養」と「応用生理学」を受講しながら研究等の下準備をします。ママになって、改めて食育の重要性をヒシヒシと感じています。栄養学は、一生学びならが、一生実践できるので素敵ですね!