ルイ・ロットの館

ルイ・ロットにハマった笛吹きのブログ。

ルイ・ロットの価格表を読み解く その2

2011-11-20 14:08:48 | 日記
ルイ・ロット商会 1870年の価格表です。









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1855の価格表と変わった点は下記の通りです。


金属製フルート(円筒管)

5. 総銀製、 C足部管           25フラン値上がりし525フランに。
6. 総銀製、 H足部管           25フラン値上がりし575フランに。

                                        

木管円錐管ベーム・フルート

11. グレナディラもしくは黒檀、キイ洋銀製、 D足部管   20フラン値上がりし170フランに。


ベーム・ピッコロ(円錐管)

14. グレナディラもしくは黒檀、キイ銀製         10フラン値上がりし180フランに。
15. グレナディラもしくは黒檀、キイ洋銀製        10フラン値上がりし130フランに。


普及型フルート

6キイ、9キイ、10キイ、11キイ、12キイがカタログから消える。
5キイ、8キイのみになる。価格の変動なし。


普及型ピッコロ

カタログから消える。



新たに加わったのが・・・・

ケースとアクセサリー

モロッコ革のケース、通常のビロード張り             12フラン
モロッコ革のケース、                      16フラン (←←←この辺、ちょっと分かりにくいところです。)
絹のビロード張り                        25フラン
円筒管フルートのための掃除棒                   5フラン
木管フルートのためのアクセサリー、
ドライバー(ねじ回し)、掃除棒、2つのジョイントカバー(キャップ)5フラン
オプション


No.5.6(銀製)7.8(洋銀製)のフルートの金製リッププレート    100フラン
No7.8の(洋銀に対する)銀メッキ                  30フラン


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モロッコ革とは・・・・

>モロッコ産のなめし革。ヤギの皮をなめした良質のもので、婦人靴、書物の装丁、家具の上張りなどに用いる。
http://kotobank.jp/word/モロッコ革

だそうです。



円筒管フルートの為の掃除棒はおそらくこれです。(下の2本。上はピッコロ用のもの。)



ねじ回しが組み込まれています。



【木管フルートのためのアクセサリー、ドライバー(ねじ回し)、掃除棒、2つのジョイントカバー(キャップ)】

これは円錐管フルートのケースを見ればわかりますが、


ねじ回しを収める凹みがあります。

物は違いますが、こんな感じで収まるはずです。


マニアとしてはここに収まるはずのオリジナルのドライバーも手に入れたいところです。

どなたか譲ってください!



ジョイントキャップはヤマダ・ピッコロで作ってもらった物ですが、やはりこんな感じでしょう。


オリジナルを見たことがありますが、銀のリングが嵌められていました。

これです。




この価格表には出ていませんが、コルクグリスを入れる木製の小さな容器も付いています。これはオリジナルだと思います。



この楽器は初代のものですから、注文すると当たり前に附属していたものと思われます。




【No.5.6(銀製)7.8(洋銀製)のフルートの金製リッププレート 】

これは18Kのリッププレートですね。

私が手に入れた最初のロットは本体が初代でしたが頭部管はE.シャンビーユのもので、ゴールドリップでした。

初代のゴールドリップのものがあったら手に入れたいものです。



【No7.8の(洋銀に対する)銀メッキ 】

洋銀はその性質上、メッキしないと長持ちしないので、こうしたオプションが出てきたのだと思われます。




カタログ上ではこんな感じですが、実際に様々なロットを手にしてみると、

樽の部分や頭部管にオーナーのイニシャルを彫ってあったり、前にも触れたギヨッシュ(編み縄模様)以外にも

銀や金の細工(なんて呼ぶのでしょうか?)があったりしますので、注文主の細かなオーダーに応えていたようです。






こういうのが付いて、それがいい楽器だったら・・・・

かなり羨ましいですね(笑)。




あともうひとつ変わった点がありました。

コンセルヴァトワールの納入業者であることが記されています。

ロットは1860年にコンセルヴァトワールから公式フルートの納入業者に指定されたのでした。




もう少し続く。


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