映画を観たよ

ただ今、休止中。
その内戻ってくる予定です

アート・オブ・クライング ~東京国際映画祭~

2006-10-26 | ア行の映画
コンペティション作品

あらすじ
1970年代のデンマーク南ユトランド地方 ―メガネをかけた11歳の少年アランの目を通して家族や親戚や近所の人々の一癖ある性格や悪徳が浮かび上がる。
アランは、父のことが大好きだ。父は気弱だが葬式の弔辞にかけては天才で、遺族と会葬者全員が泣いてしまうほどの腕前をもつ。アランにとってそんな時の父はとても幸福そうにみえる。
(公式HPより)

非常にきわどい映画でした。
テーマは精神的、性的虐待や人殺しなどと重いはずなのですが映画自体は非常に軽く作られていました。
この映画では一人一人に不幸がやってきます。
でも子供からの目線で厳しく不思議な大人の世界なのですが見つめるのですがキワドイものを扱いながらその目線は厳しいだけじゃなかったです。
アレンは何も知らなかったただ純粋な男の子。
これは監督さんが言っていたんだけどアレンは精神的な虐待をお父さんから受けていたんですね。
これは多分本人は気付いていないんでしょう。もしかしたら無意識に気付かないふりをしていたのかも知れません。
だからこそお父さんを喜ばせようとお姉ちゃんに頼んでみたりおばあちゃんを殺してみたりと・・・その姿は痛々しくもどこかに優しさを感じてしまいました。
でも彼自身はお姉ちゃんの入院をきっかけに何かに疑問を持ち始めお父さんに少し反抗的な姿を見せる。
お父さんを拒否し始める。だからこそあの時早くお父さんの自殺を止めなかったんだと思います。
それは成長であり彼が初めて自分を持ったことだと。
全体的に中だるみもなくブラックユーモアが効いていてテンポ良く見れました。
この映画の子役さんはみなこの地方の村の素人さんなんですが全然そんなことを感じさせない演技でした。
非常に興味深くておもしろい映画でした。

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