フローズン・タイム

気になったので。
観る予定はなかったんですけど、巷の評判がいいので行ってきました。

前知識はゼロ。ただ主人公は時間を止められるらしい・・・。
何も特別な世界じゃない。
誰もがわかるような失恋や新しい恋の気持ちを、とても可愛らしく時にくすっと笑ってしまう、そんなほわっとした空気で包み込んでくれました。
どこか日常を傍観的に見ているベンや、とにかくエロに走る友人にスーパーの悪友や残念な上司（笑。
主人公が恋する女の子はいつものクセで（？）ワケあり？なんて勘ぐっていたのですが、夢に真っ直ぐなことですごく安心しました。
そんな様々なキャラクターとともにストーリーは楽しく進んでいきます。
不眠症で自分の中ではすっかり時間が止まっているベンが、恋に落ちたときからスピードが上がったようにどんどん進んでいく。
時間はいじわるだし、敵だ。嫌な時間はスローで、楽しい時間は速くって。
普段の生活の中で時間が止まるんじゃないかと思うほどの瞬間、時間が止まればいいのにと思う瞬間がある。
そこに好きな人が絡んでくるならなおさらね。そんなことを思っちゃた。
ストレートでありながらも、その映像と可笑しさでこちらの心がしっかり掴んで離してくれない。魅力的なキャラクターと、可愛らしいストーリーになんだか綻んでしまうこちらの表情。とっても心地よかったです。

そんな可愛らしいストーリーを一番引き立てているのが、この映像でしょう。
フォトグラファーの方が監督したということで静止画の美しさをいっぱい知っているんでしょうね。
「時間が止まる」その瞬間がとても美しかったです。
スーパーでの買い物客も、上司の話をぽけーっと聞く彼女も。
その一つ一つの形と表情がとってもよくって。
スーパーでのデッサンシーンはこっちまでドキドキしてしまったのですが（笑）いや、こちらも美しい体を見せていただきまして・・・でした。
怒り狂う女性の表情はとても恐い顔をしているのに、ベンの冷静な声が入っていてなんだかベンと同じトーンで見ることが出来た。
もちろんラストの雪の中の静かな2人だってお気に入り。
色んなシーンで止まりスローになり、はっとするくらいに女性の美しさを見せてくれたのでありました。