どうして自閉症なの

観察・評価・予測・確認・仮説・見解・根拠

No21 「監視者」

2015-11-08 05:40:06 | コラム
「冷静」

 辞書では、感情に左右されず、落ち着いていること


興奮している相手と関わる時には、こちらも感情が高ぶってしまう。

そういう時には、頭の中で「支援」という言葉を繰り返して、

自分を冷静にさせる。

決して怒りの感情だけで支援をしてはいけない。


怒鳴ることも、強い口調も、使う単語の言葉も、

相手を安定させる為の演技。

短時間で安定状態にまで戻す。


安定すれば本人が色々考えてくれる。

こちらの話も落ち着いて聞いてくれる。

そして成長をしてくれる。



今は安定しているからそっとしておこう。

こういう考え方の支援者が多い。

そしていきなり興奮する相手に、恫喝や拘束支援。

本当は、放置という虐待行為から始まっているのに、

興奮して暴れる相手を拘束支援。

事故を防ぐ為の緊急対応という形で処理されてしまっている。



安定している時にこそ、会話を増やして関係を深める。


問題が発生してからしか動かない支援者。

支援者が監視者になっている。



No20「喜怒哀楽」

2015-06-07 06:11:23 | コラム
生きている実感。

「喜怒哀楽」を感じる支援、関係。

と、よく説明をする。

息子は「言葉」を持っている。
ただ絵カード程度の能力。

気持ちや体調を他人には伝えられない。

自閉症の人達の多くはそうである。

頑張る事だけが、頑張った事だけが、認められる。
だから関わる者も頑張らせようとする。

怒ったり、興奮したり、イライラしたり。
それらはダメな事で認めてもらえない。

理由や原因なんて関係ない。
自他傷だけが問題として扱われる。


我慢や制限だらけの中で生きている。
愚痴や不満や意見も言えない。
話も聞いてもらえない。


息子も精神面や感情面では難しい年齢ではある。

だからこそ丁寧な支援が必要。


親としても足りない関わり方は反省です。

学校での興奮が段々とエスカレートとしている状況。

息子が救いの手を求めているのかもしれない。




No019褒められると怒る息子

2015-03-08 20:34:29 | コラム
今の感情の状態を分るように、
特に、怒っている時には「怒っている」と伝えてきました。

今、息子に「よく頑張った」と言うと、
「しない」と怒りだす。

学校で「頑張る」「頑張れ」と言われ続けているのかもしれない。
「頑張った」という、褒め言葉ではなく。
頑張る事を、強要されているのかも。

「頑張る」という言葉は、嫌な言葉になってしまっている。

作業所では感情の移り変わりをとても大事にして伝えている。
頑張れた事、いい表情になった事も伝えている。

「頑張れ」「頑張れ」とは言わない。
「よく頑張った」と褒めるだけ。

「頑張れ」「頑張れ」と言われる事は辛い事。
励ましではなく、苦しめているだけ。

発語が無い頃、息子に「リンゴ」と言い続けたら、
顔が恐怖で脅えていた。
直ぐに言葉の練習は止めた事を思い出しました。

いつか「頑張った」という褒め言葉に戻したい。



No018 「なぜ?」「どうして?」と考え、悩む。

2015-02-11 21:35:36 | コラム
年度末が近づいた事もあり、
今年度の振り返りと次年度に向けた職員会議と研修を実施しました。

自閉症の研修と職員能力についての研修。

実践の出来る職員。
今の職場には1名いてる。
まだまだ成長を続けている。
そんな職員と一緒に働けている事に感謝です。


療育、機能訓練から始まり、
息子も4月からは支援学校の高等部へ。
やっと職場の実践に近づいてきました。

自閉症を理解するには。
研修の目的です。

「脳の機能障害」を理解する。
その為には関わる者が、
「なぜ?」「どうして?」と考え、悩み、苦しむ。

そこから、

観察・評価・予測・確認・仮説・見解・根拠

これらの事を持って実践をする。


これが理解されない、理解しようと努力をしない。
教育現場も福祉現場も。

No017 地域の学校

2010-08-02 21:47:00 | コラム
地域の学校に入学してから最初の2ヵ月は連絡帳だけの世界でした。

その後、先生と療育についてのやり取りに手紙を増やしました。

二学期の後半までは息子の問題行動も色々あってやり取りが続いていきました。

同時に先生とも意思の疎通ができるようになった事で何か物足りなさに気付き始めました。
というより考える余裕が持てるようになった事が大きいです。

息子の学校生活をイメージした時に娘と違うところは何?

答えは子供達の世界での会話でした。

休みの日に何をして遊んでいた。子供達の自慢話なのかもしれません。

連絡帳だけでは伝えきれない世界。連絡帳は先生とのやり取りです。

一年生の三学期から「パパレポート」として息子の休日の様子を写真入りで手紙にして持たせました。

写真を載せていると子供達も興味を持ってくれる。そうすれば写真を見て子供達が息子に会話をしてくれる。

介助先生も息子の休日の様子を息子の代わりに話す事ができる。

介助先生も困っていたと思います。子供達に質問されても息子の家の様子は分かりません。

障害を持っていても、みんなと同じように楽しく過ごしている事を伝えられる。

想いはどうすればクラスの子供達が息子の周りに来てくれるかでした。

クラスの子供達に息子は障害を持っているだけでみんなと同じだよ。

学校は市の方針で通級の入り込みが多くとてもいい環境です。

その分、通級の子供達との関係も必要です。

子供達が息子を助けてくれて援助してくれて、みんなで息子の事を見守ってくれています。

本当に素晴らしい子供達です。

子供達の会話の世界。息子の言葉の代わり。

「パパレポート」も役に立ったのかもしれません。