頭の中が散らかっています

昔むかしワーホリでトロントに滞在、帰国。アイスクリーム・映画・歌舞伎・アニメが好き。

映画「NINE」

2010-04-01 02:51:02 | 映画
映画「NINE」

新作映画のアイデアが一つも浮かばず、行き詰まる映画監督グイド(ダニエル・デイ・ルイス)。しかし、撮影開始のスケジュールは目の前に迫っている。そんな彼をとりまく女たち――妻ルイザ(マリオン・コティヤール)、愛人カルラ(ペネロペ・クルス)、衣装制作者であり良きアドバイザーのリリー(ジュディ・デンチ)、少年時代に出会った娼婦サラギーナ(ファーギー)、雑誌記者ステファニー(ケイト・ハドソン)、新作映画に主演予定の女優クラウディア(ニコール・キッドマン)、愛するママ(ソフィア・ローレン)。
豪華キャストでおくるミュージカル映画。
監督は「シカゴ」のロブ・マーシャル。




さすが実力・名声ともに兼ねそろえたキャスト陣だけあり、個々の演技は芝居部分とミュージカル部分のどちらも素晴らしい。なのに、全体としてみると、良い映画を観たとは言い難い。

わたしはミュージカル映画が嫌いなわけではない。「シカゴ」では圧倒的な迫力とテンポの良さに爽快感と高揚感を覚えたし、「オペラ座の怪人」では三時間ほどの上映時間中だれることなく物語と歌声に引きこまれた。ミュージカル自体も劇場へ足を運んで観たことがある。

だから、あの刺激的な予告を観た瞬間、この映画は絶対に劇場で観よう、と思った。


しかし、結果は。
正直、途中でだれた。
主人公グイドの「どうしよう、映画のアイデアが浮かばない」という苦悩でほぼ全編ひっぱり、そこへ味付けされたのは女性とのからみ。衣装担当リリーとママのパフォーマンス以外は、基本的にセクシーで扇情的な演出が多くマンネリ化する。
キャストが豪華すぎて、一人当たりの見せ場が少なかったのも欲求不満につながった。


以下、ネタバレあり。



ようやくグイドの心境や態度に変化が出てきた、と思いきや、時間が二年ほどすっとばされ、エンディングへ。これは痛かった。グイドがアイデアが「Nothing」と言っていたが、これじゃあ映画の物語が「Nothing」です。

個人的には、個々で歌うのもいいけど、せっかくミュージカルなんだから二人以上のからみの歌があっても良かったんじゃないかと思ったよ。


ファーギーさんのステージは最高でした。なんか太いな、と思ったら、この役のために太ったそうで。なのに、この短さ!もっと出番が欲しいね。
歌声も、砂やタンバリンをつかったダンスも良かったです。

ケイト・ハドソンのステージは華やかで曲も良かった。しかし、これまた出番がこれ限りなので、もっと観たいなと思っても終わりなんですね。残念。


ファーギーとケイト・ハドソンの歌声は、エンディングでもう一度きけます。てことは、やっぱここがメインなのか!?と思ってしまう。この二人の曲が一番印象に残り、ダンスも華やかだったので。


ペネロペさんは今作でもっともセクシーです。セクシーすぎて目を覆うひともいるかも。そう、卑猥なダンスです。芝居部分でもどうしようもない女を演じきっていて、さすがアカデミー賞女優。実力をみせつけてくれました。


ニコール・キッドマンの扱いはもったいない。彼女は歌唱力がほかのキャストと比べると心許ないので、芝居部分でもう少し時間をとってもらえたほうが良かったんですが、劇中に登場する時間が超少ない。「ムーラン・ルージュ」でニコールの歌ありの演技に魅了された方にとったら、かなりご立腹ものの短さです。



「シカゴ」のような爽快感を期待してみると、がっかりしますわ。
俳優、美術、衣装、どれもステキなのに、なんでこんなに退屈なんだ。