りぶろぐ

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江口浜に図書館開設/鹿大・皆村教授 「多くの人が憩える場に」

2006-08-26 18:20:47 | ニュース
http://www.373news.com/2000picup/2006/08/picup_20060825_6.htm

鹿児島大学法文学部の皆村武一教授(61)が、日置市東市来町伊作田の江口浜沿いに、私設資料館「ベンベヌート図書資料館」を開設した。

「ベンベヌート」は、イタリア語で「ようこそいらっしゃい」といった歓迎の意味。

「この本はあの図書館に」――Googleブック検索に新機能

2006-08-26 18:18:15 | ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/26/news005.html

米Googleの書籍検索サービス「Google Book Search」に新機能「Library Catalog Search」が加わった。オフィシャルブログで8月24日に発表した。

Google Book Searchは、キーワードで書籍の検索ができるうえ、キーワードの含まれるページが閲覧できるサービス。今回追加された新機能で、検索結果の書籍を、どの図書館が所有しているかが分かるようになった。

たとえば、Google Book Searchで「Da Vinci Code」と入力すると、これらのキーワードを含む書籍のリストが画面に現れるほか、「Da Vinci Code」という書名の本のリストも現れる。「Find Libraries」のリンクをたどり、市や地域を指定すると、この本を所有している図書館が分かる仕組み。ただし、現在日本語には未対応。

画面左上のロゴには Find in a Library with WorldCat とある.そういうことか.

東京都教育委員会「都立図書館改革の具体的方策」についてのメモ

2006-08-26 02:10:21 | 雑感
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060824a/gutaihou.pdf

ちょっと長いけど,読んでくれたら嬉しい.



合計で60ページ程度のドキュメントで,以下のように3部構成になっている:
第1部 都立図書館改革の基本的考え方
第2部 都立図書館改革の具体的な取組み
第3部 都立図書館改革の基盤づくり

だいたい,
第1部……概要
第2部……サービス改革
第3部……経営改革
といったところだろうか.

2005年8月の「都立図書館改革の基本的方向」に書いてある改革の内容を具体化したもの,という位置づけらしい.
コンテクストとしては当然「行財政改革」の一部なんだろう,
例えば「新たに生み出される富みに限りがある中で」というあたりの表現に現実を感じる.

2009年度中に改革を実現させることを目標とする,と一応のタイムリミットを設定しているところに期待したい.

これらのプランが都立図書館改革として適当かどうかは,事情をまったく知らないわたしには分からない.
わたしは日比谷図書館をいちど覗いたことがあるだけという程度なので.



大きな改革点として次の4つを挙げている.
(1)都民ニーズの高い分野に重点を置いた情報サービスの提供
都市に関する情報に重点を置く.課題解決.
(2)電子資料の活用と情報化への対応
(3)「待ち」の姿勢から積極的な情報発信へ
(4)都立図書館と区市町村立図書館との役割分担の明確化


より具体的には「取組方針」として以下の6点を挙げている.

うち(1)~(5)については第2部の第1章~第5章,(6)については第3部で詳説しているので,
気になる改革案があったら資料を読んでみて欲しい.


(1)図書館サービスの新たな展開
 経済,健康・医療,法律などニーズの高い分野に重点を置く.
 東京に関する情報.
 東京マガジンバンク.

(2)利便性の高いサービスの実施
 ICタグの導入.
 中央図書館フロア構成の見直し(総合レファレンスカウンタを1階に,など).

(3)インターネットの活用
 「高度で高品質なオンラインデータベースについては,
     受益者負担の観点から,その利用にあたって費用負担を求めることとします」
 (オンラインデータベースは「図書館資料」ではなく図書館法第17条の無料原則には反しないという考え)
 「民間の情報サービス会社などがインターネット上で
     提供している図書の表紙画像や書評などと,都立図書館のデータベースとのリンクを検討します」
 東京都公式サイトのアーカイヴィング.

(4)都の行政施策との連携
 政策立案支援.
 都立学校との連携協力.

(5)区市町村立図書館との連携・協力
 相互貸借ルールの見直し.
 貸出は都立図書館の役割ではないという理由から,相互貸借した資料は(区市町村立図書)館内での閲覧のみで貸出はしない.
 メーリングリストなどによる協同レファレンスサービス.レファレンス事例の公表.

(6)組織・業務運営の見直しと人材の確保
 中央図書館と多摩図書館の役割を地域分担から機能分担へ.
  うち,多摩は東京マガジンバンクと児童・青少年サービスを担う.
  現在貸し出しサービスを行っている日比谷図書館は千代田区へ移管する方向で.
 業務をブロックにまとめて委託しやすくする(基幹的業務の内容がリストアップされている).
 収蔵スペースの問題(基本的に100年保存.30年をめどに見直し.複本は除籍.書庫棟,新館の建設).
 オンラインデータベースは利用者自ら操作できるように.高度なものについては受益者負担.
 ICタグを導入.資料利用率の調査手段として用いるなど.


わたしは(1)に興味を持った.
特定のテーマに特化・強化することは全ての図書館に必要なことだと思う.


図書館を支えるヒトについて書いてある,
第3部第2章「図書館を支える人材の育成と確保」にはかなり不満が残る.
「専門性の高い司書職員の確保に努めます」「確保していく必要があります」という抽象的なレベルに留まり,
これからを担う若手の採用(試験)をどうしていくつもりなのか,記述がまったくないからだ.

例えば55ページにこんな文章が出てくる.

また,「団塊の世代」の大量退職に伴い,専門職員の確保が必要です.しかし,これからの組織運営にあたっては,少数精鋭主義を徹底することを念頭に進めていかなくてはなりません.このことも踏まえ,司書の役割・担当に応じた能力開発計画を策定し,図書館を支える人材を育成する必要があります.

ここでは「少数精鋭主義」ということばが非常に唐突に感じる(あなたがどう感じるか,実際に資料を読んでみて欲しい).
首の切れない職員を抱え込むのを嫌がっているようにしか思えない.
このへんを指して赤旗は「リストラ」と表現しているんじゃないんだろうか?


56ページに書いてあるが,正規職員の年代別構成が非常にいびつで笑ってしまう.
なんでも,

50代が70%(54歳以下が20%+55歳以上が50%).
40代が10%.
30代が20%.
20代はゼロ(2002年度以降新規採用をしていないらしい).

だって.この分だと5年後には職員数半減? 何考えてるんだろうねえ.



最後に.Windows 95が出た当時ならいざ知らず,
いいかげん「インターネット」と「World Wide Web」が別もんだってことくらい覚えてほしいもんだ.
ついでに「ホームページ」と「Web サイト/ページ」の違いもね.
「インターネットや電子メール」なんて書かれると,
情報化とか電子資料とか言ってても,結局こいつら何も分かってないんだと思ってしまう.