放射能生活~不安ですね
「1ヶ月1万円生活」いまだにこの番組があるのかどうかは分からないが、福島第一原子力発電所の事故以来日本では「放射能生活」を続けている。
「この放射線量はただちに健康に被害が出るレベルではない」という言葉を枝野官房長官から嫌と言うほど聞いてきた。裏を返せば「時間が経過すれば被害が出る」と言っているようなものです。
今、京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章さんの書いた「原発のウソ」を読んでいる。今までネット上で見聞きしてきたものとダブル部分も多いが参考になる。
日本国内では、事故が起こる前までは法律で年間被ばく限度が1ミリシーベルトになっていた。しかし、事故発生とともに被ばく限度が引き上げられた。不思議な話ですよ。事故が起きたら安全基準を引き上げる。
安全とは何かということを分かっていない。分かっていないのではなく、そうせざるを得ないのかもしれない。
私の住んでいるところは、福島第一原子力発電所より100キロから110キロぐらいかな。線量計で計測してみるとだいたい0.12マイクロシーベルト/時から0.18マイクロシーベルト/時、間をとって0.15マイクロシーベルト/時で計算すると
0.15×24×365=1314マイクロシーベルト 年間1ミリシーベルトは超えてしまう。これは地上1.5メートルで計測しての話なので地上すれすれではもっと高い。
茨城県内や千葉県、東京都など多くの地域でホットスポットがあり、それに比べればまだ良い方だとは思う。
原子力関係者や推進者は、放射能に関して楽観的に考えているようです。「年間50ミリシーベルト以下の被ばくは何の問題もない」と主張してきた。本当にそうなのか?
小出さんは本の中で推進者の証拠としてあげているのは次の二つであると言っている
1、修復効果
生き物には放射線被ばくで生じる傷を修復する機能が備わっている
2、ホルミンス効果
放射線に被ばくすると免疫が活性化されるから量が少ない被ばくは安全あるいはむしろ有益である
「ホルミンス効果」っていうのは、放射性物質による遺伝子破壊と細菌やウィルスによる病気発生のシステムを同じように考えているのでしょうかね。あまりに安易な発想だと思います。放射性物質は放射能を出し続けるのに対し、細菌やウィルスは人間の免疫が出来上がれば進入してきた限られた数の細菌やウィルスを退治してくれる。
一般人の私にもこのぐらいは思いつきます。
楽観的に考えている人たちに対して危険だよと言っている小出さんの証拠は二つところではない。
1、LNTモデル(直線・しきい値なしモデル)
被ばくのリスクは、低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小限の被ばくであっても人類に対して危険を及ぼす可能性がある。
BEIR 電離放射線の生物学的影響に関する委員会 2005年の報告
2、国際放射線防護委員会 ICRP(LNTモデルを採用していない)の声明
「生体防御機構は低線量においてさえ完全には効果的ではないようなので線量反応関係にしきい値を生じることはありそうにない」
3、K・Z・モーガン氏の発言 保健物理学の父 ICRP委員も経験
「私たちは当初あるしきい値以上の被ばくを受けなければ人体の修復機構が細胞の損傷を修復すると考えていた。しかし、その考え方が誤りであった」
「非常に低線量の被ばくでは、高線量での被ばくに比べて1レムあたりのがん発生率が高くなることを示す信頼性のある証拠すらありそれは『超直線仮説』と呼ばれる」
日本は広島、長崎という原爆による被ばく体験があり、被爆者データからも同じような傾向が見られている。
4、バイスタンダー効果
被ばくした細胞から被ばくしなかった周辺の細胞に遠隔的に被ばく情報が伝えられる現象
5、遺伝子(ゲノム)不安定性
被ばくの損傷を乗り越えて生き残った細胞集団に「遺伝子不安定性」が誘導され長期間にわたって様々な遺伝的な変化が高い頻度で生じ続ける現象
小出さんは本の中で「細胞分裂が活発な子どもたち、そして胎児は成人に比べてはるかに敏感に放射線の影響を受ける」「人体に影響のない被ばくなどというものは存在しない」
まとめてみると、放射能は安全ではないということが見えてくる。ただちに健康に影響がでることはないが、時間とともに影響がでてくる。
遺伝子が破壊され修復できなければどうなるか。免疫系がだめになれば、ガンになったり細菌性の肺炎やら風邪やらと頻繁に病気にかかりやすくなる。骨や臓器の再生ができなくなってくれば骨折や心筋梗塞、心不全、腎不全なども考えられると思う。
このように見てくると、現実ばかり見ていると辛いことばかり。人間は霊的存在として生きていくしかないようですね。「気」といいますか「精神」といいますか。気が戻れば元気になるし、気が病めば病気になります。気が病むと言うのはストレスによるものが大きいでしょうから、ストレスを感じない生活態度が必要になってくるのでしょうね。
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