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象が転んだ

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イジメの加害性は知能の低さに比例する〜「ケーキの切れない非行少年たち」に何を学ぶ

2025年07月22日 14時53分50秒 | 読書

 ヤフー知恵袋の質問に”イジメの加害性はIQに比例するのだろうか?或いは、狂暴性や短気はIQに比例するのではないか?でも頭のいい人も犯罪を犯すから、どうなのだろう?”というのがあった。
 そのベストアンサーとして、”知能が低い事は何らかの困難さを感じて生きてる筈だから、そのストレスのはけ口がイジメになる事もある。元々、想像力が乏しく我慢できないといった性質を持ってるのかもだが、意思の疎通が不得手な幼児期は叩いたり、壊したりの喧嘩がよく起きる。
 多くは成長と共に意思の疎通がとれる様になるので喧嘩はしなくなる。つまり、問題を起こし易い人は幼い(精神年齢が低い)とすれば、問題行動を起す人は知能(の低さ)に比例し、イジメの加害性は知能に比例する”
と語り、その例として「ケーキの切れない非行少年たち」を挙げていた。

 確かに、論理思考が苦手で言葉を知らないと、多角的な判断が出来ず、考えが正しく伝わらないし、精神が混乱して暴力に走り易い。つまり、赤ちゃんが泣くのと同じ理屈である。
 事実、知能の高い人ほどイジメをしないと仮定すれば、イジメは後々面倒になり、他人から恨みを買うもしばしばだ。つまり、自分にもデメリットが大きいし、所詮は犯罪に過ぎない。更に、そんな事を皆が考え、イジメがなくなれば、そもそもイジメなんて厄介なものは、この世には存在しない。


イジメに対し、非情になる勇気と覚悟

 では、その仮定の下で、イジメがどの様な要因によるものか?を考える必要がある。
 以下、「情動知能といじめについて」を参考に簡単に纏めてみる。
 まず、情動知能をテーマにし、イジメの要素を自己認識能力と感情制御能力の欠損によるものと仮定する。
 因みに、情動知能EQ(Emotional Intelligence Quotient)とは、心理学者D.ゴールマンが提唱した”感情の知能指数”とも言われ、自分や他人の感情を観察し適切に評価し、自身の感情をコントロールする能力の事で、情動知能とイジメの間には負の相関が確認されている。つまり、情動知能が低い人ほどイジメの加害者にも被害者にもなり易い。
 逆に、情動知能が高い人は自分の感情状態を正確に認識し、感情を上手く制御して表現するが、他人の感情を巧く感じ取る事でイジメを回避出来る。一方で、イジメは感情的側面を伴い、後悔を伴う様な事を平気で犯す傾向にあるが、一時の感情に支配されてる状態である。

 一部には、イジメが加害者も被害者も歪んだ親子関係と過ぎた愛着形成が関わってるとされ、事実、過保護に育てられすぎると戦い方が分からなくなり、結果としてイジメの標的にされ易くなるという。
 勿論、弱い者が強い者の餌食になるのは、いつの世も変わらないし、”イジメられる側に問題がある”との発言はタブーとされるが、少なくとも社会に出る前に、自分の身を自分で守る術を身に着けておく必要はある。
 もっと言えば、イジメで自分の身が危機に襲われた時、非情になる勇気と覚悟が必要である。でないと、イジメる側は手を緩めないし、イジメはなくならない。

 その一方で、イジメる側の視点に立てば、(イジメられる側の)過保護とは反対に、虐待や負の環境の中で育った子供は寂しさや自己喪失に悩み、それを紛らわせる為にイジメを働く場合が多い。つまり、イジメという支配関係を築く事で、自分の存在価値や居場所を必死に守ろうとする。
 ただ、誰も信頼できないから、威張る以外の方法で自分を表現する事ができない。そうなると人の痛みなんて分からないし、自分の事で精一杯になり、他人が苦しむのを思いやるどころか、それが安心材料になる事もある。
 従って、イジメは簡単にはやめられない。
 つまり、情動知能が低い状態となり、他人の気持ちも分からなくなり、自分の感情にも目が向けられない。

 一方、イジメる側に感情的成長がないのは、子供の頃に感情表現や制御の仕方を養う環境になかった事が挙げられるが、貧しい環境の下で、無関心な親に構ってもらう為にはどんな酷い事でもやる。つまり、子供は親の反応や注意を何よりも欲しがる生き物だ。
 例えば、褒めるとか頭を撫でるとか抱きしめるとか、そういった親の行為をポジティブ・ストロークと呼ぶが、逆に怒るとか叩くとかのネガティブ・ストロークでも、無関心で何もないよりかはマシとなり、わざと怒られる事や迷惑のかかる事をする。
 従って、無関心な親の気を引く為に悪い事や迷惑な事をする訳だが、その1つの表現方法がイジメと言える。 
 一般に、イジメの多くは(それが加害者であれ被害者であれ)家庭環境に問題があるとされるが、そうした負の環境によって情動知能が育たない事で、他人を簡単に傷つけられる人間に変質する。


知能が高くてもイジメに走る?

 では、知能が高い人もイジメに走る事はあるのだろうか?
 直感的には、頭がいい人はイジメをしない印象が強い。だが、”勉強ができる=頭がいい”とは限らなく、知能が高い人は精神的にも成熟してるだろうし、逆に勉強ができても(知能が低ければ)人を馬鹿にする人はゴマンといる。
 本当の意味で頭が良い人は、人をイジる暇があるなら、自分の為に時間を割いた方が有意義だと考えるだろう。ただ、知能の高い人は思慮深く、論理的にイジメるリスクを考え、そうした後に自分に危機を及ぼすであろう行動を回避する傾向が強いとも言える。
 だが、知能の高さと倫理・道徳感は全く別モノで、一般には育ちや子供の頃の環境がイジメには強く出るのだろう。

 その一方で、頭が悪い人のイジメより、頭のいい人の方のイジメの方が緻密で陰湿になる傾向も捨てきれない。また、知能の高い人は、内心では頭の悪い人をバカするが表に出さないし、知能という絶対的評価で人間を考察する悪い癖もある。勿論、頭と心が共にバランスよく成長すれば理想的だが、そういう恵まれた人はそう多くはいない。
 某研究によれば、中学生を数学の学力とイジメられる頻度で比較すると、アジアと欧米諸国では違いが見られ、日本と韓国ではできる子がイジメに遭い易いとの結果になった。但し、地域による違いもあるだろうし、裕福な子やできる子が被害に遭い易いのは、校区の住民階層構成が低い学校で、階層構成が高い学校ではその逆と考えられる。つまり、集団から浮く異質な存在がイジメの標的になる。

 故に、イジメの被害はどの子にも一様(均一)に分布するではなく、当人の属性に関わる諸変数が関連し、イジメを予測する式が作れるという。事実、昔は幼児の家庭環境・居住地域・知能指数との変数から、将来非行化する確率を導き出す”非行予測”の研究がなされてたという。
 従って、昨今の進化するAIに、これまでのイジメの事案データ群を読み込ませれば、精度の高いイジメの予測式を編み出す事も不可能じゃないのだろう。
 また、組織内のイジメに関しては、「動物行動に学ぶ人間学」(戸田修一著)では、動物界でのイジメには2類型が存在するとされる。
 以下、「学校でもビジネス内でも起きるイジメ」(WARC)から大まかに纏めてみる。

 まず1つは”カラス型”で、事実カラスは社会性及び知性がとても高い鳥類で集団組織を形成する。更に、その組織の中には厳格な上下関係が存在し、カラスの組織内で発生するイジメでは、主に”自分の身分の1つ下の身分の者をイジメる”らしい。つまり、自分の地位を脅かす可能性がある出来る奴をイジる事で自己の地位を守るのだ。
 もう1つは”ニワトリ型”で、事実ニワトリは知能は低い動物だ。ニワトリの組織内では主に”最も弱い個体をイジメる”とされる。しかも、ニワトリのイジメは集団で行われる為に、特定の最も弱い個体がターゲットになり、集団でイジメる。この傾向はハトにても同様に見られ、当該個体が死ぬまで続けるという特徴があるらしい。 


2種類のイジメの類型

 この2つの類型を人間社会にあてはめると、カラス型が社会人でのイジメの特徴で、ニワトリ型が小中高でのその類型といえる。
 さて、人間界でカラス型のイジメが発生する条件は、優秀な若手が存在する事と、無能で暇を持て余す上司が存在する事だが、特に重要なのは後者で、そもそもイジメという行為自体は暇人にしか出来ないので、無能な上司が暇な状態が最も危険である。事実、無能な人間は暇を持て余すとろくな事をしないし、組織が大きくなり安定気に入り、管理職が暇になると、イジメの発生リスクが高くなる。
 続いて、人間界でニワトリ型のイジメの発生条件は、集団内に気性が荒い人間や気の弱い人間が存在する事と、集団が全体的に暇を弄んでいる事にある。ここでも”集団が暇である”事が重要となる。事実、中学も高校も受験直前期などは、明らかにイジメが減少する。
 更に、集団内に暇な人間が多いと、最初は時間潰しの為の軽い遊びのつもりで弱い人間を弄り始める。が、やがてエスカレートし、取り返しつかないレベルに発展する。

 一方、ニワトリ型では集団の知能が低い為に、イジメを犯罪として認識出来ない事が殆どで、イジメが激しくなるに連れ、気性の荒い人がより幅を利かせ、集団は無法状態になる。
 勿論、正常な判断能力と知能を持った大人であれば、イジメを客観視できる為に組織内の自浄作用が期待できる。だが、知能の低い集団は論理的な客観視を殆ど持てず、誰かに指摘されたとしても、自分への敵対行動とみなし、改善する事はないし、逆に反発を招くだけだ。
 事実、ニワトリ型は小学校で最も多く発生するイジメの典型で、中高校生でも知能が低い集団内では頻繁に発生する。勿論、大人の世界でも同様で、イジメは理性のある人間の行動ではない事は明白で、相手はニワトリ程度の脳で、まともな日本語を理解出来ない。
 確かに、大人同士のイジメでも深刻な状況になり得る。働く場所を選び間違うと、キャリアそのものを潰されるので注意が必要となる。

 そういう私も、同じ様な体験が何度かあったので、他人事には思えない。イジメる側は自覚症状がないから、たとえ精神異常だとしてもごく普通に振る舞うから、病的で異質なイジメは地下に潜り、立証が難しくなる。


イジメへの対抗策

 そこで、大人と子どものイジメに関しては、其々をカラス型とニワトリ型に分けて、対処法を検討する必要がある。
 まず、大人のカラス型のイジメでは、無能な上司と優秀な上司の存在が不可欠で、両方無能又は両方が優秀であればイジメは発生しない。結論から言えば、カラス型のイジメを発生させない最も簡単な方法は、優秀な人を優秀な人のいる部署に回す。
 つまり、上司と部下が双方共に優秀であれば、共に自己の能力を上げる事に専念し、全体最適の観点から見てもイジメが発生し難い構造になる。但し、優秀な人材が常に豊富にいる筈もなく、社歴の長さだけで無能な社員を管理職に任命する事もあろうが、その時はイジメを行う暇が無い程に業務を与える必要がある。
 ただ、無能な上司ほど任された業務を処理せず、部下に放り投げるから、経営陣の監視が必要となり、極論で言えば、コストを考えれば違約金を払って排除した方が有効だろう。
 但し、無能な管理職がよくやるやり方に、自分で故意に問題を発生させ、その問題を優秀な部下のせいにする。更に、自分に不都合な情報を遮断し、上に報告しない。故に、経営陣が気づかない事が多く、経営陣は現場従業員との対話が不可欠となる。つまり、現場こそが無能な上司によるイジメの対象(温床)となるのだ。

 次に、ニワトリ型のイジメが大人の世界で発生する時、その多くは組織内の平均的知能が低い場合に発生する。逆に、平均な学力が高い組織ではイジメは殆ど起こらない。つまり、知能の低い人は自然とプロフェッショナルな組織では淘汰される。但し、何をもって”学力が高い”と定義するかは、知覚・知能・学歴・資格・実績などを幅広く検討する必要があろう。
 一方、性格がキツイ(我が強い)・気が強い・攻撃的な人は、注意深く検討する必要がある。事実、高い業績を出す人は我が強いが、”我が強い=能力が高い”とは言い切れず、本当に優秀な人は温和な性格で、対外的にも大人しい傾向にある。逆に、我が強い人は”見せかけの能力”が高いだけで、採用するには注意が必要である。
 
 3番目に、子供のカラス型のイジメは小学生には殆どないが、中高校になると明確に階層ができる。特に、体育会系の部活での先輩後輩の上下関係は厄介で、カラス型のイジメがよく発生する。更に、運動能力に長ける優秀な下級生が制裁を加えられる傾向にあり、学校側もまた穏便に済ませようとするので、イジメは地下に潜る。
 対策として、外部のクラブ活動に転属させるか?転校を打診するか?が挙げられるが、そもそもイジメが発生した時点でイジメを根絶できる可能性はゼロに近い。一時的に解決ができたとしてもイジメは再発する。
 事実、イジメを行う人間が存在した時点でその学校は病んでるし、イジメ人間が改心する事は殆どない。その多くは、大人になってもイジメを続ける。一方で、学校側が管理できるのは、極めて限られた時間と範囲だけで、死角が山ほど存在するが、そんな所に子を放置する事はタブーであり、親は子に複数の選択肢を提示する必要がある。
 勿論、選択の意思決定は子供が行うべきだが、選択肢を増やすのは親であり、それだけでも子供の心は救われる。


結局、イジメはなくならない

 最後に、小中高で発生するイジメの多くはニワトリ型で、身体的な障害や運動・勉強が極端に苦手な子、何らかの身体的特徴を持つ子や貧しい家庭の子。これらの弱みを持つ子たちは大抵イジメの標的になる。
 このイジメの特徴は、加害者側の親もまた同類である事が多く、学校側に抗議しても加害者側の親が逆上し、何らかの仕返しや嫌がらせをする。特に田舎で煩雑に発生し、知能の低い家系は引っ越す事もできず、こうした負の連鎖は代々受け継がれる。
 この様な、土着的で地域的なニワトリ型のイジメには、カラス型と同様にその組織から早く離れる事でイジメを回避できる。例えば、引っ越しや転校や私立への受験はその対策でもあろう。

 以上、イジメの本質とその対策について長々と語ったが、知能や育ちに遺伝や社会環境がイジメに大きな影響を及ぼす事が理解出来るが、これはサイコパスの問題でも同様である。もっと言えば、イジメが凶悪な犯罪に繋るのを防ぐには、イジメる脳のMRI検査を徹底すべきだと思う。
 また、知能で言えば、IQが高い人もイジメや妬みの標的になる事も多く、程々のEQ(感情の知能)やSQ(社会性の知能)に恵まれてた方が幸せな人生を送れるのだろうか。
 確かに、知能は育ちや子供の頃の環境や遺伝に負う所も多く、知能の低さと育ちの悪さはイジメに直結し、更に加速させる。勿論、育ちがよくても知能が低いケースもよくある事で、世襲議員や2世タレントに無能が多いのもその為である。

 ところで私の場合、”知能の低い人と付き合うと不幸になり易い”と占い師から言われた事があるが、今に思うとピタリと当てはまる。
 勿論、私の田舎には勉強の出来る人や学歴の高い人もいない事はないが、知能の高い人は殆ど見かけない。小さい頃は、”母子家庭だから”イジメられてると決めつけてたが、今に思うと、精神が成熟しきれてない知能の低い村民らにイジメられてた様にも思わないでもない。
 全ての生き物に個体差がある様に、人間にも個人差がある。人類の知能の種別にもIQやEQやSQがあるし、その程度も様々である。

 こうして考えると、数学の問題も難しく抽象的だが、木であるイジメの問題も同じく難しくも抽象的でもある。
 つまり、イジメを根絶させる事は不可能の様にも思えてくる。

 


4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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結局は (tomas)
2025-07-24 05:33:05
育ちが悪くても良くても
知能が低いのはイジメにたかる傾向にある。
そういう事でしょうか。 
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tomasさん (象が転んだ)
2025-07-24 13:31:32
結局はそういう事になるんでしょうね。
サイコパスでも知能が高い人は、感情をコントロールできるから何とか最悪の事態になるのは防げそうですが・・
それに、先天的な知能は精神の成熟にも大きな影響を及ぼすから、知能は低いよりも高い方がいいのかもです。
論理的に考えても、イジメは自分に害を及ぼすだけでいい事は1つもない。

一方で、そういう事が判ってても人も動物も追い詰められると凶暴になる。
イジメって人間だけではないんですよ。
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Unknown (tokotokoto)
2025-07-25 11:52:23
知能の低いオバさん達も
井戸端会議では人の悪口ばかりで盛り上がる。
こういうのもイジメの温床となってるのでしょう。
人の悪口って
アタマいらないから延々と続く。
まったく嫌な習慣です。 
返信する
tokoさん (象が転んだ)
2025-07-25 21:34:17
こうした日常の何気ない風習が子供達に影響を及ぼし、イジメに繋るんですよね。
親がバカだと子供に伝染する。
子供がアタマが良ければ、制御できるんだけど、バカだったら親バカをそのまま受け入れてしまう。
悲しいかな、バカとイジメは遺伝するのかもです。
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