悪い事は二度ベルを鳴らす〜IH調理器とガスコンロと危険回避

　2010年もののIH調理器がいきなり壊れたので､近くのスーパーで手頃なのを物色するも､型落ち品でも5000程はする。ネットで検索しても､安いので6000円から1万円を超す奴なんてザラである。
　一昔前は､IHなんて3千円ほどで売られてた様な記憶がある。たかがコイルを巻いただけの電熱器が何故こんなにも高いのか？
　因みに､コイルに電流が流れると磁場が発生し､(フレミングの法則)により渦電流が発生する。その際､コイルの上にある鍋がその電流を阻止しようと鍋(鉄)による抵抗が働き､熱が発生するという単純？な仕組みである。
　故に､IHとはインテリジェンス･ヒーティングではなく､インダクション(電磁誘導)ヒーティングとなる。

　(一応は)緊急時のカセットコンロがあるから､焦って高価な新品を買う必要はなく､ヤフオクで手頃な中古を探す事にし､この日は369円のカセットボンベ(3つ入り)だけを買った。でも､確か昨年は200円程ではなかったか・・・
　中古とはいえ､タイマー式が欲しかったが､型が古い上に高価なので､1000Wのシンプルなものに照準を当てた。翌日､アイリスオオヤマ(2018年)製を420円+1280円(送料)の1700円で落としたが､予算的には新品の1/4程度と見てたから､想定内ではある。
　ヤフオクでは実際に確かめる事が出来ないから､出品者が提供する写真で判断するしかない。ただ､中古にしては殆ど傷もなく､メニューパネルも底面の排気口も殆ど汚れてはいない。

　IH調理器には当たり外れがあるらしく､今まで使ってた同じアイリス製(2010年)だが､実は5年ほど前にオシャカになり､1年ほど放ったらかしにしてたら治っていた。それから約4年ほど使い､エラーも故障もなく順調だったが､温度調整が突然効かなくなってしまった。
　IH調理器の寿命は10~15年とされるから､故障して当然だが､よく頑張ってくれた方だと思う。

危機一髪

　そこで､中古のIHが到着するまでの間､カセットコンロで我慢するしかない。が､このコンロは殆ど未使用だが､裏のラベルを見ると”1998年製”とある。という事は何と25年前の製品ではないか・・
　かなり”不安”があったが､背に腹は変えられない。恐る恐るガスボンベをセットし､火を点け､安全を確認する。
　しかし､その”不安”が的中した。
　炊事場の隣にある居間で晩酌をしてたら､灰色の煙が立ち込めてきたではないか。
　IH調理器のタイマーに慣れてたせいか､天ぷら鍋の火を消し忘れていたのだ。
　”近所でボヤでもあったのかな？”と､窓を開けて確認するも､どうやら煙の出処は我が家の台所らしい。
　”まさか・・・”
　そう､そのまさかである。
　台所は､息ができない程に灰色の煙が充満してるではないか。フライパンの油は高熱で完全に蒸発し､マーブルコートも無残に剥がれている。灰色の煙が朦々と立ち込め､まさに丸焦げ状態。

　”火事にならなかったのが奇跡”と思える程だったが､(運良く)カセットコンロ自体はそこまで熱くなってはいない。少し冷静になった私はボンベを外し､鍋と共に外に放り出し､換気扇を回す。
　しかし､部屋中に充満した灰色の煙と焦げ臭い匂いは､すぐには収まらない。家にある3つの換気扇を全て回したが､それでもなかなか収まらない。更に､炊事場のエアコンを送風モードにし､換気を促す。
　数時間後､何とか収まりはしたが､改めて丸焦げになったフライパンを見ると､ガスコンロの怖さを今更だが思い知った。
　これがIHなら超加熱防止の温度センサーが働くから何ら問題はないが(多分)､旧式のガスコンロではそうは行かない。

　ガスコンロを使うのが怖くなった私は､ダメ元でオシャカになったIH調理器の電源を押してみた所､”E01”エラーが表示された。ネットで調べると”鍋検知エラー”の事である。
　鍋を置いて再び電源を入れると､すんなりと復活したではないか。それに温度調節ボタンもしっかりと機能する。が､加熱と揚げ物の切り替えボタンが機能しない。
　ともあれ､これで”危険すぎる”ガスコンロとはおさらばである。

　
最後に

　翌日､中古のIH調理器が届いた。出品者が近くの人だったので､対応もとても早く親切だった。
　同じアイリス製のIHK-T36Bというコンパクトなガラストップの調理機で2018年製と少し古いが､やはり軽くて燃費がいい。10年以上も使い続け､2度の故障を経て復活？した2010年製のIHと比べる由もないが､8年分の進化の跡は流石に伺える。
　タイマー機能はなくとも､鍋は瞬時で熱くなるし､加熱もレベル4なら一気に調理が終わる。

　勿論､新しけりゃイイってもんでもないが､燃費がよくて最悪を回避できればそれだけでいい。これは家電製品やモノだけでなく､人間にも言える事ではないだろうか。
　いくらプロの華々しい世界でいい成績を残そうが､夜遊びし放題で燃費が悪けりゃ家族はいい迷惑だし､更に夜の女が群がり､築き上げてきたものは一気に食い潰される。
　やがて人生は破綻し､社会人としての機能を全て失ってしまう。
　女も同じで､燃費の悪い女は最悪を招く。つまり､燃費の悪い男と共食いをし､お互いを駆逐し合う。
　つまり､”悪い事は2度ベルを鳴らす”のである。