~ 風の伝説 ~

プライベートの趣味ブログです♪
ランダムですが、いろいろ書き込んでいきますので良ければご覧下さいな(^^v

選択する権利

2006-03-19 | Words & Story
「われわれが未来に信頼を持つには、まずわれわれ自身を信頼することである」
J・F・ケネディ(アメリカの第35代大統領)

数多くの罪を犯した囚人が、とうとう処刑されることになりました。
処刑を宣告する国王の前に連れて行かれる間、囚人は、自分がどんな処刑をされるのかを想像しては、恐怖に震えていました。
絞首刑のロープの前に引き出された囚人に向かって、国王は言います。 

「お前の犯した罪は重く、その償いはしなくてはならないが、最後に選択の権利を与えてやろう。

通例通り、目の前のロープに首を吊されるか?
……それとも、あの扉の向こう側で、罪の裁きを受けるか?
どちらでも、好きな方を選ぶが良い」
国王の指差す先には、黒くて大きな鉄の扉があります。

囚人には、その扉も国王の顔も、とても恐ろしげに見えました。
扉の向こうに行けば、どんな惨い処刑が待っているか知れたものではないと、迷うことなく絞首刑を選びました。

ロープに首をかけ、いざ処刑されようとするときになって、囚人は、国王に尋ねました。

「王様、ひとつだけ教えてください。
あの鉄の扉の向こうには、何があったのでしょうか?」

国王は答えました。

「教えてやろうか。扉の向こうには何もないのじゃ。
私はいつも、囚人には、この国を出て、自由に生きることができる選択を与えてきた。
しかし、不思議なことに、自分の未来を信頼しない奴に限って、目の前の絞首刑を選ぶ。
すぐそこに、自由が待っているというのに……」

苦痛な状況や、やりたくない仕事。傷つけ合う関係や、心に棘刺す思い出。できれば、すぐにでも逃げ出したいものですが、多くの人は、そんな苦痛を握りしめて、離そうとはしないようです。
本当は、他にもっとやりたい仕事があるはずなのに、その人と一緒にいるより、もっと大事にしたいことがあるのに、そこに留まっている。自分を責めてしまうのがわかっているのに、過去の辛い記憶を反芻してしまう。
なぜか、そんなことをしています。そして、そんな時は、たいていが自分を信頼できないときのようです。
 
自信を失っていたり、自分の価値を認められなかったり、自分のイヤなところばかりを見ていたり……
そんな苦痛の中にいると、なぜか見えるものが見えなくなり、ずっと同じ場所にいる選択しかできなくなってしまいます。そんな悪循環から抜け出す、いちばん効果的な方法は、ただ「自分が、本当に望んでいるものを見る事」です。居心地のよくない場所からは早々に立ち去る、優先したいことがあるのなら、それをハッキリと告げる、本当にやりたいことをはじめる。

苦痛から離れるためには、苦痛を見るのではなく、自分の心が前向きになる事を選べばいいようです。
そう、私たちには、いつも選択する権利が与えられているのですから...。