10ページ目 ｂｙ市村

『…アライバ。』
アライバと呼ばれたその男、全身をサラリーマンのようなスーツで包んでいた。
そして、この男もオレと同じく“目的地”に呼ばれた人間の一人なのだ。
『アライバも相変わらずだな。そのパソコン型の名刀“利器”の質も落ちていない。』
『まあオレの場合見た目がパソコンだからな。実際パソコンとしても使えるし。』
『いや、でもさっきの太刀筋を見て、お前の“利器”に斬られた人間のことを思い出したよ。』
そんな話をしながらオレとアライバはその駅で電車から降りた。
そんなおれたちに、後ろから一人の男が話しかけてきた。
『あの、すいません。』