LHFトーク"GONDLA"

LHFの二人のだらだらトーク。

ぐるりのこと

2009年07月07日 | 過去の記事
去年の夏ごろだったと思う。あの夏はなんか邦画の方向が騒がしかった。『純喫茶磯辺』『たみおのしあわせ』『百万円と苦虫女』『歩いても歩いても』、そして『ぐるりのこと』。ここら辺の作品が2008年の夏にふっと現れた。もうキャストやらなにやら面白そうな作品がいっぱい。どれも劇場で観たかったが、結局『百万円と苦虫女』しか観られず。とにかくDVDになるのを待った。そして1年弱経ってやっと、『純喫茶磯辺』と『たみおのしあわせ』、そしてこの『ぐるりのこと』を借りてきて観ることができた。

まあそんで『ぐるりのこと』。正直あんまり書きたくない。なぜならこの作品が他所で絶賛されているから。だから、ほら、なんかあんじゃん、そういうの。うーん、まあいいか。ぶっちゃけ、おれはダメだったね、この映画。

たぶんおれがダメだった理由の一つは、おれがお客さんじゃなかったことだと思う。まず映画の真ん中にあるのが夫婦でしょ。おれ、夫婦じゃないもん。そして出てくる人はみんな大人でしょ。大人って“成人”って意味じゃなくて、もっとちゃんとした“大人”。ほとんどが30過ぎた人たちの中で、「生きること」とかが描かれているわけでしょう? なんかそういう“大人の恋”的なものはまったくわかりませんだもん。そうなるとちょっと分からないことが多すぎる。そしてそれはあまり分かりたくないなことでもありそう。大人は大変ですね。

だからおれが子供すぎたことだね。悪いのは。もう退屈で退屈で。途中何度DVDを止めてパワプロをやろうとしたか。そして、あと裁判のシーンも気分が悪くなる。あれはどういう意味だったんだろう。やっぱ全体としては“夫婦”の方に焦点が当たってる作品だと思うんだけど、その中でなぜ夫を法廷画家という仕事にしたんだろう。そしてそれが夫婦のことのどこに関係しているんだろう。あの加瀬亮と新井浩文が演じた犯罪者はなんなんだろう。ああいう純粋な“悪”出されても困るよな。うーん、ダメ。考えてもなんか答えが出る気配がない。やっぱりこれおれに向いてない。

映画というものを少し考えてみると、「自分との関係性」というところが大切になってきているような気がした。結局どんな物語が画面に映し出されようと、それを観るのは自分だし、何かを感じるのも自分だ。そうなるとやっぱり自分が分からないものをムリに分かろうとしなくてもいいやって思う。

うん、まあ今はこれ全然楽しくなかったけど、何年かしたら涙ボロボロこぼして観ちゃうんだろうか。うーん、なんか想像できない。難しい映画だった。おれにとって。


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