
10月です。今年もバーンスタイン三昧スタートしています。
マーラー/交響曲第10番より第1楽章“アタージョ”
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
録音:1975年4月
CBSとDGの新旧2つのマーラー交響曲全集で、この10番だけが録音順が逆になっている。ウィーン・フィルとやったDGの方は当演奏の約半年前(と言っても、あちらの方は映像版から音声だけを取り出してCD化されたものだけど・・・)。
バーンスタインは、この楽章より後の「4段譜」で残された部分は採り上げなかった。そして、この第1楽章でも、マーラーが書いた音符に一切手を加えていない版を使って指揮しているとのこと。
晩年の、重々しく全ての音符をスローでトレースしていくようなアプローチは、ここでは聴かれない。
むしろ私が感じたのは、音符以外に余計なものを塗りこまないとするかのような作曲家への畏怖の念。
例のトランペットの絶叫もほどほど控え目に聞こえる。12音のうち使われていないのは3音だけという「ほとんどクラスター」的な面は強調されているどころか弱められているようた。9番などで聴かせた阿鼻叫喚とはえらい違うスタンス。
そして、その後のなだらかに終息に向かうひとときが丹念に温もりを持って描かれる。もう、「これでお終いだよ」とでも言うように。
それにしても、いまさらだけど、10番も本当に素晴らしい音楽だなぁ。
マーラー/交響曲第10番より第1楽章“アタージョ”
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
録音:1975年4月
CBSとDGの新旧2つのマーラー交響曲全集で、この10番だけが録音順が逆になっている。ウィーン・フィルとやったDGの方は当演奏の約半年前(と言っても、あちらの方は映像版から音声だけを取り出してCD化されたものだけど・・・)。
バーンスタインは、この楽章より後の「4段譜」で残された部分は採り上げなかった。そして、この第1楽章でも、マーラーが書いた音符に一切手を加えていない版を使って指揮しているとのこと。
晩年の、重々しく全ての音符をスローでトレースしていくようなアプローチは、ここでは聴かれない。
むしろ私が感じたのは、音符以外に余計なものを塗りこまないとするかのような作曲家への畏怖の念。
例のトランペットの絶叫もほどほど控え目に聞こえる。12音のうち使われていないのは3音だけという「ほとんどクラスター」的な面は強調されているどころか弱められているようた。9番などで聴かせた阿鼻叫喚とはえらい違うスタンス。
そして、その後のなだらかに終息に向かうひとときが丹念に温もりを持って描かれる。もう、「これでお終いだよ」とでも言うように。
それにしても、いまさらだけど、10番も本当に素晴らしい音楽だなぁ。
作曲家でもある指揮者は、まず第1楽章のみです。
また、LBの弟子筋の指揮者も、補筆版全曲演奏は、御法度のようですね。
早速、本家LB盤も聴いてみましょう。
しかし、多分にショーマンであったようなバーンスタインの、意外なほどの謙虚なスタンスにはよく出合うところであり、彼の複雑さを伴った魅力の一部だと思っています。