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「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「黒笑小説」感想 東野圭吾

2012-05-16 | 小説・漫画他

非常に都合が良い?というか、ありえん設定ではあります。
そうではあるけれど、そこをあまり気にしなければ、楽しく読める小説です。3つ★半

最初は泥棒仲間の男子達が、隠れるために偶然そのお店に入り込む。
そこで偶然手紙が来て、それに返事をする。
相手の女性は、どうやら違う時代に生きている様で、1980年頃の様だ。
自分らのいる場所での時間の進み具合は特別な様子・・。
10年くらい前にあった「イルマーレ」というチョン・ジヒョンが主演の映画も
そんな感じだったかな・・・

彼らは、過去の事である、モスクワオリンピックに日本が不参加になることや、1980年から~バブルの時代が来ることも、そしてそれらが終わる経緯も知っているため、投函される手紙への返事もそれを解った上で返事が出来る。

ナミヤ雑貨店のポストに相談の手紙を入れておくと、お返事がもらえる・・という、まるでなんというか、生協の白石さんの様な親切な店主のおじいさんのお店。こういう人情系の東野圭吾さんのお話は好きです。

幾つかの編の中、印象に残ったのは、売れない歌手志望の男性の相談。家業を継がずに夢を追う彼に「贅沢だ、今すぐそんな夢は諦めて、家業を継げ。仕事にありつけるだけで御の字だぞ」と言い放つ。80年代と今とじゃ、若者のおける状況も違うんだなぁ~と・・。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
その歌手希望の男性は、施設の火事で、ある少年を助けるために火に入り、死んでしまいます。その少年の姉で、将来大スターになる少女が、彼がその施設で歌った歌を、彼亡き後もずっと歌い続けて、その歌は日本中誰でもが知る、有名な歌になっている・・。
また、将来を解っている彼らが、ある少女にこれからこうすれ、ああすれ、と教えてあげたことを守り、その少女は現在大金持ちの中年女性になっている。そして施設を建て直そうとしているのにもかかわらず、彼らは彼女のその気持ちを知らずに恨んでいる。その少女が中年の女性になり、その女性を、彼らはくしくも襲い、宝石を巻き上げようとしているという、偶然のつながり。
以上

本筋とは別に、今から30年前の世相や風俗も書かれているので、懐かしくなります。
本の紹介で、東野圭吾さんからのメッセージで、若い頃に「夏への扉」や映画の「バック・トゥー・ザ・フューチャ」が大好きで~と書かれていたのを読んで、私もなので、とても嬉しくなりました。

・・・・・・・・・・・・・・
「黒笑小説」

先日「歪笑小説」が最高に面白く読み、それより先に、歪笑小説に登場した人物のお話が「黒笑小説」の中に幾つかあったと知り、順番は逆ですが読んでみました。

面白かったのですが、先に読んでしまった「歪笑小説」が、もっと面白く、はっちゃけていたので、3つ★

「黒笑小説」/ 2005年04月26日出版社 著者からの内容紹介
丸い物がすべて巨乳に見えるようになって…「巨乳妄想症候群」。メル友に会うため写真と実物の差を埋めようとする女…「奇跡の一枚」。他、「選考会」等全13編の短編。

歪笑小説5つ★!
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2 コメント

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Unknown (けん)
2012-05-17 11:10:40
そう!
『生協の白石さん』ですよね☆
読みながら「なんか似たような話あったよな~」って思っていたんです(笑
質問の内容や返事もそんな感じだったし。
ああ~、スッキリした~。
ありがとうございます(嬉
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けんさん☆ (latifa)
2012-05-19 17:15:18
こんにちは、けんさん
スッキリして頂けて、嬉しいです
私もこの本を読み始めて暫くした時に、ん?何かに似てる、、なんだろう??って、しばし考えて、あっ!白石さんだ!って、ひらめいた時は、おお~それか、それだったか・・・って一人でにやけてしまってました。
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