「流星の絆」「眠りの森」感想

図書館で１２９番待ちだったのが、やっと９ヶ月経って回って来ました。分厚い本だったので、ダメかも・・と思いつつ読んだのですが、面白く、サクサク読みやすく、数時間で一気読みしてしまいました。私は犯人とか全く推察つかなかったので、あっ！と、みごとに驚かされたし、ハヤシライスの味というのも好きでした。４つ☆

ただ、孤児院で３人が育ち苦労（したであろう）部分があったなら、３人が詐欺師になったのを、やむをえなかったかなあ・・・と、もっと読者側の気持ちにさせたかもしれないな～と思ったし、そこら辺りの部分も読みたかったな～と思いました。

読書後、世間の方々の感想を幾つか読んだら、「とにかく何にせよ詐欺師というのは良くない」という意見も多く・・・。私も良いとは思ってないんですが、昔、怪盗ルパンについても、どこか肯定的に見ていた処もあったんです。悪どい大金持ちから金や宝石を盗むなら・・・って・・。この小説を読みながら、ある事件が頭をよぎったんです。「有名美容整形女医の娘誘拐事件」・・。2006年の６月に起きた事件で、この流星の絆の初出が2006年９月なんですよね。
あ、でも、この小説のカモになっちゃう人達は、悪どい人では無いんですよね・・・。

☆ネタバレです　白文字で書いています☆
☆ハヤシライスのレシピを金に困ったとはいえ、５０万でコピーを売っていたとはね・・・。職人気質のお父さんのこと、絶対そういうレシピは人に教えないのかと思い込んでいたわ　で、傘のトリックと傘でゴルフで持ち手が傷ってのも、すごいわ～！と思いました。
で、最後は２人の兄弟が改心し、自首する気持ちになる・・んだけど、まあ、うまくまとまっているし、こうしないと若い読者とかの道徳観念にもよろしくないんだろうけれど、、。私的には、お金を戻した、以後気持ちを入れ替えて足を洗うんだ、って程度で良し、なんだけど・・（やっぱり相当甘いかな、自分・・）
で、妹は良いなぁ！詐欺師だって事がバレた後でも、行成はあの指輪を贈ってくれて、ハッピーエンドっぽいんだもの。この行成って人、すごい良い人だったわ～！
最後の方で、刑事の演技をする際に、くさなぎ警部と加賀警部って出て来るのがぷっと笑いました。以上

ドラマは１話だけ見て挫折しちゃったんですが、こうして原作を読んでみると、妹役がちょっと合わない感じがするな。

眠りの森

東野さんの小説で何度も登場する刑事さん「加賀恭一郎」の恋愛を含んだ内容ということで読みました。「悪意」を読んでから、加賀さんに興味が湧いたというのもあって。

読んだ感想は・・・、う～ん、普通だったかな・・・。殺人事件についても、恋愛部分についても、私個人的には、あまり引き込まれませんでした。
ただ意外だったのは、バレエとバレエダンサーについて描いている内容で、ちょっとビックリ。なにげに東野さんとバレエってつながらなかったのですが(^^;)、本を書くにあたってバレエについて詳しく調査されたのか？普段からバレエに興味があったのか・・？

出版社／著者からの内容紹介
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか？完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。