鴨川日記

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新薬審査を迅速化 人員倍増?

2007-03-07 20:50:51 | 科学と医療
日本の新薬の治験が低調だという記事とそれに対して厚労省が人員を倍増して体制強化するというニュース。

記事に書いてあるとおりだとすると『国内』開発の薬剤の承認は国際的な認可スピードに合致している。『海外』で開発された薬の導入が遅い。これだけみても、厚労省の技官・役人の数だけの問題でないことはあきらか。何が本当に新薬承認のネックになっているか分析や情報公開・報道を行わないと単に公務員を増やしてしまうだけになるのではないか。

最も大きな要因の一つは、『厚労省』ではなく、『医療現場』での医師や治験コーディネーターの不足だと思う。世界的な水準の治療を実現するために最も大事なのはマスコミの筆の力ではないか。


新薬審査を迅速化 人員倍増し体制強化 厚労省、09年までに (1)
07/03/06
記事:共同通信社

 厚生労働省は5日までに、新薬の承認審査を担当する独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」で新薬審査と臨床試験相談に当たる人員を、2009年度までの3年間に230―240人程度増やし、現在の約200人から倍増させることを決めた。

 新薬の承認審査にかかる手数料の単価を引き上げ、増員の費用に充てる。審査体制を強化し、承認審査の迅速化を図る考えだ。

 厚労省によると、国内では新薬が承認されるまでの時間が欧米より長く、例えば米国の平均1年に対し、日本は倍の約2年。このため欧米で承認済みの薬が国内ではなかなか使用できないのが現状で、医薬産業政策研究所の調査では、世界の売り上げ上位医薬品の約3割が日本では未承認だという。

 薬の承認審査に当たる人員は、米国の2200人、フランスの942人、英国の693人に対し、日本は197人(いずれも05年)と欧米に比べ大幅に少なく、これが審査に時間がかかる要因の1つとなっている。

 厚労省は来月から、新薬の承認審査の手数料を、現行の1件当たり約980万円から約2380万円にするなど、製薬会社が支払う各種手数料を引き上げる方向で検討している。これによる増収分は人件費のほか、研修などに充てる。

 政府の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)が昨年末、同機構の審査部門の人員を、07年度から3年で倍増するべきだとするなど、医薬品の承認審査を迅速化する体制の整備などを提言していた。


国際比較でも遅さくっきり 低調な治験も問題と専門家 (2)
  記事:共同通信社【2007年3月6日】

 日本の新薬承認の遅さは、日本製薬工業協会の医薬産業政策研究所が、2004年の世界売上高上位100位までの薬について承認状況をみた国際比較でも際立っている。専門家は「審査の遅さだけでなく、臨床試験(治験)が進まないのも原因」と指摘、総合的な対策の必要性を訴えている。

 検査薬などを除く88製品を66カ国で調べると、世界で最初に認められてから、その国で承認されるまでの平均期間は、最短が米国の16.8カ月。一方、日本は47.2カ月で38位にとどまった。

 日本では、自国開発薬が17.7カ月だが、海外開発薬は54.5カ月もかかる。88製品のうち調査時点で日本未承認だったのは28製品(約3割)あり、これはワースト7位だった。

 承認までの期間短縮は世界的流れ。日本も優先審査の導入などで改善はしている。ただ欧米に比べ年間承認数は少なく、申請に必要な治験も、患者が集まりにくいことなどから進まないのが現状だ。東北大病院腫瘍(しゅよう)内科の石岡千加史(いしおか・ちかし)教授は「以前より審査は随分早くなったが、問題の一部が改善されただけ」と話す。

 未承認薬が多いため、海外では標準的とされる治療ができず、歯がゆいと話す癌研有明病院(東京)の畠清彦(はたけ・きよひこ)・外来治療センター長も「承認待ちの薬が依然多い。海外で広く使われている薬は積極的に認めるなど、大胆な施策を」としている。

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