鴨川日記

レストラン、本、政治、医療、ドラマなどについて日々思うことを

餃子屋と高級フレンチ・・

2007-03-24 08:15:24 | 経済と株
「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」
(林 總 著、ダイヤモンド社 2006年9月)

会計の本だけど、全体に小説のようなストーリーがある。
(小説としては、かなりちゃちですけどね)

デザイナーとして働いていた由紀は勤務先である
父親のアパレル会社を急遽引き継ぐことになった。

経営にはずぶの素人の由紀が、会計学の専門家で
ユーモラスなキャラを持つ安曇氏に月毎に替わる
飲食店で教えを請いながら会社の経営に乗り出す。

最初の月は築地の会席料理屋で「会計はだまし絵や
隠し絵のごとし」と決算書に盛り込まれる秘密に
ついて解き明かされる。

2月めは銀座のフレンチで現金製造器やバランス
シートのお話し。とまあ、そんな風に進んでいく。
安曇氏と由紀のかけあいがなんとも読みやすい。

華麗なる一族ではないが社内の派閥争いや業績不振、
リストラへの葛藤などを盛り込みすらすらと読める。

「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」

この主題に関する解答は無難すぎて面白くないし、
3月目の寿司屋での「大トロはなぜ儲からないか」の
説明はいかがわしいけれど、全体としてみると企業の
経済活動のアウトラインがすっきりと見えてくる。

また、そこに「会計が許されるルール」を持ち込めば
粉飾や業績のV字回復という逆粉飾のようなことも
簡単にできてしまうという原理も簡単に紹介している。
エンロンやライブドア、カネボウなどがどのように
深みにはまったかイメージが沸いてくる。

この他にも会社経営の理念とは何か、会計をどのように
ツールとして使いこなすのか、企業活動の無駄を省く
ための色分けして行う工程の可視化、経営ビジョンと
月次報告などを参考にした経営サイクル、ブランド価値
などもすんなりと入ってくる。キャッシュフローの
説明はもう少し具体的なものも混ぜるともっとわかり
やすいと思った。

「社長のベンツはなぜ4ドアなのか」は部分的に読んで
放り投げてしまったが、この本は面白いと思う。

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2 コメント

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こんにちは (みどり)
2007-03-24 10:47:22
はじめまして^^ 私のブログで こちらのブログを紹介させて頂きましたので ご連絡させて頂きました。

紹介記事は http://b99.blog96.fc2.com/blog-entry-1296.html です。
これからもよろしくお願いいたします^^
返信する
コメントありがとうございます。 (ゆりかもめ)
2007-03-24 19:55:26
ブランド価値に着目してご紹介ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
返信する