鴨川日記

レストラン、本、政治、医療、ドラマなどについて日々思うことを

コムスン問題を考える

2007-06-08 21:31:34 | 科学と医療
訪問介護大手のコムスンが実態のない事業申請を
繰り返していたとして一昨日、厳しい処分を受けた。
バブル期のディスコ経営で有名な折口雅博会長の
親会社グッドウィル傘下の会社だ。

昨日、姑息にもグループ内の別会社に事業を委譲して
処分を逃れようとしたが、さすがの厚労省も、そして
社会全体もそんな手を認めることはなく、本日、
グループ内への委譲も含めて凍結される見通しとなった。

今回の不正は、かなりひどいものであったことが
蓋を開けてみると明らかになり、グッドウィルの経営方針
には今後厳しい監視の目が向けられるのは避けられないだろう。

しかし、この報道の中で、「介護を民間にまかせるから」と
いう声を聞くが、この点については冷静に接したいと思う。

介護保険制度というのは社会福祉の民営化という側面があった。
それまで自治体が主導で行っていた社会福祉はかなり
非効率な面があったし、利用する高齢者も、その人権無視の
高齢者福祉に対して「福祉のお世話にはならん!!」と
叫んでいた。たぶん、介護を役所にまかせていたら、
きっと今の社会保険庁のような泥沼になっていただろう。

介護保険が民営化の役割を担っていた意義は大きい。
ただ、その中で、利益に邁進した企業が出てしまったことは
しかたがない。今回の事件で軌道修正がなされ、介護保険制度
として健全な運営がなされていくことを見守りたい。

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