鴨川日記

レストラン、本、政治、医療、ドラマなどについて日々思うことを

白石一文「もしも、私があなただったら」

2006-04-30 18:14:29 | 小説と映画
白石一文の「もしも、私があなただったら」を 読み終えた。この作家の本ははじめてだが なかなか面白かった。最近、それなりに考えて 本を選ぶと読みごたえのあるものが多い。 テレビドラマなんかは玉石混淆でけっこう はずれも多いが、小説は粒ぞろい。 . . . 本文を読む

平野啓一郎「顔のない裸体たち」

2006-04-29 00:22:19 | 小説と映画
平野啓一郎の最新作「顔のない裸体たち」を読んだ。プロローグは大阪城公園で素人投稿動画用の野外ポルノの撮影風景が描かれる。他人が来るかもしれない野外でビデオを回しながら指示をする男と、胸や下半身を露出する女。 「その上が邪魔やな。」 「カーディガン?」 「おォ。脱げ。」 「・・・うん。」 一度後方を確認してから、女はカーディガンを脱ぎ、それを手に持った。 (実際はもっと日記に書きにくいような文章が続きます) 性的に刺激的な文章がずらっと続くが、読者を官能に溺れさせることなくどこかで覚めたものが残りながら読むことになる。それは、きっと出会い系サイトで出会った二人が事件を起こして報道されるまでの過程を、裁判に提出された精神鑑定書のように描いているからだろうか。 . . . 本文を読む

医療改革審議、怒りのメルマガ

2006-04-28 21:48:57 | 科学と医療
4月25日のメールマガジンで民主党の山井和則議員が医療の現状に憂える熱気がこもった記事を書いておられたのでコメントと転載をしたい。山井議員は小児科医と共に当直して実態を把握したりしているので100%正しいとは言えないまでも信憑性が高い意見だと思う。少なくとも与党や厚労省からそれに勝る熱気は感じられない。 順序は違うが、まず医師不足の実態についてもめたという部分。山井議員が「最新の医師の過不足の調査結果を出すように」と言っても、川崎厚労大臣は「いま、調査しているので夏まで待ってほしい。今あるデータは平成9年のデータしかない。それによると医師は足りている!」と答弁したそうな。山井議員は、そんなんじゃ話にならん!!といろいろと言い返されたとのこと(引用文参照)。この2~3年の激変を把握していないとはどういうことだろう。 更に山井議員は医師不足の中で起こっている最悪の事態は、医師の過重な労働が放置されてきたであると指摘し「いま、病院で起こっていることは『立ち去り型サボタージュ』だ」と言う。つまり「文句を言っても労働条件は良くならないので、病院を辞める。開業医になる。過酷な労働条件の産婦人科、麻酔科、小児科、へき地などを選ばない」という傾向で、「形を変えた勤務医のストライキと言えるものです」と言い表している。なかなか実態をある意味うまく洞察していると思う。 . . . 本文を読む

弁護士ドラマ3題

2006-04-26 20:14:40 | ドラマ
あまり普段からバラエティでも弁護士ものは見ないので、 弁護士ドラマも、いざ注目してみるとそれなりに勉強になる。 犯罪に巻き込まれたり、自分が犯罪を犯してしまわないのが 一番だけど。 弁護士ものに共通して言えるのは、弁護士は人の心の本当の動き、 特に過ちや犯罪を犯すという日常生活の極限というか崖っぷちに 立った人間の心の動きを読みとるという作業をしつつ、周りの人々の かかわりや環境、世間の常識や過去の判例などに照らし合わせて 法律のプロとして妥当な(あるいは依頼人に有利な)量刑になるよう していくことで、ドラマとしては、この極限状態での人の心の動き をそれぞれの弁護士がどう読み、依頼人とどう係わるか描くことに 味わいが出るようだ。 . . . 本文を読む

おいしいプロポーズ(1)

2006-04-25 22:06:48 | ドラマ
弁護士ものの感想を書き上げる時間がないので 日曜日の「おいしいプロポーズ」の感想から。 長谷川京子はけっこう好きだ。 Mの悲劇、ドラゴン桜などと同様、彼女が出ると ドラマが引き締まるような気がする。 独特の存在感がある。 . . . 本文を読む

がん告知をめぐって

2006-04-25 13:12:25 | 科学と医療
厚生労働省の「尊厳死に関する研究班」のがん告知に関する調査結果(以下に引用するニュース1)は私自身が感じているよりも低い告知率であった。病院の規模・地域などによっても違うかもしれない。今回の調査がなぜ「全国の50床以上300床未満の中小病院を対象」に行われたか、ニュースでは報じていない点が気になる。最近は、がんの拠点病院化が進められ、患者もそのような病院に集まる傾向がある。そのような病院は300床以上であることが多い。しかし、一方、がんの拠点病院はがんを治療するための病院だから、治療の適応が少ないと判断された病状の重い患者は拠点病院に紹介されないのかもしれない。うーん、なんか悩ましいニュースだ。この記者はがんの告知率が低いということをバイアスがかかっていることを知りつつ訴えようとしているのだろうか? 2つめのニュースでは、がん告知に悩むケースや理由がコンパクトに報じられている。がんを告知する場合、本人に行うか家族にするか、難しい問題だ。日本でも本人に行うことが主流になりつつあるが、日本人の「個」のあり方が過渡期で、患者・家族・医師、3者(ただし現実には家族は複数で、それぞれ考え方が違う場合が多い)の「個」に対する考えがそれぞれ違うので、「解」を見つけるのが難しい。勿論、他にも様々な変数(要因)がある。 それと現場では告知は時間や人手がかかるという問題もある。時間や人手というのは即ちコストであり、安い医療をめざす今の日本の医療費抑制政策とは相容れない。 1)容体重いほど告知少なく がん患者の尊厳死に「壁」 厚労省研究班が調査 2)患者自殺、家族との紛争... がん告知に悩む医師 . . . 本文を読む

小泉劇場の終焉?

2006-04-24 20:08:32 | 政治・社会
千葉補選で民主党候補が僅差ながら勝利した。メール問題で地に落ちた民主党への信頼が小沢新代表の登場でいっきに回復したかっこうだ。しかし、一番大きな要因は、先の衆議院選挙で自民党があまりにも勝ちすぎたこと、その自民党が国民の望む方向へ改革を進められるか不透明すぎることなどではなかろうか。 小泉政権は旧態然とした自民党を壊すことには成功したが、官僚組織とどこまで対決できるかが、疑問視されている。官僚組織は自分達にさえ、何が悪いのかわからない状態に陥っているのではないだろうか? 国民はそれにいらだち、本質的には真実を見抜いているのだと思う。 かなり沢山のニュースになるが、記録として引用しておきたい。以下、ニュースのタイトルだけ先に示す。 1)女性と若者は自民、40~50代民主 衆院補選出口調査 2)補選当選の太田さん、最年少国会議員に…太蔵氏を抜く 3)衆院千葉補選 太田氏955票差 初当選 小沢民主、反転攻勢弾み 4)補選で民主勝利 小沢氏、「小泉政治への評価の面も」 5)民主・太田氏が初当選、格差社会是正へ小泉改革に批判票=衆院千葉7区補選 . . . 本文を読む

梅田望夫「ウェブ進化論」

2006-04-24 20:00:39 | 政治・社会
この本には、日頃何気なく使って便利だと思っているグーグル検索やアマゾン書店、Wikipedia(ネット上の百科事典)などの新たな時代に向けた挑戦とも言うべき活動が理路整然と、しかし熱く語られていて大変興味深かった。今まで恩恵を受けていたにもかかわらず、その意味や今後の方向性を系統だって知らなかった。実はWikipediaが誰でも修正可能であることもまったく知らなかった。ウェブによる革命はまだ始まったばかりらしい。この本ではこの現象が持つ深い意味が様々な視点から描かれている。 . . . 本文を読む

森絵都「屋久島ジュウソウ」

2006-04-23 21:11:51 | 小説と映画
屋久島に興味があって最近本屋に並んでいる森絵都の 「屋久島ジュウソウ」を読んでみた。残念ながら、素人のブログ並み。 一番残念だったのはこれだったら別に屋久島で歩く必要はなかった のではないかと思えたところ。宮之浦岳を一泊二日で縦走しようと 思う人には行程をなぞってみるのに良いかもしれないが それ以外ではあまり読む価値が無い。 . . . 本文を読む

「ギャオ」、軌道に乗らず 

2006-04-22 16:52:20 | 経済と株
USENが中間決算で連結業績を大幅に下方修正。 確かにWeb進化論でいうようなグーグル的な躍進はしておらず 今後の検討が期待されます。 「ギャオ」もいいけど、まだまだ進化が必要そうですね。 ライブドアとの提携問題もまだまだこれからが山場だし。 . . . 本文を読む