テッセンの花が咲いている傍で、ハナズオウの花が残っていた。
花は枯れ初めていたが、まだ花の色は残っている。
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テッセンがまだ蕾だったころは、その紫の花も鮮やかだった。
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日本人の漢詩を集めた本を見ていたら、ハナズオウの花が出て来た。
対花懐旧 花に対して旧を懐ふ 釈義堂
紛紛世事乱如麻 紛紛たる世事 乱れて麻の如し
旧恨新愁只自嗟 旧恨新愁 只だ自ら嗟く
春夢醒来人不見 春夢 醒め来たつて 人見えず
暮檐雨洒紫荊花 暮檐 雨は洒ぐ 紫荊の花
(空華集・七絶)
解説に、「釈義堂(1325-1388)は臨済宗の学僧。性は平氏、名は周信、義堂は字。空華道人と号した。」とある。
さらに「紫荊(しけい)の花は、はなずおう(花蘇芳)。中国原産のマメ科の落葉灌木。我が国では古来、庭木として植える。」と書いてある。
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もうすっかり日本の春の花になっている。