
『<はかる>科学』 阪上孝・後藤武 中公新書 2007
書名からは、川越とは何の関係もないと思っていた。
ところが、第3章 環境をはかる に川越関連の記載があった。
二 はかった結果をどう読むか で、「測った結果の取り扱い」の一例として所沢市のダイオキシンの問題が取り上げられていた。
「このダイオキシン騒動は、1993年ころから連日のようにメディアで報道されるようになり、住民の健康、特に子どもが危険だということで、日本中がパニックになった。新生児死亡率の上昇、催奇性、発ガンが騒がれ、果ては母乳が危険という報道がなされて日本中の母親を深刻な不安に追い込んだ。(中略)しかしこれらの報道も事実の判明、冷静な理解が進むとともに沈静化して、人々の意識から消えたいった。」
「事実の判明」の一例として、川越保健所の活動が紹介されている。
「1997年には住民から、所沢周辺において、産廃処理量の増加とともに新生児の死亡率が県の平均よりも高くなってきているのではないかという指摘があった。川越保健所はこれを確認するために新生児の死亡率、周産期の死亡率、乳幼児の死亡率、死産率を測定して統計分析を行い、全県の衛生部内検討会を行って最終的に結果を出したところ、有意差はないという結論が出たという。」