みなさん、昨日のアンビリバボーは観ましたか?
昨日は『あの大ヒット商品の誕生秘話』というテーマで
今や世界中で 大ヒットしているあの商品が!世界中で使われているアレが!
実は日本で開発されたという事実は、あまり知られていない。
世界を魅了する大人気商品のストーリーを紹介。
伊部菊雄さんは、メーカーの設計部に勤務する若きエンジニアだった。
当時、設計部では月1回新技術や新商品に関する企画書を
必ず提出するノルマがあったのだが企画をきちんと練る時間もないまま
締め切り日を迎えてしまった。もはや万事休す。
結局企画書にはアイデアだけを書いた。 怒られるのは覚悟の上だった。
そして、企画書を出したことすら忘れていた数週間後なんと、伊部の企画が通ったのだ。
締め切りに追われ出した企画書、そこに書いたのは
『落としても壊れない丈夫な時計』たった1行だけ! 時計は精密機械
落としても壊れないというのは当時には得ないことだった。
ただこのアイデアを出したのには伊部なりの理由があった。
昔、高校入学祝いに父に買ってもらいずっと付けていた時計が
人とぶつかった拍子に床に落ちバラバラに壊れてしまったことがあった。
“時計って結構簡単に壊れるんだ”という実体験が心に残っていたのだ。
さらに当時、道路工事などの作業員は壊れてしまうことを考え
時計はしていないのが当たり前だった。
単純に彼らが付ける腕時計があればいいなと思っていた。
試作には入ったものの商品として実現可能だという裏付けをとる基礎実験から
伊部は苦労する羽目になる。 当初は時計の外側をゴムで保護すれば
衝撃も緩和され、かつガラス面が 直接ぶつからずに済むと考えていた。
地上10メートル、3階の窓から落としてみたのだが
地面に落ちた衝撃でガラスは割れ、機械も壊れてしまう。
壊れないようにするには、時計全体をゴムテープでぐるぐる巻きにするしかなかった。
しかし確実に壊れなくなったのはソフトボール大の大きさ。
だがそんな代物は腕時計になどなりえない。
そこで全く新しい耐衝撃構造を考えることに。
思いついたのは素材を変えて5段階で衝撃を吸収する構造。
ゴムパーツとメタルパーツを交互に重ね時計の心臓部を保護する仕組みだ。
なんとか腕時計にできるサイズにはした。
新たな衝撃吸収構造を考案し、落下実験を行った。
何百回と実験を行ったが必ずいずれかの部品が壊れてしまう。
壊れたところを補強してもあらためて確認すると、今度は
別の場所が壊れるという「モグラ叩き現象」に陥ってしまった。
そんな中、伊部が落下実験を行う様子から重力を意味する
英単語を使った商品名が考案された。
開発開始からすでに1年以上が経っていた。
商品名は決まったが、時計自体はまだまだにもかかわらず
伊部を信頼していた上層部が、発売時期の目処だけはつけてしまっていた。
タイムリミットは迫っていた。
だが、公園で子供がボールで遊んでいる姿を見てあることをひらいめいた!
もしあのゴムボールの中に心臓部が浮かんでいたら
衝撃は伝わらないのでは?ということだ
った。
そこで考えたのが、時計の心臓部を点で支えケース内に浮かせるように配置して
外部からの衝撃を伝わりにくくする構造だった。
こうして苦労に苦労を重ねて完成した壊れない時計、G-SHOCK。
今や、世界中で大ヒットしている商品だが当時は全く売れなかったのだ。
1980年代は「軽薄短小」ブームの時代。 時計も
薄くて軽くて小さいものこそがトレンドとされ
ゴツゴツとした大ぶりの時計が売れる気配は全くなかった。
そんな中、当時の営業担当はダメ元で販売網のあったアメリカ
イギリス、ドイツに売り込んだ。 するとアメリカの担当だけが興味を示してくれ
発売にこぎつけた。
アイスホッケーや色んなスポーツが盛んなアメリカでは
“動きの激しいスポーツでもまったく壊れる心配がない”と
結果G-SHOCKの性能は本物だと証明された。
さらに、G-SHOCKと普通の時計をトレーラーで轢く実験も行われた。
その結果壊れることなく動き続け、またもその性能を証明した。
もちろん普通の時計は粉々だ。
この検証が放送されると、アメリカでG-SHOCKの評判が一気に高まり、
警察官や軍の兵士など、屋外でハードな活動を行う人たちを中心に売れ始めた。
そして、今から26年前にヒットした映画『スピード』で
キアヌ・リーブスが着用していたことでも人気が加速。
激しいアクションにも壊れることはなかった。
その結果これまでの販売不調がウソのように
逆輸入という形で、日本でもブレイク! G-SHOCKはものすごい勢いで売れ始めた。
1996年に生まれたのが『MR-G』と呼ばれる金属製ボディのG-SHOCK。
スーツにも合う、高級感のある時計だが、もちろん耐衝撃性は以前と変わらない。
これによりG-SHOCKはファッションだけにとどまらず
実用性を備えた時計として 幅広い年代層へと広まった。
そして、発売から34年後の2017年には出荷数は世界累計1億個以上を突破。
女性向けブランドBaby-Gやフルメタル、他ブランドとのコラボ商品と様々なモデルを発表。
コレクター心をくすぐる商品としても定着。 ファッションとして
流行した1990年代よりも現在の方が売れ行きを伸ばしている。
驚異の世界的大ヒット商品へと上り詰めたのである。
そんな中で伊部は、「落としても壊れない丈夫な時計」という
本来のコンセプトの大切さを再認識。 それを発信する活動にも力を入れている。
若き技術者の『あったらいいな』という1行の提案から生まれた夢の時計。
それは数々の苦難といくつもの奇跡を経て現在世界中の人たちの腕で時を刻み続けている。
私も中学生のときに見た目のかっこよさと、周囲の人たちもみんなしていたので
憧れからお母さんに買ってもらいました。
力が入って思いっきり机に手をうちつけてもまったく壊れなくて
高校卒業するぐらいまでよく愛用していました。
改めて日本の技術と開発者の“良い製品作りたい”という思いを知りました。
悠花(*^^*)