黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

天然ビタミン・サプリメントのウソ・ホント 6

2010-09-01 12:00:25 | 健康食品 ウソ・ホント
ミネラル編の第2弾はマグネシウム
カルシウムと並んで所要量の多いミネラルです

天然マグネシウムと書いてある商品はウソ・ホント?
これはウソとホントが混在しています
ケースバイケースとなるので注意してください

主に含まれる食品としてはアーモンドなどのナッツ類やかぼちゃやスイカの種、海藻類に多く含まれています
でも含有量はアーモンドで100gあたり310mg、刻み昆布で100gあたり720mg、干しひじきで100gあたり620mgとあまり多くは有りません

一般的なマグネシウムサプリメントの場合一日量で150mg~250mg前後の摂取量を標榜しています
こういった量を取るためにはナッツ由来や海藻由来のマグネシウムでは不十分です

ではサプリメントに用いられるマグネシウム素材にはどんなものがあるのでしょうか?
誤解を承知で書くとその多くは食品添加物です
塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、など
塩化マグネシウムは豆腐の凝固に使われるにがりの主成分
硫酸マグネシウムも同じく豆腐の凝固剤の他、下剤としても使用されます
酸化マグネシウムは下剤としてよく用いられる他、肥料としても使用されています

食品添加物では有りますが、ほとんどの場合は海水から作られているようです
食塩の製造工程で出てくるニガリからさらに精製される場合が多いです
また上記の物はすべて強化剤としての使用が可能なため原材料表記の省略が可能な場合もあります
この中では塩化マグネシウムは吸水性が高く、硫酸マグネシウムは苦味が強いため酸化マグネシウムの使用が盛んです

では天然素材はないのでしょうか?
無いわけでは有りません
例えば精製をしていないニガリなどは塩化マグネシウムの含量もあるていどあり、使用可能ですが問題も多々有ります
吸湿性が高く粉末化がしにくかったり、製造上マグネシウム含量がばらついたりという問題が有ります
また塩素との化合物のため、塩素の過剰を心配する声もあります
さらに未精製であればあるほど、塩がかなり残存しているため塩分過剰には注意が必要です

その他にはマグネシウム高含有酵母や乳酸菌も有ります
マグネシウム酵母で約5%の含量で、乳酸菌では15%という素材も有ります
ただしミネラル含有酵母には様々な問題も有ります
その一例が練りこみによる製造で作られたものです
これについては微量ミネラルの項で詳細にお話します

その他の天然マグネシウム素材としてドロマイトが有ります
前回のカルシウムの項で紹介したドロマイト
実はカルシウムのソースとしてよりもマグネシウムのソースとしての価値の方が高いのではないかと自分は考えています
天然の岩石を粉砕・洗浄等を経て製造されるドロマイトを天然と称するのは少し問題がありますが、サプリメント素材としてはかなり優秀です

近年、カルシウムとマグネシウムは2:1での摂取することが推奨され始めています
そういった意味ではCaMg(CO3)2というドロマイトのカルシウムマグネシウム比率は2:1と理想的です
元が岩石というのに抵抗感がなければドロマイトは本当におすすめできる、カルシウムマグネシウム素材です

市場で売られているサプリメントの中には植物由来オンリーとうたっている物もあります
ちょっと信じられないですね
頭のイイ詐欺師の仕事みたいに感じてしまいます
健康食品のウソ・ホントシリーズの最後に悪質商法の詳細を書こうと考えていますが、そこで植物由来をうたう悪質商品の仮想例をあげようと考えていますのでお楽しみにしてください

最後に天然マグネシウムのウソ・ホントについて

「粗精製ニガリ」と原料にあれば→ほぼ「ホント」

「ドロマイト」と原料にあれば→ほぼ(岩石由来ですが)「ホント」

「酵母」とある場合は→酵母の製造法でウソとホントが入り雑じっています

「植物100%」とある場合→酵母の表記がない場合はほぼ「ウソ」

こう考えてもらって大体はあっていると思います


次回は微量ミネラル
練り込みによる製造の問題をクローズアップ
この製法が実はビタミンなどにも波及しているんです