黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

さくらのつぶやき~リン

2008年07月01日 | Weblog
こんちはニャ。ワシ、さくらニャよ。
今日のお題はリン。ちゅうても、漫画の登場人物とかペットの名前とかとはちゃうで。マッチの先っぽとか肥料の材料とかのリンのこっちゃ。ここんとこの物価高で、色んなモンが値上がりしてるけんど、地味~にリンもえらい高騰しとるねんと。そんなこんなでつらつらとかあちゃんが思い出した話や。
コレをかあちゃんが聞いたンは小学校5年の授業でや。そやからかな~り昔のお話。ある製鉄会社で、事故があってんて。出来立てのまだ真っ赤な鉄板の上に作業員が転落してしもた。もぉ、大事故や。大怪我を通り越して即死やて。気の毒な話やな。そやけどこのあともっと気の毒な話を、残された家族は体験したちゅうんやな。落下した先は、さっきも書いた通り高熱の鉄板で、ぶっちゃけた話が遺体も瞬時に燃えて残ってなかったらしい。ソレをええことに、会社側は賠償金ちゅうんかいニャ、ホラ、仕事の最中に怪我とかしたらもらえるお金。アレをケチりよったんやて。遺体がないから、そこに落下したことが証明出来んとか云々の話らしい。で、話は裁判へともつれ込んだ。結局、「証明」になったンや「リン」やねんて。リンちゅうのは体の中でも燃える温度が一番高い元素。早い話が、リンだけが燃え残ってたんやニャ、その鉄板の上に。
話は多分、かあちゃんが聞いたよりももっと以前の話や。時は高度成長期、会社はまだ企業責任よりも利益を優先しとった時代のお話。とはいえ、かあちゃんの記憶の中の話であって、かあちゃんも時分の目で確かめたワケやない。ワシにしても又聞きの又聞きやし。そやけど、小学校の授業中にこうゆう話を聞いたコトはホンマらしいで。あんまし明るい話やないけんど、蟹工船が流行ってるトキやし、マジメな話もたまにはエエやろ。


本宅はこっち。よかったらきたってや。→黒猫亭日乗