誰も女は最初から、生涯
に何人もの男の肌を知ろう
と思わないであろうし、
幸福 で平坦な道を求めている
は ずである。
にもかかわらず、何人かの
男を遍歴しなければならない
女たちを見ると、そこには一つ
の共通点を見出すことができ
る。
惚れっぽいこと。信じやすい
こと。淋しがりやであること。
忘れっぽいこと。純情であるこ
と。情熱家であること。エネルギ
ッシュであること。打算がないこ
と・・・・・・。
こうしてあげてみれば、男がこ
ういう女を捨てておけないのは
当然である。
彼女たちは知らず知らず、男を
ひきよせる甘い匂いをたて、
花粉を待ちうけて、年中しっとり
と濡れそぼれている。
「馬鹿だけれど可愛いい」と男
はよく、こういう種類の女たちを
批評する時に使う。
そういう時、男は女の中に
「女そのもの」の正体をみた
ように思う。
優越感と保護意識が彼を幸福
にする。