里村専精師の「浄土真宗にようこそ」No79をお届けします。
バーミヤンの大仏が破壊されて、空しさが残っています。
これを阻止しようとした物語が、NHKから放映されました。
それなりに悲しい物語でした。
なのに、何かこれに似たものが日本の現代に感じられます。
それは、文部省の宗教政策です。
学校では、一般には宗教は歴史のかすかな残滓としてしか登場しないのです。
これがどうも、見事に大仏破壊と同質なものではないかと考えられます。
教育は、理性のみを鍛練します。
が、生命に根差した叡知は忘れられています。
国家に有用な人間が必要だとしても、その前に健全に生きる人間こそ大切なのです。
それは理性の届かない、人間存在そのものの尊厳を見落としたものがあります。
もっとも、卑俗な宗教は理性を汚したりします。
が、少なくとも現代だけではなく、永遠に尋ね明かされなければならない真実を…、
私たちは忘れてはならないのです。
五十年にわたって、日本の宗教政策は破壊されてしまいました。
理性が獲得する成果は、エゴと言われてよい自我です。
人は理性の上に自我を建てるのですが、こういう自我が展開する社会でよいのでしょうか。
もう一つ深い存在そのものの尊厳は、永く闇に葬られています。
新しい年を迎えても、この重大な厳密な人間学としての宗教が見えないなら…、
それは大仏破壊と同じ行為が、人間を阻害し続けるものと何も変わらないのではないでしょうか。
仏道を浅い理解で退けて、宗教から逃れた文部省と大仏を爆破したタリバーン。
何かが、重大な根源において似通っています。
二十世紀は、廃仏・廃宗教の時代でした。
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