くりこみさん日記

駅名標ラリーをしているくりこみさんの日記。駅名標撮影の舞台裏やウェブサイト画像UPの情報などを書いてます。

06/07: 『小室哲哉深層の美意識』の読書感想文

2009-06-07 15:11:30 | 日記
神山典士 『小室哲哉 深層の美意識』 講談社 (1997) を読みました。
小室哲哉は、最近、世間的に注目されたけど、悪い意味で。

この本が書かれたのは1996年(文庫本になったのが1997年)ということですが、おそらくこの頃が小室の全盛期だったと思います。
なので、今から10年以上が経った今、この本を読む事で当時の音楽界を客観的に読み取る事ができました。
その中で一番よく覚えているのは、
「小室哲哉はいろんな人やグループを作って、やっぱり音楽家というよりプロデューサーなんだなぁ」
という事。
その仕事のスタイルを、この本を読んで知ることができました。
それを裏付ける言葉を、TMNのメンバーだった木根が言ってます(p.258):
「一つ一つを終わらせることで、小室は新しい音楽を手に入れている。作っては壊し、作っては壊し、これからもそうしていくでしょう。」
この仕事スタイルは、小室全盛期の後も続いたんだと思います。
ただ、1つのプロジェクトで失敗して大きなダメージを受けて、物事が悪い方へ向かってしまう事もあり得る。

それが先般の事件につながる気がしてます。

では、なぜ小室は次から次へと新しいプロジェクトを走らせようとしたのか。
その答えの鍵になるのは、
「不安があるからこそアーティストなんだ。」(p.222)
と言う小室の言葉。
そして、
「小室が好きなのは、物事の加速度を感じる瞬間」(p.190)
という事。
加速度Gを感じる仕事が好き。
だから、1つプロジェクトが安定したら、そのプロジェクトは終了させ、別のプロジェクトを作る。
ちょうど、小室がTMNからtrfへ、trfからglobeへ、と主軸を動かしているのに対応するのだと思います
それで、小室ブランドが大衆に広まったんだろうと。
楽曲の色々なバリエーションを小室ブランドとして発信し、より幅広いファン層を手に入れたのではないかと思います。
しかも、新しいプロジェクトが次々に成長していくという加速度を何度も体感できる。まさに小室が好きなGを感じる事ができる。
その手法が音楽的(文化的)に良いものだったのかは分からないですが、音楽ビジネスの1つの成功例を具現化した事は明らかです。
ただ、その仕事スタイルが常にうまくいくとは限らなかったようで、資金繰りに苦しんだ模様。
結果として、裁判沙汰に。


ちなみに、私は小室の曲のCDで、ボーカルなしのトラックをよく聞いていていました。
今でも聞きますが。

もともと、初期の小室は、インスト志望だったようです。
アレンジがうまくて、ボーカルなしでも聞いていて飽きなかったです。
今思うに、globeのラップはない方がいいんじゃないか?と思ってます。
小室も別に歌う必要あったのか?と思ったりします。

まぁ、私も小室哲哉ファンです。
小室の音楽生活の再スタートがどうなるか、注目ではあります。

どうなるんでしょうか?
コメント
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