最近の研究成果を記事にしてみます。GammonGoスコアと4Away-2Awayのチェッカープレイの違いについてです。4Away-2Awayスコアはトレイラー側が早々とキューブを差し出すことが多いので、GammonGoスコアとかなり似通っています。マッチ勝率を比較してもそれぞれ32%、33%と1%しか違いません。しかし、それでもチェッカープレイに若干の違いがあります。
初手64でスプリットして66ゾロを振ったとき、どう動かすかという問題です。通常のスコアではバーを2つメイクする一手なのですが、ギャモン勝ちの価値が高い場合に13/7*(2),7/1*(2)というムーブが成立するかどうか。
Gammon Goスコア(2Away-1AwayCr)
GammonGoスコアだとXG++は73点の差でエースメイクを支持します。この手は次善手と比較して勝率を7%も落としていますが、ギャモン率を10%も押し上げています。このスコアではギャモン勝ちがシングル勝ちと同じ価値を持つので、この手が正当化されます※。
※厳密な表現をすると、「ギャモン勝ちとシングル勝ちの出入り」が「シングル勝ちとシングル負けの出入り」と等しい、ということ。マッチ勝率の差分から求めることができます。
4Away-2Away
ところが4Away-2Awayスコアの状況では話が違ってきて、通常通り24/18(2),13/7*(2)が優ります。
これはエースポイントメイクすると大きくマーケットルーズする展開が多いからだと考えられます。例えば2枚ともダンスすると、1000点くらいの超特大パスになりますし、1枚ダンスしても500点くらいの大パスです。キューブを渡している(=GammonGoスコア)ならこの大パスの状態からゲームを続行できるのですが、このスコアだとダブルしてもパスされてしまいます。パスされたら、ギリギリのパスだろうが大パスであろうが同じ1点にしかならないので、優勢であればあるほど損しているのです。そうすると、2~5のゾロ目を振られたときのデメリットが大きく響いてきます。
初手64Sの解析結果を載せましたが、初手63Sや62Sでも同様の結果が得られました。
結論としては4Away-2AwayスコアはGammonGoスコアほどにはギャモニッシュにプレイできない、ということです。マーケットルーズするリスクがあるのでヴォラティリティの大きい局面にはあまり誘導したくありません。4Away-2Awayはキューブアクションが非常に「やばい」ことで有名ですが、意外なことにチェッカープレイに関しては、そこまでスイングの大きいムーブは選べないといことです。
以上
初手64でスプリットして66ゾロを振ったとき、どう動かすかという問題です。通常のスコアではバーを2つメイクする一手なのですが、ギャモン勝ちの価値が高い場合に13/7*(2),7/1*(2)というムーブが成立するかどうか。
Gammon Goスコア(2Away-1AwayCr)
|
| |||
XGID=-a----EaC---dE--ac-e----B-:0:0:1:66:3:4:1:5:10 | ||||
to play 66 |
1. | XG Roller++ | 13/7*(2) 7/1*(2) | eq: +0.669 | |||
| ||||||
2. | XG Roller++ | 24/18(2) 13/7*(2) | eq: +0.596 (-0.073) | |||
|
eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2
GammonGoスコアだとXG++は73点の差でエースメイクを支持します。この手は次善手と比較して勝率を7%も落としていますが、ギャモン率を10%も押し上げています。このスコアではギャモン勝ちがシングル勝ちと同じ価値を持つので、この手が正当化されます※。
※厳密な表現をすると、「ギャモン勝ちとシングル勝ちの出入り」が「シングル勝ちとシングル負けの出入り」と等しい、ということ。マッチ勝率の差分から求めることができます。
4Away-2Away
|
| |||
XGID=-a----EaC---dE--ac-e----B-:0:0:1:66:1:3:0:5:10 | ||||
to play 66 |
1. | XG Roller++ | 24/18(2) 13/7*(2) | eq: +0.906 | |||
| ||||||
2. | XG Roller++ | 13/7*(2) 7/1*(2) | eq: +0.856 (-0.050) | |||
|
eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2
ところが4Away-2Awayスコアの状況では話が違ってきて、通常通り24/18(2),13/7*(2)が優ります。
これはエースポイントメイクすると大きくマーケットルーズする展開が多いからだと考えられます。例えば2枚ともダンスすると、1000点くらいの超特大パスになりますし、1枚ダンスしても500点くらいの大パスです。キューブを渡している(=GammonGoスコア)ならこの大パスの状態からゲームを続行できるのですが、このスコアだとダブルしてもパスされてしまいます。パスされたら、ギリギリのパスだろうが大パスであろうが同じ1点にしかならないので、優勢であればあるほど損しているのです。そうすると、2~5のゾロ目を振られたときのデメリットが大きく響いてきます。
初手64Sの解析結果を載せましたが、初手63Sや62Sでも同様の結果が得られました。
結論としては4Away-2AwayスコアはGammonGoスコアほどにはギャモニッシュにプレイできない、ということです。マーケットルーズするリスクがあるのでヴォラティリティの大きい局面にはあまり誘導したくありません。4Away-2Awayはキューブアクションが非常に「やばい」ことで有名ですが、意外なことにチェッカープレイに関しては、そこまでスイングの大きいムーブは選べないといことです。
以上
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます