じぶんがいちばん!

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sweet 10 (最終回)

2009-09-20 | sweet 10

結婚式前日、

 朝、開店前に待ち合わせ、料理長と食材の買い物。

大手の食品卸スーパーで、段取り良い料理長の指示のもと

次々とカートに入れる。

 

ダンボール、いくつあったか覚えていない。

事前に料理長が準備してくれていたものもあった。

店からはは別行動。

暴風の中 (なぜって、やっぱり台風が来た)、

必要物品を積んで料理長はすぐに現地に向かった。

 

ワタシは他の荷物も積み込み、遅れて現地に向かうことになっていた。

 

昼前には

忘れ物がないか点検し、

ひとり、運転して松江を出発した。

 

徐々に風雨が強くなる。

 

山あいに入ると、打ちつける雨で見通しも悪く、

看板が飛んできたり、

木が折れていたり、

落下物で道が狭くなっていたりした。

 

こわかった。

でも

いよいよ明日!

アドレナリンの放出のためか、道を突き進むことが出来た。

 

 

現地では料理長が調理場で物品の点検を済ませ

煮込み料理を開始していた。

 

今夜、泊り込んで準備してくれることになっていた。

素人でも出来る下準備を(料理長も素人なのだが)

松江の友人に託された。

帰りに持っていってお願いしてほしいということだった。

 

準備の進む中、台風は容赦なく私たちに向かって突き進んできた。

外の状況は最悪。

建設し終わったばかりの教会が心配だった。

ブルーシートで全体を覆い、

まだ乾ききっていない教会のシンボル、泥壁の無事を祈った。

 

心配してもしかたない。

最善の策で守り、信じて、準備をしていた。

 

夕方、新潟から来てくれることになっていた友人の一家が

車で松江に到着したと携帯に連絡が入った。

電波が通りにくい環境なので、話も途切れ途切れ。

遠方から見ず知らずの松江まで

しかも暴風雨の中、ほんとに大変だったと思う。

感謝の気持ちでいっぱいだった。

 

出来る限りの準備を済ませ、

いくらか雨も小降りになってきた(←希望的観測)真っ暗な空を見ながら、

帰りは彼の運転で、松江に戻った。

 

当然、翌日の天気が気になっていた。

悪天候だった場合の段取りもきちんとしていたが

前日の台風直撃ということで、雨天の確実性が増し、

雨天用の最終打ち合わせも済ませてから現地を後にしていた。

 

準備は万全との自信があったためか、

不思議と

“天候は天に任せる”気持ちの余裕があった。

 

その夜、

やっと

誓約書を

準備した。

 

前夜になってもまだ出来上がってなかった。

どんな言葉で誓約しようか、考える間もなくいろんな準備に追われていたと思う。

 

考えると、うまくいえない。

ありきたりでは、もちろんダメ。

ホントの気持ちを言葉にしたい。

 

誓約書の用紙だけ作成して、

遅くに眠りについた。

 

当日、

空は、

 

晴れていた。

 

 

快晴とは言いがたいが、雨は降ってない。

 

よしっ!

 

ふたり一緒に早朝、

現地に向かった。

 

向かう車の中で、今日の、今の気持ちで誓約の言葉を考えた。

  

現地では、泊り込みの料理長と友人達が当然準備に追われていた。

今まで協力してくれていた友人達が教会の周りで本番の作業を始めてくれていた。

 

あわただしく、みんなに挨拶を終え、

教会の確認。

OK!

 

そして、

ワタシ、花嫁は

信頼している友人にヘアスタイリング、メイクをしてもらった。

ドレスを着た。

もう一人の信頼おける友人は、その横で司会の内容確認をしてくれていた。

彼女の度胸で、きっとうまくいくと信じていた。

 

新郎はまだ、外でブルーシートをはずしたり、バージンロードを敷いたり、

式の段取りの連絡をしていた。

 

支度の合間に、

誓約の言葉を、震える手を平常心で押さえながら、

記した。

 

その頃になると、

新郎も支度を終え、

両家の親族も到着し、

出席者がそろってきていた。

 

さあ、

とうとう、

本番を迎えました。

 

ワタシは父とバージンロードに向かいました。

 

彼が、みんなが、教会で温かく見守ってくれていました。

 

 

 

 

             ~~~書ききれない思いと、感謝をこめて~~~

                                    

 

 

 


sweet 9

2009-09-19 | sweet 10

9月半ばになって

教会が8割がたは出来上がってきていた。

でも、

結婚式は、

9.25

1週間前には建物としての教会は完成していることが目標だった。

 

当然 

私たちは焦っていた。

 

土日はもちろん、平日も少しでも時間があれば現地に向かった。

 

二人で時間がとれた、そんな平日の午後

現地で二人だけで作業を始めた。

仲間と作業するのと違って、

気ばかりが焦り作業は遅々としてすすまない。

 

しかも

材料や道具が足りずに

麓まで買い物に下りた彼。

 

麓までといっても距離がかなりあるので、

しばらくは心細く一人で作業をするワタシ。

 

そのうちに

ポツリ。ポツリ。

雨が、、、

そして瞬く間にバケツをひっくり返したようなスコールになった。

カッパを着ようとしていたワタシはあわてて車に逃げ込んだ。

 

しばらくは作業できそうにもなく、

彼の帰りを待った。

騒々しくバチバチと雨に襲撃されている車の中で

なぜかワタシのココロは別世界のように静かだった。

 

ぼんやりと考えていた。

 

結婚式までに教会はできるのかなぁ。

出来なかったらどうなるかなぁ。

できなくてもいいんじゃないかなぁ。

完成していない教会でも結婚できるよねぇ。

がんばることに意味があるんじゃないかなぁ。

みんなが協力してくれたことで、教会の存在意味は完成してる、きっと。

 

こんなようなことが同時に、いや順繰りと頭の中に浮かんでは消えていた。

 

なんだか涙まで出てきていた。

きっと、ワタシも彼も知らず知らずにかなり追い込まれていたのだろう。

そんな自分にびっくりもしていた。

大変さも楽しんでいたはずなのに。。。

 

土砂降りの雨の中、

彼の車が帰ってきた。

 

彼に言った。

 

私たち、こんなにがんばってるじゃない。

ここまでやって完成しなくてもそれはそれで意味があるよ。

友達がかかわってくれたことが大切で、もう十分なはずだよ。

出来なくても、、、しょうがな、い、、よ、、、、、。

 

彼は感情的になってるワタシの気持ちを受けて、

それでも、

『完成しないとダメだ。』

と言った。

そして、ワタシを車に残して、雨の中、作業を始めた。

 

ワタシの思いが伝わらないのかと、思った。

でも、結婚しようとしている彼の真意も理解したかった。

きっと、ワタシの思いとは違う観点で大事に思うことがあるんだな、と思った。

 

完成させることの大事さ。

そこになにがあるのか。

完成させることで、これがどんなことなのか解るはず。

完成させようと思った。

結婚式を成功させようと思った。

 

ぎりぎりまでやらなくちゃ。

ん?、ちょっとちがう。

 

出来る限り

理想を追い求めて

とにかく

当日まで

動き続けようと思った。

 

 

今のワタシは、こう考える。

どこまでも進みたければ

どこが限界かなんて実際はわからないから

“ぎりぎり”で止めることなんて出来ないし、

ぎりぎりって言った時点で自分で限界を作ってるってことになるんだ、

手前でストップかける自分がいるんだと。

 

あの時、

彼について目標に向かって進み続けてよかったと思う。

彼の真意は今もベールに包まれてはいるが、、、

なんとなく大事なものは感じている。

そして、あの時感じた自分の思いも確かなことと認めている。

 

その後、作業は何とか結婚式に間に合いそうな目途となり、

ただ前日まで作業は続きそうだった。

 

こんなに間近になってもなお、

 

式次第の詳細や席次表をどうするか、

結婚指輪の製作にもなかなか行けずに完成が遅れていたし、

椅子やテーブルの手配の急な変更、

など、

まだまだやることが山積み、しかもさらに下から湧いてくるようだった。

 

 

寝る時間をずいぶん削ってたけど、まだまだもっともっと時間がほしかった。

 

ほんとにどうなるの?

 

そしてそろそろ気になる、週間天気予報。

 

ん?

なんだ?

天気図の下の方、ぐるぐるした渦巻きみたいの、、、

たいふ~~~~~~~~~~ゥ?

 

 

                      つづく (sweet 10 最終回へ)


sweet 8

2009-09-16 | sweet 10

9月にはいると

いよいよ教会作り。

目に見えて形になってゆく。

 

まずは

はで木を利用して三叉(みつまた)構造を適当な間隔でたくさんたてて、

教会の輪郭をかたち作る。

高さ4メートル強

幅も5メートルぐらいだったか、

奥行きはずいぶんあった。

図って作ったものでなく、

感覚が頼りで組み合わせていった感じなので、アバウトなデータ。

 

三叉組んだところへ

ラスを張ってゆく。

張るといっても針金で一枚一枚留めた。

古民家でいう木舞(こまい)。

これに泥を塗っていき乾燥させて泥壁にするのである。

 

高いところでの作業で、

アルミののラスは鋭く、

怪我をしないように、慎重に作業をした。

 

この頃は、招待状で呼びかけた仲間も手伝いにきてくれ、

知らないもの同士が仲良くなって、

みんな共通の目的で作業をすることも楽しかった。

 

ラスを張ったところから

追っかけるように

泥も塗っていった。

この作業は発酵臭でつらいんだけど、

すぐ麻痺して気にならなく(気にしないように努力するように)なる。

 

塗り方のコツがわかると

どんどん塗りたくなる。

おもしろくなる。

人によっては、自分は左官屋さんになれるかも、、と勘違いする。

 

子どもも悪さをしてる感じで、作業としてはいい加減だけど楽しくやっていた。

 

みんなが楽しんでくれることが大事。

そう思っていた。

大人も子どもも悪さしてる。

こんな光景が、まさに、望みどおり。

 

9月の土日はキャンプ場通い。

私たちは当然だけど、

仲間もたくさん協力してくれた。

忙しい上司も1時間だけの時間限定で手伝いに来てくれた。

(往復の時間のほうが時間を要していたかもしれないのに、感謝)

 

ワタシの父も母も

皆さんにと差し入れ持って来てくれた。

出来ることを少しでもと、作業に加わってくれた。

うれしかった。

教会立てて結婚式なんて、はじめに話したときはびっくりしただろうに。

私達のわがままを受け入れてくれた。

アリガト。

 

こんな風に

泥壁の教会が形になっていった。

でも途中、

涙ながらに彼に訴えたことがあった。

あの時は

とても大切な分岐点だったし、

あの時のキモチを言葉にすることで

ワタシはとても大切なことがわかった。

 

                                                   つづく (sweet 9へ)


sweet 7

2009-09-15 | sweet 10

8月はまだまだ、

決めないといけないことがたくさんあった。

 

結婚式の衣装といえば? 

ウェディングドレス。

でも

個人的には着なくても良かった。

 

礼儀を踏まえていることが大事で

そのための服装がウェディングドレスとは限らないと思ってたから。

ただ、

出席してくれる子ども達に多少なりとも夢が与えられたら、と考えていた。

だから、わかりやすく、ドレスを選んだ。

 

高価なものでも、ステキなデザインのものでもなく、

ワタシの基準は

野外で歩き回れるかどうかってことだった。

それで、シンプルなものであればワタシは十分満足。

 

汚れにくいデザインか。

多少汚れるとしても貸してもらえるかどうか。

ドレスだけは商業ベースに乗っかるしかなかった。

一瞬自分で作ることも考えたけど、当然時間に余裕はまったくない。

もとより、それだけの技術もないか。。。

 

私たちの思いを受け止めてくださってたのか、

ブライダルのそのお店の担当者は、私たちに必要最小限でかかわってくださった。

そして、新郎新婦の衣装だけを借りることになった。

 

のちに、

その担当者の方が

私たちの結婚式の前日、現地まで

衣装を届けてくださいました。

そのときに

教会へと続くバージンロードを

無償で貸してくださいました。

(手に入らなくて困っていたところでしたので、本当に助かりました。)

 

そして、

教会を見て、

とても驚いた様子で、

後日

その店のラジオ番組で“印象に残る結婚式”として紹介されていたようです。。

たった衣装借りただけだったのに、

プロの印象に残るって、

私たち何者?

 

                                つづく (sweet 8へ)

 


sweet 6

2009-09-14 | sweet 10

8月にはいると

泥をねかせる行程になるので

とりあえず作業はひと段落。

 

その代わり、

招待状や式の段取りなどの

比較的一般的な作業に追われていた時期。

 

私たちの結婚式は

まず、

義理やタテマエでなくほんとに出席してほしい人だけに招待状を出すようにした。

 

しかも

内容に、

キャンプ場での人前結婚式、披露宴であることと、案内図。

希望されれば、そのまま夜にはキャンプを楽しめることを記した。

キャンプ不慣れな方にはサポートする旨を記した。

また、一番のお楽しみ(?)、

9月に入ってから予定している

教会作り(おもに泥壁塗り)に参加してもらえる人がいるかも問う内容にしていた。

 

教会作りはもちろんキャンプ場現地つまり横田町で行われるため、

私達の住む松江から、車でも1時間半はかかる。

 

でもそんな中、皆さん

都合をつけて教会作りにかかわってくれる旨を返信していただいた。

ありがたい。

 

返信ハガキを集計すると

式、披露宴には親族も含め100人程度の出席が見込まれた。

ただ、私たちは、

教会建設期間中に偶然キャンプ場でキャンプしていた人が

なんかの拍子で泥塗りを手伝ってくれた場合、

見ず知らずの人であっても

招待状を出そうと思っていたので、

実のところ結婚式間近にならないとはっきり人数がわからない状態だった。

 

100人を見込んで準備を進めた。

料理関係も100人分と料理長に報告した。

また、引き出物というには大げさだが、お土産の品も100人分注文した。

実は、

野外での食事といえば、

紙コップや紙皿での簡易なものが定番。

でも、紙コップでは乾杯も寂しいし、

紙皿では、どこへ飛んでくやら。。。

 

で、

コップは本物のコップを準備したいと思ったし

お皿も陶器のものをと思った。

そんなことを考えてたら、

ふと、ひらめいた。

横田町の手作りガラス工房のびいどろギヤマンさんに、

コップを作ってもらったらどうかと。

すぐさま、

形や色、模様を替えて100個特別注文した。

そして

 お皿は自然な風合いのもので決して値段は自慢できるものではないが

その後も使ってもらえそうなものを松江で見つけ、100枚注文した。

 

…結局、最終的に人数は120人にもなり、

コップもお皿も急に追加注文したりしてあわてたのだが…

 

披露宴のあと、

コップとお皿を持ち帰ってもらえるように

びいどろギヤマンさんが

ご好意で

オリジナルのかわいい手提げまで準備してくださった。

ラッキーでした。 

 

8月は

ほんとにいろいろ忙しかった。

新居を決めたりもしたし、

でも、新郎は

いろんな活動で、キャンプ続き。

相談したくても連絡できず。

ひとりで、何かと決めたりしていました。

 

                              つづく (sweet 7へ)