雑記録X

備忘録

ブレーキ痕の状況まとめ

2010-08-29 22:24:39 | 雑記録

ブレーキ痕の状況まとめ

先の記事は、書いているうちに激高して冷静さを欠いていた部分があった(苦笑)少しアタマを冷やし冷静にまとめてみよう。

県警主張にいちいち反論してみる
今まで書いてきた反論点を表にまとめてみた。証拠とされたブレーキ痕が付くはずがないことが分かるだろう。
項目 県警の主張 反論の内容
ブレーキ痕の由来 バスが急ブレーキをかけて車輪がロックしてできたもの バスのABSが作動するため証拠写真のようなブレーキ痕は付かない。同じ条件でバスのABSの作動が再現する。
ABSの作動 バスのABSは低速で車輪速の落ち込みの差が開かず車輪がロックすることがあり得る(供述調書) 仕様上、バスのABSは5km/h以下に減速されるまで作動し続ける。
車輪速の検出感度についてはウソだろう。もし、検出感度の問題だとすれば、白バイの挟み込みに関係なく車輪がロックするはずだ。
バスは20~30km/h以下ではABSの作動確認ができないことになっている(供述調書) 20~30km/hはABSが確実に作動する速度域で点検するための推奨速度。ABSの作動速度自体を点検するものではない。
10km/h前後の速度ではABS装置車でもロックすることがありえる(供述調書) 10km/h前後の速度はABSが作動する速度レンジ。車速が5km/h以下になるまでABSが作動し、停止直前までロックしない。
仮に10km/hでロックしてもブレーキ痕は0.5m程度。白バイを挟み込んで1.0~1.2mのブレーキ痕は物理的に不可能。
検証は白バイを挟み込んでいないためABSの作動条件が異なる 供述調書にも書いているが、ABSは車速と車輪速との関係で作動する。県警の逃げ口上は供述調書の内容を否定している。
車体に白バイを挟み込んでもABSの作動に影響を与えない。
白バイの挟み込みでABSがカットされるというのは技術的な根拠が皆無。
バスの速度 5~10km/h(地裁判決文) 白バイの引きずり抵抗を考慮すれば、誤差を見込んでも10km/h時のブレーキ痕は0.5m程度。
裁判官が5~10km/hと認定した根拠が無い。
10km/h前後の速度(供述調書) バスが10km/hに達していなければ、ABSが作動しないが1mの連続ブレーキ痕も付かない速度。
10~20km/h(高知地裁公判の提出証拠) ABSが間違いなく作動する速度域であり、フルロックしたブレーキ痕は付かない。
1.0~1.2mのブレーキ痕は13~14km/hの速度に相当する。さらに、白バイを挟み込みんでバスの進路が変わるほどの抵抗を受けたとすれば、初速は20km/h近くだったことになる。わずか6.2mの加速で20km/hに達するのはバスにすると不自然な急加速。
ブレーキ痕の長さ バスの車輪がロックしたまま1.0~1.2m前進 ABSが効く速度域であり、ブレーキ痕が付くならABS制御によって分断された形になる。また、ABSの効き始めのハーフロックで薄く印象され、停止地点で10~20cm程度の長さでやや濃く印象される。
後輪ブレーキ痕 急制動した場合は荷重が前にかかり、前輪のスリップ痕がつくことはよくある(M技官の証言) 荷重がかかると摩擦力が大きくなる。ABSが作動すれば前後輪どちらかにブレーキ痕が偏ることはない。ABSが作動しなかった場合、荷重が抜ける後輪が早期ロックしやすい。ABS車で前輪だけロックするのはあり得ない状況(繰舵機能を失うため)。
後輪軸重が重いバスでは後輪制動力の依存度が高い。論理的には後輪に濃いブレーキ痕が付くのが自然。
荷重がかかったら滑るというのは物理的な原理に反する。M技官の偽証。
溝なしブレーキ痕 (説明ないが言いそうな逃げ口上)→車輪ロックしながら右に旋回したから溝なしになった 白バイの抵抗で右に旋回したとしても、緩い曲率であり溝が印象されるはず。特に止まる寸前の停止地点のブレーキ痕は旋回が無視できる。

こう並べてみると、県警は白バイを引きずった影響を都合のいいところだけ主張しておきながら、証拠への影響を無視していることがわかる。

10km/h制動の逃げ口を塞ぐことが重要
わずかな速度の違いでも、ABSが効くか効かないかでブレーキ痕の付き方が大違いになる。県警はABSが作動しない10km/hギリギリの所だったと主張してくるはず。というか、そこしか逃げ道がないのだ。そこの逃げ道をキッチリ塞ぐことを考えておくべきだろう。

前に書いているが、ABSが作動域に入る直前ギリギリの10km/hでロックしても、せいぜい0.5m程度のブレーキ痕しか付かず、白バイを引きずった状況で20km/hに相当する1.0~1.2mのブレーキ痕は物理的に不可能なのである。

これは論より証拠。バスのABS用サブヒューズを抜き、ABSをカットした状態で10km/h制動を見せればケリが付けられるだろう。裁判所が実機検証を認めればの話だが。

白バイを引きずった影響の評価
白バイを巻き込もうが巻き込むまいが、ABSの作動と車輪速の関係に影響を与えない。むしろ白バイを引きずった影響を考慮するとすれば、普通より大きな減速Gが生じることで、バスの初速が高く見積もられることになる。県警の主張にはマイナスの影響しか出ない訳だから、白バイを引きずった影響を大いに主張すべきだろう。

これ以上詳しく書くと県警が事前対策を講じる恐れがある。ほどほどにして肝心な所は伏せておく。隠し球は出さないから面白くなるのだ。



最新の画像もっと見る