5/30の高知新聞朝刊のコラム「話題」に高知県警の新人採用に関する内容が掲載されていたのでご紹介。
少々長くなるけど全文を転載する。
以下転載
若い女性警察官と小さな子供が笑顔で向き合い。何やら話している。「ぼくもおまわりさんになる!」「うん。まっているよ」 県警の警察官採用試験の宣伝ポスター。 モデルの女性警察官は穏やかな表情をたたえているが、採用担当者の心中はここ数年、穏やかとは言えないようだ。
試験の競争倍率が低下していいる。加えて、一線署(原文まま)に出る前の教養機関である警察学校で辞める巡査が毎年後を絶たない、入学直前に辞めた人もいたという。警察の仕事を最初からあまり好きではなかったのか、あるいは、なりたくてなった仕事なのに仕事への考え方が甘かったのか。いずれにせよ。採用した側も、された側も不幸である。 組織内からは「(採用時の)の見る目がない」という声も聞かれる。
警察官の採用試験は1次で筆記や小論文、体力試験などが課せられる。成績は機械的に点数化され、そこには「生の目」が入る余地がない。人材を見極めるチャンスは2次試験の面接だ。
私はこの面接試験について昇任試験と同様、県警の幹部だけで行っていると思っていたが、違った。面接官の半数は県人事委員会の担当者。そもそも採用試験の実施主体は人事委で、県警はそのお手伝いをしているに過ぎない。
若手が次々と辞めている現状などを考えれば、試験の在り方を見直してはいい時期に来ているのではないか面接回数を増やす、県警幹部だけで面接する、若手を面接官に入れる、いっそのこと採用試験を県警が取り仕切る・・・。合格すれば40年近く高知の治安を担う人材の採用。現状を嘆く前にあれこれアイデアを出してみればどうか。
(竹内誠)
以上
他県の警察の応募状況がどうなっているのかわからないが、「競争倍率が低下」と文中にあるから高知県警採用試験への応募数は減少しているようだ。
私の記憶では、この応募者減は2008年度から始まっている。対応策として、それまで高知だけだった採用試験会場を大阪にも設けたが、効果はでなかったようだ。
この時期は、偶然にも高知白バイ事件がネットを中心にメジャーになった時期と一致する。「きっこのブログ」に事件が取り上げられ、テレ朝で全国放送されたのが07年11月~12月。この頃、一時的だが「高知県警」とヤフーで検索を掛けると 「高知白バイ事件」が県警HPの上位になったこともあった。
私が何を言わんとしているのか、お気づきの方もいるだろうが、もう少しお付き合いをお願いする。
コラムは新採者が警察学校を中退したり、在校中に犯罪を行い懲戒免職になったり、若手が辞めていく原因について、組織内では「(採用時の)見る目がない」とする声もあるとし、また、コラムでは採用試験は県警が行うのでなく、人事委が行う事を説明している。つまり、警察組織内では、早期退職者や犯罪の発生は「人事委の採用時の見る目がないからだ」という声があることになる・・ヨネ?
高知県警採用試験の応募者減や採用後の早期退職に対応するために、試験制度を変えてみたらどうだろうかと、コラムの筆者は提案する。 警察幹部だけで面接し、犯罪捜査で鍛えた目で観察すれば「こいつは言いなりになる」とか「こいつは使いにくいな」とかわかるかもしれないから、早期退職者は減るだろう。しかし、応募者減は改善されないだろう。
高知県で警官になりたい人を増やすなら、高知白バイ事件を解決することが一番効果がある。県警担当者は、高知白バイ再審請求が却下されたら、県警の信用が回復され、採用応募者が増えるとでも考えているかもしれないが、それは間違い。私はそうは思わない。さらに応募者は減少するろう。、
「片岡晴彦さんには大変申し訳ないことをした。深くお詫びする。今後、高知県警は証拠をねつ造、或いは隠蔽の指示をしたり、裁判において、警官に偽証させるようなことは2度といたしません。このような事態が生じだ原因を追究し、問題点をあきらかにするとともに、今後は失墜した信用と信頼を取り戻すべく、誠心誠意 高知県民の安全を守ることに専念いたします」
と言った内容で潔く謝罪し関係者を処分すれば、非を認めた高知県警は信頼を回復し、高知県警警察官として高知の治安を守りたいという若者も増えてくるだろう。高知県警と高知の治安の将来を考えれば、県警が支払う代償も惜しくはないはずだが、白バイ事件関係者は県警の将来ナンテものは考えてもいない。
警官を志望する若者に「明日は我が身か」、と上司の指示命令に不安がある間は応募者は増えない。応募してきても、公務員になるだけが目的なのか、自分が就職しようという職業・職場のリサーチさえ満足にしてないし、情報の分析もできない人の割合が他の県警の応募者に比して多くなる可能性は否定できない。結果として、自分との想定のギャップを感じてやめていくことになる。
もちろん、すべての応募者がそうとは考えてもいない。高知を愛し、その治安を守り、高知の役に立ちたいと思い高知県県警に応募してくる若者が多数だろう。そういう若者が失望しない県警を目指すべきだ。そういう若者が増えて警察幹部になっていくなら、高知白バイ事件みたいな組織的犯罪事件は起きはしない。
lm767
蛇足 筆者の竹内誠氏は高知県警裏金問題追及では準エースといわれた記者。
5/31 0:45
下2段「警官を志望する~犯罪事件は起きはしない」までを追記