高知白バイ事件の再審請求に対する高知地検の意見書(11年3月31日付)が支援する会HPに公開された。
→
高知白バイ事件資料室地検の意見書を読んでみたが、予想された内容が繰り返されている。判決文に書かれたことを繰り返すような内容がほとんどであり「判決が確定しているだろ。いまさら何を言ってんだ」という姿勢で貫かれている。事件の加害者とされる片岡さんが冤罪を訴えて再審を請求しているのだが、高知地検の態度は冤罪の訴えても聞く耳を一切持たずに足げにするような態度だといえる。
●脱帽ものの印象操作術地検の反論内容を一言で言うと「安易なコピペ」。コピペとはパソコン操作で言う「コピー&ペースト」を短縮した言葉。すなわち、どかかであった内容をコピーしてきて貼り付けたような安易な内容という意味である。また、高校物理を習ってないのですか?と言いたい部分さえある。
しかし、地検の反論がデタラメであっても、根拠のない憶測であっても、屁理屈であっても、いかにも相手の主張が事実無根であるかのように思わせる技術には脱帽もので見事としか言いようがない。
事実を見抜く洞察力はさておき、検察官のディベート力と曲解力だけは民間人の追従を許さないものがある。
●真剣に検討した形跡がない反論書地検の反論を読んで気になるのが、真剣に訴えを検討したことを伺わせる内容がない事だ。技術的・物理的考察の底が浅く、専門家のアドバイスを受けた形跡が見られない。物理的に説明がつかない都合の悪い部分は、さらりと反論を避けて底の浅い一般論を振り回している。そのくせ、再審請求書に書かれている一般論を叩いていたりしているようだ(笑)
地検の反論は、判決文の繰り返しばかりで何も新味がなかったのではない。新説というより借り物の珍説奇説といえる内容だ。業界雑誌に書かかれていた御用鑑定士の奇説を引っ張り出しているし、
あのネット上の珍説「横滑り」まで持ち出してきた。あまりの節操のなさに思わず失笑である。
検察官はもう少し真剣に仕事する職業と誤解していたようだ。検察側が業界雑誌の記事を引っ張り出すなら、週刊ポストの記事でも引き合いに出せばいい。まあ、そこまでレベルの低い事をする訳にはいかないのだろうが(笑)
●身内を贔屓するため真実の追求を放棄した検察地検の反論は、警察の証拠は一点の曇りもなく100%事実であり、実際にバスを走行させて検証する必要はないというのが要旨である。つまり、証拠が示す状態が論理的に不整合であっても、そこで立ち止まって事実を追求すべく検討した形跡はない。
検察側は「県警無罪」という目標を設定し、それを実現すべく適当なゴタクを並べているのである。検察に期待されるのは事実を検証しながら積み上げて結論を導き出す手法である。いまの検察のやりクチでは、冤罪を作り出す危うさがあるだけでなく、真実を追求する姿勢が全くないのが問題なのだ。
その実例が郵政不正でっち上げ事件であり、大阪地検特捜部の元検事である前田被告(もう受刑者か?)のように、一歩間違えれば検察官の犯罪になりかねない危うさを含む。まあ、検察も「鉄のカーテン」の組織だから内部で不正事実があっても隠蔽できるため、前田元検事のように手口が発覚しない場合がほとんどだ。これが逆に次々と冤罪を生み出す温床になっているのではないか。
冤罪を訴えた事件の再審請求事件に、冤罪を作り出しかねないやりクチで応えるとは検察は本当にどうかしている。いいかげんに国民が期待する検察に改革してもらわないと困るのだが、理想にはほど遠い現状がよくわかる。
●無責任な検察・警察を補佐する「御用○○」の存在検察が無実の人を有罪にして刑務所に送り込んでも一切反省しないことに対しても批判されてきた。足利事件で無実の菅家さんを刑務所に送って真犯人を逃がした森川大司元検事は責任を取っていないし、冤罪被害者の菅家さんに対して謝罪すらしていない。足利事件、富山痴漢冤罪事件、鹿児島志布志事件全て同様である。
様々な事件で、多くの場合検事の目標を達成するために補佐するキーマンが存在する。彼らは検察・警察の身内ではないため、一見するとリッパな肩書きを持った第三者的な印象を与えるが、どうしてどうして、この連中は権力組織に都合がよい結論を提供する印象操作要員で、連中の肩書きの前に「御用○○」という接頭句を付けるとよくなじむ。
足利事件では冤罪検事森川大司の「目標結論」を補佐したキーマンが存在していた。被告に対して「代償性小児性愛者である」と事実無根の鑑定した自称「犯罪精神医学者」の福島章である。冤罪検事森川大司は、この御用精神医学者、福島章によるでっち上げ鑑定を利用し、無実の菅家さんを17年間も刑務所に送ったが森川大司や福島章らは謝罪すらしていない。
「御用○○」は検察の都合のいいように鑑定して採用されたらネームバリューが上がるし、間違っても責任は追及されないし、立場は安泰だからこんなにオイシイ話はない。今回の事件においても御用鑑定士の影がチラホラ見えているのだが(笑)、再審が実現すればこの御用鑑定士が登場するのは確実だろう。
●ネガを提出するというが検察側の主戦場は屁理屈をならべる机上論であり、現場現実を知られると都合が悪いらしい。検察側は必死で検証試験を拒んでいる。その一方で「ネガ、未提出の証拠の提出は『しかるべき』」と書かれているのには「オ~!」とどよめいてもいいだろう。証拠偽造に関する不起訴処分について、高知検察審査会が不起訴処分不当の議決(09年1月29日)を出したことに対する配慮からだろうか?
→
高知検察審査会 「議決文」全文l
「しかるべき」という日本語は「適当な。ふさわしい。」という意味が一般的だが、法律界用語では「当然そうする」のような意味に使われるらしい。どうも法律業界の用語はよくわかからん(苦笑)
ネガを出すにしても、専門家による分析が必要になるが、持ち出しができるのだろうか。
ネガは見ていいが持ち出し禁止ならネガ提示の意味がなくなる。ネガそのものを詳細に分析したり、プリントして検証するなどをしなければ結論を出すことは難しい。検察側はネガの内容そのものに自信があるのか、それとも工作を完璧に済ました自信からなのか?いずれにせよ、オリジナルがなければネガフィルム単独で、ねつ造の立証は困難を極めると思われる。そこをどうするのか、詳しい情報が出てくるのを期待したい。
次回は検察反論書の中身に突っ込んで分析してみる。
ゲスト
藤田幸久(民主党参議院議員)
天木直人(元駐レバノン特命全権大使)
朴 一(大阪市立大学大学院教授)
須田慎一郎(ジャーナリスト)
ベンジャミン・フルフォード(ジャーナリスト)
2009年6月14日放送 この投稿の続きを読む »
第1弾に続く、「思いやり予算と安全保障神話」第2弾です。全く報道されませんが、今年の3月末に思いやり予算の期限が切れます。これもガソリン税と同様、暫定措置なのです。軍事評論家の田岡俊次氏が思いやり予算の実体、安保神話の実体を語ります。後半は、補助金を受けている企業が自民党閣僚に献金をしている問題に移ります。 (2008年1月19日 朝日ニュースター 「パックインジャーナル」) この投稿の続きを読む »
基地の“代償”として国から自治体に交付される補助金。在日アメリカ軍の再編計画で決まった空母艦載機の移転を拒否する岩国市に対して、国は今年度の補助金35億円を凍結した。その予算措置をめぐって追い込まれた市では、10日、市長選が行われた。その結果、空母艦載機の受け入れ容認の姿勢を示した候補が僅差で当選、しかし市民の間にできた溝は深まっている。
沖縄でも、これまで再編計画に反対していた自治体が、一転して受け入れを表明する事態が相次いでいる。関係者のメモや証言から、国が、補助金という”アメとムチ”を背景に、地元への説得工作を続けていたことが明らかになった。基地と補助金をめぐって、国と自治体の間で、いま何が起きているのか。各地の混乱と、攻防の舞台裏に迫る。スタジオゲスト:新藤宗幸さん(千葉大学法経学部教授)【2008年2月13日 NHK クローズアップ現代 NO.2536】 この投稿の続きを読む »
第3回 放送禁止3「ストーカー地獄編」 2004年3月27日
2003年3月、とあるフリージャーナリストからの紹介で、ストーカー被害に遭っている一人の女性の取材が行なわれた。しかし、取材中に起こったある出来事のため、放送テープはお蔵入り。
それを再編集し関係者の承諾を得て放送に踏み切ったのが今回の番組であるが、その取材中に起こった事件とは?