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クロウの旅行記番外編<奥鬼怒慕情編3>

2007-01-21 01:52:54 | Weblog
続きです。


目指すべき温泉に入る事が叶わなかった僕。

しょうがないとは言いながらも

さすがにこのまま帰るわけにはいきません。


4時間かけて来といて、雪掻きだけして帰るわけにはいきません。


とりあえず、

どこでもいいから温泉には入りたいのです。


雪掻きしたんで、手がかじかんでるしね!


早速、今来た道を引き返す事にしました。


途中、おっさん天使の乗る除雪車とすれ違いました。

僕は軽く会釈をしました。

おっさん天使は少し怪訝そうな顔をしておりました。


そりゃ、そうです。


さっきまであんなに頑張って先に進もうとしてた人間が

あっという間に引き返して来たわけですから。


ただ、さすがにそこはおっさん天使。

傷ついた僕の心を察したかのように


「何があったか知らねえが・・・ あんちゃんにはあんちゃんの事情ってやつがある。 フッ。   聞くだけ野暮ってもんさ。」


と言ってる感じのニュアンスで

右手をひょいと挙げ、去って行きました。


おっさん天使が除雪してくれたおかげで

その先の道も随分楽に進む事が出来ました。


さよなら、おっさん天使!

そして・・・

ありがとう、おっさん天使!



再び僕が立ち止まってしまうような事があったら


その時はまた・・・


僕の前に現れてね!


そしてまた・・・


背中を押してね!



バックミラー越しのおっさん天使は徐々に小さくなり、

やがて視界から消えて行きました。

おそらく天界へと戻っていったのでしょう。


そんなおっさん天使との切ない別れの後、

すぐに新たな出会いが訪れました。


サルです!(やっと出てきた)


ガードレールの上にちょこんと座っておりました。


「おおっ!サルだ!」


僕は興奮していたせいか見たまんまの事を口にし、

急いで車を停め、デジカメを取り出しました。


地元の方には当たり前の光景なのかもしれないけど、

僕にとってはかなりレアな体験です。


そう。

浪川を目撃するくらいにね。


彼らにとって人間はさほど珍しくない存在なのでしょうが、

そこはさすがに野生!

ガードレールの上にいたサルは

素早く森の中へと消えて行きました。


そう。

木の上にいたあの日の浪川のように。


急いでシャッターを押したのですが

一目散に去って行った為、

物凄い引きの絵でしか押さえる事が出来ませんでした。


その結果が、例の一話目の写真です。

すごく小っちゃくしか写っておりません。


そこがやはり、サルと浪川の違いですかね。(浪川は一瞬止まってくれる)

サルよりも浪川の方が、やや人間馴れしてるといったところでしょうか。



そんな事はさておき、

問題はその後に起こった出来事です。


後方より、大きな車が近づいて来るのが見えました。


除雪車です!


おっさん天使の乗ってたのとは違う除雪車です。

おそらく民間人の方が乗っているのでしょう。


僕は急いで車に戻り、慌ててドアを閉めました。


その時!


激痛が走りました!


慌てていたせいか、

ドアを閉める時、一緒に右手も挟んでしまったのです!



右手ですよ!


僕の大事な右手ですよ!








・・・思えば

14、5の頃だっけかなぁ。

僕と右手の仲が急速に縮まったのは・・・。



あの頃から僕と右手はいつも一緒だった。


楽しい時も苦しい時も。


いつも慰めてくれた。


いつも一緒だった。


そう・・・。


右手は僕のトモダチだった。



そのトモダチに何かあったら・・・


右手に何かあったら・・・


僕は・・・


僕はもう・・・


嗚呼・・・



神よ!どうかトモダチを救い給え!




僕は・・・

おそるおそる・・・

右手を動かしてみました。



動く!



痛みは伴いましたが

どうやら折れてはいないようです。


ただ・・・

薬指の皮が・・・

1箇所ペロンとめくれてましたがね。



でも良かった!

そんな事で済んで良かった!


友よ!これからもよろしく頼むぜ!





そしてその後「四季の湯」という

写真のような素敵な露天風呂のある所に入って

無事東京に戻って来ましたとさ。

チャンチャン。


                        <完>









・・・終わった。


・・・何とか終わった。



話を完結させるのって、やはり達成感がありますね!



後半・・・


すごく・・・


はしょった感じはありますけどね!


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