はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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ギックリ腰はうつるのか

2018-01-21 09:22:36 | 鍼灸
先日、患者さんからギックリ腰になったとの連絡がありました。
連絡の前日に知り合いの方がギックリ腰になっているのを見てビックリし、自分もなったらどうしようと怖くなっていたそうです。連絡当日の朝、起きたら腰に痛みが走り、「ギックリ腰がうつったみたいです」とのこと。

ギックリ腰はうつるのか…現代医学的には考えにくいです。
東洋医学的にはどうか?
うつる、という言葉は適切ではないですが、つながりがない訳ではないと思います。

東洋医学には五行という概念があり、様々なものが5つに分類されています。
五季というカテゴリーでは季節が分類されており、「春・夏・長夏・秋・冬」の5つに分かれています。
五臓というカテゴリーでは臓器が分類されており、「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分かれています。
五季の「冬」は五臓の「腎」と深い関わりがあります。「腎」は寒さに影響を受けやすいので、身体を冷やさないように気を付ける必要があります。

また、五志というカテゴリーでは感情や性格が分類されており、「怒・喜・思・悲(憂)・恐(驚)」の5つに分かれています。
五蔵の「腎」は五志の「恐(驚)」と深い関わりがあります。

そして、臓器と身体の各部位も深い関わりがあります。「腰」は「腎」と関係があります。


この患者さんの場合、数十年前に1ヶ月以上身動きが取れないほどのひどいギックリ腰になった経験をされています。
その出来事の印象が未だ強いことを踏まえた上で、今回のギックリ腰について考えてみると、
・「腎」に影響の出やすい「冬」であること
・知り合いがギックリ腰になったのを見て“驚いた”こと
・自分もギックリ腰になったらどうしようと“怖く”なったこと

以上のことが重なり、ギックリ腰が発生しやすい状況になったのではないかと思われます。
「冬」という季節の影響だけではなく、心の状態も身体に影響すると東洋医学では考えます。


現在、患者さんの症状は回復に向かっています。
一度強烈な痛み感じると、脳はしっかり記憶します。
またギックリ腰になったらどうしようという思いは出来る限り振り払ってもらい、再発防止のお役に立てたらと思います。
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