はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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テレビを見て2

2014-10-30 08:44:56 | 鍼灸
先日、テレビ番組に畑美奈栄先生が出演されていました。

畑先生は東洋鍼灸専門学校の大先輩。現在75歳です。
ネパールで東洋医術(はり、きゅう、按摩マッサージ指圧)の技術者養成と普及、無料巡回治療(ヘルスキャンプ)など数々の活動をされています。

在学中私は東鍼祭(東洋鍼灸専門学校の学園祭)でネパール棒灸実演の担当だったこともあり、畑先生にお会いする機会がありました。
小柄なのにパワフル、明るい笑顔とさっぱりした語り口が特に魅力的で、2回お会いしただけなのに今でも当時の記憶が鮮明にあります。

テレビ番組内で紹介されていた数々のエピソード。
波乱万丈とはよく耳にしますが、本当にその言葉通りの人生を歩まれてきたのだと感じました。

ご自身に起こった様々な出来事を乗り越えられた後、ご自分へのご褒美として旅行したネパールで、鍼灸師を目指すきっかけとなる出来事があったそうです。
それは、トレッキング中に病院も薬もない山村を通りかかった時、病に苦しむ子供を抱えた母親に助けを求められたのに、何もできずにその場を立ち去ったこと。
手を差し伸べられなかった自分を許せなかった、と番組内でおっしゃっていました。
そして、その後しばらくしてご自身が高山病になり、たまたま同じホテルに宿泊していた日本人ご夫妻に症状を聞かれ、体をさすってもらううちに症状が改善していったこと。
薬や医療機器を使わずになぜこんなに体が楽になるのか?不思議に感じたそうです。
このご夫妻の職業は鍼灸師。
山中で出会った親子を助けられなったことをご夫妻に話したところ、
「もしそう思うのならあなた自身が鍼灸師になってネパールで鍼灸を広めればいい」
との一言が。

その一言で一念発起し、帰国後、46歳で鍼灸学校に入学し、49歳で鍼灸師の資格を取得後、再びネパールへ。
その5年後に鍼灸学校を設立。
(1人で鍼灸治療をしても知れている。1人が10人診るとしたら10人100人診れて、100人育てれば1000人診られる。というのが理由だそうです。)
58歳の時に無料巡回治療(ヘルスキャンプ)を始められ、現在も無医村や貧困層の多い地域で治療を続けられています。

畑先生にお会いした時に、日本に比べてネパールは湿度が高く、住居が土壁など湿気を含みやすい材質で建てられており、日本では見られないような重症の関節症の方が多いと聞いたことがあります。そのため鍼灸学校で学んだ技術では治せないことも多々あり、患者さんの症状や状況に応じて臨機応変に判断し、より良い治療法を編み出していくのだとおっしゃっていました。

状況に応じて判断し、最善を尽くせるように努力する。
これは鍼灸師だけではなく、すべての仕事に共通することだと思います。
実践していくためには、目の前のことにしっかり集中することと、強い意志を持つことが必要だと思いました。

自分がどうしたいのかを明確にして、その為に何をすればいいかを考え、努力を惜しまずにひたすらやり続ける。

畑先生は苦しむ親子を助けられなかった出来事を経験されて、2度と同じようなことを繰り返さないように、人の役に立てるようにと努力を重ねられてきたから、今もネパールの人々のために働き続けられているのでしょう。

私も今いるこの場所でご縁のあった患者さんに、より良い治療ができるようがんばり続けたいです!


ところで、ネパール棒灸は通常のお灸とはやり方がかなり異なります。
衣服を着たまま行うのですが、服の上にタオルを乗せて、そこに直接棒灸を当て、ミトンで熱を封じ込めるようにしていきます。
まるで温泉に入っているような心地よい温かさが魅力です。
東鍼祭で実演した時も、うとうとされる方がたくさんいました。
難点は煙が多くて、独特の匂いがあること。
通常のもぐさでも煙や匂いが苦手な方がいるので、治療に使うのは厳しいと思っていましたが、今回畑先生が代表を務めるよもぎの会のHPを見ていて煙を減らす道具があることを知りました!
久しぶりにネパール棒灸を購入して、まずは自分用に使ってみる予定です



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秋の旅

2014-10-27 23:42:38 | 日記
一泊二日の旅行に行ってきました。

1日目は掛川へ。
以前から興味があった掛川花鳥園に行ってきました

たくさんの種類の鳥たちがお出迎え。

バードショーで大活躍だった、ベンガルワシミミズクのトコちゃん
フクロウが歩く姿を初めて見ました


こちらはメンフクロウ
実はあまり可愛いとは思っていなかったのですが、実物を間近で見たらかなり可愛いことに気付きました


コールダック

膝の上に乗せて写真撮影しました。
鳥に触る機会がほとんどなく、初めてじっくり触りました。子供の頃からアヒルは大好きなので、かなりテンションが上がりました
あまりにふわふわで、しかも柔らかいのにびっくり!
クチバシの辺りが微かに震えているのが気になったので飼育員の方に質問したところ、首を動かす筋肉と連動している関係で震えているそうです。
怖いわけではなかったようで、安心しました

掛川を後にして、湯河原の宿に移動。
クラシックな雰囲気のお部屋。とても居心地が良くてゆったり過ごせました。

窓の外の風景。少しずつ紅葉が始まっています。

温泉の泉質も素晴らしく、おかげでぐっすり眠れました

2日目、おいしい朝食を頂いて、宿を後に。
まずは箱根湿生花園へ向かいました。

こちらでは鮮やかな紅葉が楽しめました。

次に向かったのは、仙石原。

こんなにたくさんのすすきを見たのは初めてです。圧巻でした!

すすきを見て駐車場まで歩いて戻る途中、1匹の猫に遭遇。


逃げようとしなかったのでしばらく様子を伺っていたら、後ろから他の猫たちが続々登場
計4匹の猫たちが寄ってきてくれました。
甘えん坊の子もいたので、久々に猫に触れたのですっかり癒されました


あっという間の2日間。遊び疲れもしましたが、とにかく楽しくてしっかり充電できて良かったです



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ツクバネ

2014-10-24 22:05:18 | 日記
近所の花屋kukkaさんで、またも一目惚れをして購入してきました

ツクバネという名前です。




花市場でもなかなか見かけないそうです。

羽子板でつく羽根に似た果実ができるので、ツクバネ(衝羽根)との名前が付いたようですね。

4枚の羽根のように見えるのは、苞(ほう…つぼみを包んでいた葉)。
実は煎って食べたり、塩漬けにして料理のつまに利用するそうです。

羽根の部分がなんともかわいらしく、枝が白っぽくてとても上品なので、実が自然に落ちた後も長く楽しめます
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ネストテーブル

2014-10-17 21:55:29 | 日記
待合室のテーブルを新しくしました!

国立の古道具屋 LET'EM INで見つけたネストテーブルです。
ネストテーブルの意味を購入するまで知らなかったのですが、入れ子式で客数に応じて使い分けるティーテーブルのことだそうです。




少しずらすとこんな感じ。


待合室は治療後に患者さんにお茶を飲んでいただくスペースでもあります。
今までのテーブルはサイズが小さく、2人以上で来院された時に手狭でしたが、これでよりゆったり過ごしていただけるようになったかな?と思います。


今活けてある花です。大きなケイトウがインパクトあります!



夏場に比べて随分お花が長持ちするようになったので、このケイトウも1週間経ちましたが色あせずにきれいです
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お灸の注意点

2014-10-12 11:15:00 | 鍼灸
台風が来る度に段々寒くなってきましたね
こういう季節には自宅でのお灸を患者さんにお勧めする機会が増えますが、その際に注意事項をお伝えしています。

先日このブログでも自宅でのお灸について書いたのですが、注意点についてお伝えしていないのに気付きました

お灸はとても気持ちの良いものです。
最近は台座の付いたお灸が実店舗でもネットショップでも購入可能で、気軽にお灸できるようになりましたが、火を扱う、ということを意識する必要があります。

以前、友人が自宅でお灸をしていた時、フリースの袖口が気付かないうちにお灸に当たって溶けていたことがあったそうです
化学繊維は熱に弱く溶けやすいので、長袖や、重ね着をするこれからの季節は特にご注意ください。

また、台座の付いたお灸は直接肌に触れないのでやけどすることはほとんどないとされていますが、体質によっては水ぶくれになったり茶色く着色してしまったりします。
冷えなどに効果のある三陰交というツボの辺りの皮膚は白くて薄い部分なので、水ぶくれや着色が起こりやすい可能性があります。
比較的丈夫な、足三里(足のすねの部分にあるツボ)辺りで試されるといいかもしれません。

治療していても時々自宅でのお灸によるやけどの痕を見かけるので、どうぞご注意くださいね
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皆既月食

2014-10-08 22:43:37 | 日記
今日の夕方、2歳の男の子が治療を受けに来てくれました。
いつも元気いっぱいに玄関から入ってきて、いろいろとおしゃべりしてくれます
「お月さんなくなっちゃった」
入ってくるなり聞いた言葉。すぐには意味が分からなくてぽかんとしたのですが、皆既月食が見られる日だったことを思い出しました!
昼過ぎまでは覚えていたのにすっかり忘れていたので、この小さな患者さんの一言に感謝です

男の子が帰った後に外に出て月を見たのですが、8割ほど欠けている状態でした。
普段の月の欠けかたとは異なり、月の下側がなくなってました。
でも、よく見るとうっすらと欠けた部分が赤っぽく見えます。不思議です。

最後の患者さんが帰られた後にもう一度見に行ってみたら、ほぼ満月に戻っていました。
あっという間の天体ショーでしたね。

次は半年後に見られるそうです


写真はレモンラナンキュラという種類のバラです。



今日の満月のように優しい暖かみのある黄色が素敵です。

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抜歯のタイミング

2014-10-02 20:30:58 | 鍼灸
ずっと通ってくださっている、女性の患者さんのお話です。


調子が良くない時はもちろん、メンテナスとしても月に1,2回通って頂いていて、今回来院された時も特別辛い症状はないけれど、とのことでした。

いつも通りに脈診・腹診・舌診をしたところ、普段と違う状態になっています。

いつもと違うサインが出ている場合、自覚のあるなしに関わらず、必ず体調が変化するきっかけがあったはずと考えます。
最近特に何も変わったことはないとおっしゃっていましたが、治療を始めてしばらくすると、
「そういえば2週間ほど前に親知らずを抜歯をしました」との言葉が!
詳しく伺うと、その時生理中だったことも判明しました。


女性の体にとって毎月の生理はとても大切です。
生理中は体外に血液が排出されますが、東洋医学的には血とともに体内の熱が出ていくとも考えることから、
特に体が冷えやすい時期と解釈されます。

また、この方は仕事柄、常に目を酷使しています。
東洋医学的には、目を使い過ぎると目を栄養している血を使いすぎて、血の量が減っている・血の栄養分が薄くなっている状態と考えます。

つまり、この時の患者さんの状態は、
生理や目の使い過ぎで血の量が減って身体が冷えているところへ、抜歯によって更に血が少なくなってしまったということ。
もちろんそのような状態から2週間経っているので、ある程度血の状態は改善しているにせよ、まだまだ回復してはいなかったのだと思います。

なので、血が元気になるように、気血のめぐりが良くなるように、鍼とお灸をしました。

鍼灸治療というと、痛みをとることが主なものだと考えている患者さんも多いのですが、実は、こういった女性ならではの症状にも対応できます。


先日、その患者さんが2度目の抜歯の後に来院されました。
脈診・腹診はいつも通り、舌診は多少疲れのサインが出ていましたが、前回のように気になるほどではありませんでした。
今回も前回と同じように鍼とお灸をしましたが、短期間に2回抜歯が続いていることも考慮して、いつもよりお灸を多めにすえました(東洋医学では鍼は気の調整を、お灸は血の調整をするという考えもあります)。

治療後はすっきりしたとおっしゃってくださいました


これから抜歯を受ける方、タイミングには気を付けてくださいね。




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