手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

縦割り行政の弊害

2016-08-07 10:44:55 | 手話
不幸せ=府市合わせ
この言葉、みなさんご存知だろう。
大阪府と大阪市は仲が悪く、二重行政になっていて、いろいろ問題がある。
大阪市内に同じ用途、同じ目的で建設された施設が2つあったりする。
大阪府の施設と、大阪市の施設。
まったくもって、無駄な話。

こういう縦割り行政の弊害は、大阪だけではない。各地にある。
当然、わしらの地元にもある。

俺は市内の外れに住んでいるため、隣町まで徒歩で行くことができる。
20年前、隣町のろう者と知り合った。

「たいしさん、家、すぐ近くなのに、通訳には来てもらえないんだよね?」
その通り。縦割り行政の弊害や。公的通訳はできない。けど、個人的に言ってくれれば、お手伝いするで。
「ありがとう」

わしらの地域のように、市町村が独自に手話通訳者への資格認定を行っている地域は、県の手話通訳者派遣制度とは別に、独立した制度として運用されている。
こういう独自制度を持っていない市町村は、県の資格(認定)を取得した手話通訳者が活動する。ただし、原則として、派遣される手話通訳者は当該市町村に居住する通訳者である。

上記のやりとりの後、県ろう協に電話して、
隣町での公的手話通訳活動を認めて欲しい。
と言ったところ、けんもほろろに断られた。
「駄目です。あなたは市の手話通訳者。市内だけで活動してください」
えらい冷たいやんか。あんた、ろう協職員やろ?現実に、隣町のろう者から頼まれているんや。
「駄目です。規則ですから」


あれから20年。
今はどうなっているか。
地元ろう協の努力の結果、ようやく、変わり始めた。
市内の手話通訳者がの県の登録手話通訳者になれるようになったのは、10年ぐらい前かなあ・・・
まず、県の方が少し柔軟になった。
もちろん、試験もあるし、いろいろ面倒なことがあるけど。



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