もともと、私たちは「仁」の心で生きている。
「仁」の心を生きている。
宇宙の「モノを育て慈しむ」心を生きているのだ。
その「仁」の心は、人が「自分の為」ばかり思っていると、次第に消滅してしまう。
ここが、肝心である。
「仁」の心は広く宇宙に有り、かつ自分にも有るが、自分中心の考えでは隠れてしまうのだ。
これを目覚めさせるには、天空に声を掛けるか、太陽に合掌するか、月を賛美するか、自然の懐に抱かれるか…。
そして、心の底から「ありがとう」と思う事だ。
「親に篤ければ、則ち民仁に興る」
自分に人を思いやり、慈しむ心が生じたら、まず自分の両親や兄弟に、その「仁」の行動を摂る事だ。
その影響を受けて、周りの人に仁愛の心を忘れず接する事だ。
私たちは他の動物と違って、モノを考え文化を持った人間として、二度と無い最愛の命を生きているのだ。
二度と無い最愛の命を生きている人間だからこそ、お互いに敬し、思いやり助け合って、仲よくしてあげないとならない。
それが、日本の伝統の心だ。
利益の辻褄が合わないからと、何十人何百人と首を切ってしまうのは、如何だろうか。
つましきを耐え、助け合って生きて来たのが、日本の伝統ではなかったのか。