「悪いな、こんなつまらない話聞かせて。」
詩皇さんは今どんな気持ちでいるのか
このままそういう関係になっていいのか
とても悩んでいるようだった。
私の悩みより切実だったように思う。
お相手の女性が誰なのか
詩皇さんが好きだと言っていた方なのか
その辺りはあいかわらず口をわってくれない。
「好き…なんでしょ?」
「うん。」
「なら迷う事は無いよ?」
「そうなんだけどな…。」
詩 . . . 本文を読む
あれから亮さんは私を戦闘に連れ出してくれる事が増えた。
亮さんにも仲間が多く何度もご一緒していくうちに
その方々とも顔見知りになりつつあった。
皆さんとてもいい人。
スキルの高い方ばかりなのに
親しみやすく優しい人達。
友人としての亮さんは本当に素敵なのだ。
武器や戦闘について真剣に話し合っている姿は
とてもあんな事を言うような方には見えない。
このままがいい。
こういう姿の彼を私はずっと . . . 本文を読む
色々と変化のあるこの世。
昔の良い所 悪い所
今の良い所 悪い所
賛否両論あるけれど
楽しい事も嬉しい事もたくさんあるのは事実で
今を精一杯生きる事を心掛けるよう決意した。
資金もある。
知人さんも居る。
神職として日々勉強しながら
お役に立てるように動く事も出来る。
低LVさんのお手伝いを減らす事にしたのは寂しいけれど
それも時代なんだ。
求められていない援助を押し付けても虚しいだけだか . . . 本文を読む
隠れ里は高LVで賑わいを見せていた。
この世界で永遠に生きていきたい
そんな風に言う方もちらほら存在する程。
こんなに技能が増え
行ける場所もたくさんあるのに
微々たる技能しか使えない小さなこの土地の隠れ里に
何故か執着される方が多くいた。
「ありがとうございます^^」
「感謝です!」
そんななんて事のない低LVさんからのお礼の言葉。
ここに時々遊びに来ている高LVは
それだけで笑顔に . . . 本文を読む
まさか姉様に説教をくらう日が来るとは。
姉様の屋敷を後にした私はため息をつきながら一乗谷へと戻った。
私達が水神王に勝利したのは10戦目くらいだと思う。
何のまとまりも無い徒党の空気に呆れたのか
「さすがに次ラストにして下さい。」
と忍者が言ってくれたのだ。
ラスト手前の戦闘ではもう私は詠唱を待つ事を止めた。
私の中で完全に何かが壊れてしまったのだと思う。
嫌な言い方をすれば武士へのみせ . . . 本文を読む
隠れ里の試練を終え小谷へ戻った私は
怒りに満ちたきらりの話を黙って聞いていた。
色々な方が居るし
合わないと感じる方も確かに居る。
神職として詠唱を切らすのは致命的だけれど
きらりの考えは少々疑問に思う部分もあった。
「依存しているのはあなたの方なのでは?」
思わず口にする。
守ってもらえなかった。
旗折れは盾の責。
きらりの言い方はそんな風にとれた。
ヘイトがどうのこうの
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海2のボスは強い。
ヘイトが上がってしまうの覚悟で全治多めで行かなければ
術で落ちてしまう。
党員を見て少々気合が入る。
術軽減も地勢を下げる傾奇も居ない。
沈黙要員も居ない。
盾2の回復1という徒党だ。
それでも医術である私は
その回復量を生かし
なんとしてでも勝たなければと思っていた。
詠唱役は古神だ。
全治多めで行く私にとっては
ありがたい特化。
気合も詠唱もしっかり管理してくれる . . . 本文を読む
隠れ里への開放によって姉様は時々そちらへ出向くようになった。
もう私が報告するような事も無いし
私達姉妹は自由に生きるようになっていた。
生産は進めているが
資金に苦労しなくなった姉様は
あまり私を必要としなくなった。
戦闘には昔と変わらず無関心だった。
九州へも誘われるがままなんとなく参加している程度。
姉様経由の知人と出かけたり詩皇さんのお誘いに乗るくらいだ。
正直医術という特化
薬師 . . . 本文を読む
初めて来た場所なのになんだか懐かしい。
両替前の広場では低LVさんが走り回り
昔懐かしい装備をまとった方々をあちこちで見かける。
それと同時に修行人として高LVさんが低LVさんに
赤募集を出しお声をかけている。
外へ出てみると決して広くは無い野外で
黙々と1人狩りをしている方がいたり
採集をしている姿が見られる。
時が巻き戻されたような気がした。
こんな簡素な装備を
身にまとってい . . . 本文を読む
あの府内4ノック以来
万梨阿さんと堺でお会いする事が増えた。
昔話をするような事は無かったけれど
「こんにちは^^」
と見かければよくご挨拶をしてくれた。
果鈴の知人を含め
あの時代に出逢った人の姿は無い。
でも
もしかしたら
私の知らない養子さんがこの世で動いているのではないか…。
そんな思いがよぎるようにもなっていた。
会いたい。
今ならきっと迷惑にならないようご一緒 . . . 本文を読む