売り子さんのプレッシャー

「方解石が２つですね＾＾自分現在器用はこんな感じです。」

鍛冶は器用装備に着替えると丹を使った。

入魂は運！入魂は運なんだっ！！



ドキドキしながら鍛冶を見つめる。


「はいっ！お願いしますっ！！」


私は手を合わせ祈る。

どーかせめて2回入魂いけますようにっ！！




「ではっ。いきますぞー。」

鍛冶は1度目の入魂をする。





「お。」


鍛冶はチラッと私をみると嬉しそうに頷く。


「鍛錬５！幸先いいですな！」



おおぉぉぉ！！2回確定だぁぁ！


しかもロスも無くマイナスも無く綺麗に腕力５で入っていた。




「ではっ。2度目行きますぞ。」

私は何度も頷く。



もう贅沢は言わないっ。

せめてマイナスが付きませんようにっ！！



鍛冶は深呼吸をすると2度目の入魂を始めた。


「！！！！！」


「んっ！？」

少しの沈黙の後鍛冶はニャッと私をみた。



「もう一つ入魂材持ってきてくださいなー＾＾」



これは！もしかしてっ。



鍛錬は１２だった。

すごいっ。なんて奇跡っ。


「やったぁっ！！」


私は鍛冶の手を取って何度もお礼を言う。


3回の入魂をしてもらい額あてを受け取る。


「今日は調子がいいのかも。3回いけてよかったです＾＾」

鍛冶も嬉しそうだった。


「綺麗な入魂で本当感謝ですっ！この値段で売って頂くのが申し訳ないくらいっ…。」


「こればかりはほぼ運ですからねー。毎回緊張しますよｗ」

私達は笑いあう。





付与石を取り付けてもらう時もそうだけど

自分が身に着ける装備に関わって一喜一憂してくれる売り子さんには毎回感謝してる。

プレッシャーはきっと相当なもの。

だから本当は失敗してしまってもいい。



んっ。そりゃ成功してこんな風に毎回喜べたら楽しいけど

どんな形であっても相手の事を考えて挑戦してくれる。

その気持ちだけで嬉しいっていうのが本音だったりした。