ログアウトは両替前で ーある巫女の記録ー 

信長の野望オンラインでの体験を小説風に綴っていきます。
無印からの体験です。

涼風の朱塗り弓

2017-09-28 10:14:24 | 冥神真琴
私は亮さんの屋敷に呼ばれていた。
こざっぱりとした屋敷だけれど
配置にセンスの良さを感じる。

「綺麗にされてますね。」

ふっと目に入る人形。

「いいでしょ^^」
亮さんは微笑む。


この間渡した私の人形。
屋敷のど真ん中に積み上げられた畳の上に
それは偉そうに座っている。


「こっこんな目立つ所に!?」

「まぁまぁw」

慌てる私を亮さんはなだめた。



奥へと通され私達は向かい合って座る。
どうしてこんなに緊張するのか…。
私は亮さんの目をまともに見る事が出来なかった。


「そういえばさ、武芸の子居るでしょ。」

「うん。」

お互いの養子はすでに紹介済みだ。
もちろん華鈴にも紹介した。


「何か必要な物があるようなら言ってって伝えて^^」

「うん^^ありがとう^^」

おそらく眞子は受け取らないだろう。
あの子はそういった事があまり好きでは無い子だし…。


「何か欲しい弓とかある?」

「え?私?」

「うん^^」

私は初めて亮さんから貰った弓を目の前に置く。

「これはお気に入りです^^」

「そうなの?wもっといいの渡してあげるよw」

亮さんは少し照れくさそうに笑った。


涼風の朱塗り弓。
とても良い弓だ。
ずっと欲しくて楽市で見ては諦めていた。
あの日思いがけなく彼から手渡された弓。


「もし叶うなら…」

「うん。」

「視覚効果があったらいいなって…」

贅沢かな…
贅沢だよね…。

「あ、でもこのままでも十分好きな…」

おもわず言い直す私の言葉を亮さんはさえぎるように言った。

「多分油があったと思う^^後で付けてあげるよ^^」



私は亮さんに平伏した。




良普さんからのお誘いを受け
私は彼の屋敷を後にする。


亮さんは私との約束をきちんと守ってくれている。
決して私を拉致しない。
いつでも私がどこかに出かけられるよう
自由にしてくれている。

身勝手ではないだろうか…
そんな思いに襲われる。


何かお礼がしたいけど
お金にも困っていない 行く場所にも悩みは無い
そんな彼に何をしてあげたらいいのか全くわからずにいた。


1 コメント

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無題 (真宮寺八雲)
2017-09-29 12:43:42
胸がいっぱいです。
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