「スーパーマン・リターンズ」
全てにおいてパワーアップした「1」のリメイクにして旧シリーズの続編。
どんだけ続編かというと、絶対に「2」までは観ていないと
後半の大ネタが理解できない。
どんだけリメイクかというとルーサーの悪巧みが基本的に同じアイディアで
スーパーマンは飛行機を救いロイスを救い銀行強盗を捕まえ
ロイスとの空中デートもする。
おおむね満足だけれど、ラストシーンの飛行、
カット割りも構図も日の出のタイミングもほぼ同じなのに
スーパーマンがカメラ目線で笑ってくれないのが残念!
「ポセイドン」
「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクだと思うとガックリするけれど
フツーに脱出アクションサスペンス映画として観ると十分楽しい。
津波で180度ひっくり返った豪華客船から船底(海上)をめざし
仲間を失いながら脱出をはかるという基本ラインは一緒だけれど
キャラクターやエピソードはまったくの別モノ。
95分緊張感を味わって見終わったら何も残らない造りは
娯楽作としては立派なもんだと思う。そのためにキャラクターやドラマは
かなり薄い。オリジナルとの決定的な違いはそこ。
何かありそうな匂いを漂わせつつ、結局ドラマとしては何も完結していない
というのはゲーム的でもある。主人公がギャンブラーであるというのも
象徴的。時代というか、まあ、造りとしては上手い。
あと低予算に見えるのはなぜだろう。
「オーメン」
「ポセイドン」と違い、オリジナルとまったく同じ脚本でリメイク。
いくつかの付け足しやディテールの違いはあるものの、
ストーリーも各所のセリフもいっしょ。
なので、監督による脚本の解釈の違いが顕著に出る。演出力の差も。
リメイク版は正直言ってつまらない。同じ脚本なのに。
ダミアン本人に自分は邪悪だという認識があり、積極的に行動に
出てしまっているのが最大の難点。
また、
父親、ダミアンを滅ぼすための方法を手に入れる→
しかし相手は子供だ、自分は間違ってるんじゃないかと思う
この辺りが自然な葛藤として描写されていたのに対し
リメイク版では不自然で唐突な拒絶と見えてしまう。
全体の描写も妙にあっさり目で、墓を暴くシーンも全く恐くない。
音楽も普通過ぎ。エンドタイトルの最後にオリジナルのテーマが
華々しく響くのが妙にムナシイ。