逸酒創伝 ぬるかん日記♪~東京の老舗酒問屋「コンタツ」 若手社員奮闘中~

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「母ゆずり」鹿児島甘口醤油誕生秘話

2008年10月01日 | お酒

こんにちは!営業統括部のツジです

「もろみ」「麹」「醗酵」「熟成」などなど・・・

お酒と縁の深いものとして挙げられるのが「醤油」

先日、鹿児島のとある友人から「醤油」をいただきました

これ

鹿児島カネヨ販売の「母ゆずり こいくち」

カネヨとは南国鹿児島で100年前に真っ先に甘い味噌醤油を造っていた会社です

そう。ご存知の通り鹿児島の醤油って甘いんですよね

これが刺身に合うって言うので、早速いかの刺身を購入

試してみることに

見た目には普段使ってるものとあまり変わりません

でも食べてみると濃厚でコクのある甘みととろみ

うまい!

人間ってきっと甘いものを「おいしい」って感じるように出来てるんだと思う

なんだかクセになる甘さ

 

ところで鹿児島の醤油がなぜ甘いのか?

どうやらこのカネヨ販売の初代・栄蔵氏が

甘い醤油誕生のカギをにぎっているようです

当時、漁師だった栄蔵氏は毎日天秤棒をかついで魚売りをしていました

しかしこれがなかなか売れない

文明開化と共に牛鍋などの新しい食文化が入ってきたため

みんなあまり魚を食べなくなったのです

そこで考えたのが、魚と一緒に味噌醤油も売ったらどうか?

というわけで栄蔵氏は自分で醤油を造り

魚といっしょに売り始めました

しかしこれがまたなかなか売れない

栄蔵氏が造ったのはどこにでもあるごく普通の醤油でした

この頃は自分の家庭で味噌醤油を造ることがスタンダード

「こんな味なら、自分で造ったほうがマシ」

お客さんの正直な声・・・

落ち込みながら奥さんの作る料理を見てハッと気付きました

魚を煮る鍋の中に醤油を注ぎ、たっぷり砂糖を入れる

「キターーーーー!」

今までは当たり前と思っていた甘い味付

これにはワケがあったのです

海に囲まれて毎日潮風にあたっている鹿児島人は

体のバランスを保つため、無意識のうちに甘いものを欲しがっていたのです

毎日口にする醤油を甘口にすれば

鹿児島の人たちに受け入れられるんじゃない?

そんな栄蔵氏の思惑がピタリと当り

そして徐々に人気が出ていつしか

「カネヨさんの醤油はうちで造るよりおいしい」と言われるようになりました

こうして鹿児島特有の甘い醤油は誕生しました

 

へぇ~へぇ~へぇ~

こういうワケだったんですね

今現在、全国には1500もの醤油製造会社があるそうですが

それぞれが、長い年月をかけて、その土地に根付き

風土にあった味を受け継いでいるのでしょう

こう考えてみると醤油もなかなか奥が深い

 

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